先日の第三回農家ハンターミーティングで、取材のみならず
なんと4時間みっちり講習会にも参加して下さった熊日新聞の記者さんが、
私たちの活動について素敵なイノシシピースの写真と共にこんなに
たくさん、しかもわかりやすく記事を書いてくださいました。
この記事で熊本県内の多くの方に、活動を知っていただくことが出来ました。
ありがとうございます!ご期待を超えられるようみんなでがんばります!
10.10 13:43
熊本日日新聞
イノシシによる深刻な農作物被害を防止しようと、県内の若手農家らが結成した「くまもと☆農家ハンター」の活動が本格化している。情報通信技術(ICT)を駆使して捕獲にかかる労力を減らすほか、捕獲したイノシシ肉のジビエ(野生鳥獣肉)としての活用を模索するなど、柔軟な発想で地域の課題解決に挑んでいる。
2015年度の県内のイノシシ捕獲頭数は3万5119頭。05年度の3倍に増えた。一方で、14年度の狩猟者数は高齢化などから18%減の3955人。急増するイノシシに狩猟者の数が追いつかないのが現状だ。
「イノシシ被害に苦しむ地域の希望の星になろう」-。9月末、美里町であった農家ハンターの第3回ミーティング。共同代表の宮川将人さん(39)は団体名の「☆」に込めた思いを、約40人の参加者に説明した。
農家ハンターは昨年4月に設立。宇城市で洋蘭などを栽培する宮川さんと、玉名市でコメやジャガイモを栽培する一瀬雄大さん(36)が共同代表を務め、20~40歳代の80人が参加している。既に宇城市や玉名市などで地元猟友会の協力を得て捕獲を始めており、将来的には県内各地に活動を広げる計画だ。
ただし、メンバーは全員、現役農家。猟銃による駆除は、山に分け入り長時間かけて獲物を追わなければならない。そればかりに時間は割けないので、効率的な捕獲の仕組み作りが必要となる。
そこで考えたのが、「箱わな」と呼ばれる捕獲用のおりと、イノシシの出現状況をリアルタイムで把握できる通信機能付きセンサーカメラの活用だ。「これなら安全だし、捕獲状況を定期的に見回る必要もない」と宮川さん。クラウドファンディングで募った約350万円を元手に、おり40基とセンサーカメラ10基を購入した。
9月末のミーティングには、大学の研究者や電子機器メーカーを招待。ドローンによる生態調査やネット上のクラウドを使った捕獲データ管理など、さらなる効率化も模索している。
イノシシの捕獲をメンバーの所得向上につなげ、意欲を引き出す“好循環”づくりも目指す。
県内の市町村が出す一頭当たりの捕獲報奨金は1万円前後だが、ジビエとして販売する仕組みが整えば、収入は確実に増える。モデルケースとして宇城市内に食肉処理加工場の整備を検討。
「イノシシの命を無駄なくいただく」ため、食用以外の部位はメンバーが育てた農作物と混ぜ、高付加価値の国産ペットフードとして販売する計画も進めている。
「イノシシ対策は20年、30年と長く続く。失敗例や成功例を共有し、お互いを刺激し合う組織にしたい」と宮川さん。捕獲実績を積み重ね、近隣農家に頼りにされるようになれば、若いメンバーたちの地域における存在感も増す。
イノシシという「厄介者」を「自然の恵み」に転換する仕組みをつくることで、若手農家同士や地域内の交流も深まる-。言わば「イノシシを介したコミュニケーションの活性化」だ。
宮川さんは「若手農家によるイノシシ駆除の熊本モデルを作って全国に広げ、耕作放棄地の減少につなげたい」と意気込む。(植山茂)