農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2025年4月、彼らの現場で見て感じた事をレポートします。
2024年7月に続き、2回目の開催となった 《車座》に参加させてもらいました。今回は、「バイオ炭」についての講習会と、恒例の交流イベント「車座」の2部構成でした。
【レポートのポイント】
▶︎カーボンクレジットとは?
▶︎もみ殻を炭にする機械「炭ちゃん」
▶︎コメ農家の話 令和のコメ騒動など
▶︎とばせ車座での交流と語らい
講習会のテーマは、「農業 × 環境 × ビジネスチャンス?」
・セミナー①(株)JIZOKU 片岡さんによる「農業由来のカーボンクレジット活用で農村活性化を目指す」
・フィールドワーク もみ殻をくん炭にする”炭ちゃん”マシーン見学
・セミナー②(株)内田農場 内田智也さんによる「最近のコメ騒動について米農家のホンネ」
そしてお楽しみの宴・車座です。
カーボンクレジット活用
第一次産業における温室効果ガスの排出量は、全体の4分の1を占めており、農業のあり方は気候変動と密接に関係しています。農業で対策ができると、その影響はまた大きくなるということです。
一次産業におけるカーボンクレジットの創出支援事業をおこなう、株式会社JIZOKUの片岡慶一郎さんと、富山で頑張る大学生の関本有太郎さんが話を聞かせてくれました。
カーボンクレジットとは、CO₂の排出削減や吸収を実施した企業Aが、その成果分のクレジットを発行し、それを排出企業Bが購入することで、自社の排出量をオフセットできる仕組みです。
例えば、あなたがガソリン車で移動して排出したCO2分を、植林をした人からクレジットを購入して「わたしがCO2出した分、これで相殺ね」とすることです。
片岡さんにカーボンクレジットの仕組みについて詳しく教えていただきました。
農業分野でどんなアクションが温室効果ガスの排出を抑制できるかというと、もみ殻、竹、おかくず。畜産廃棄物などを炭に加工して農地に散布するなど。また、田んぼから出るメタンガスも排出量が大きく、対策として秋に稲藁をすき込むのは効果的なんだそうです。
排出削減量の算出はとてもややこしいですが、JIZOKUさんのような会社がそれを担い、クレジットを購入してくれる企業とのマッチングも引き受けています。
バイオ炭!もみ殻を炭化する “炭ちゃん”が戸馳島に!
九州に一台しか設置されていない、もみ殻を炭にする”炭ちゃん”。
まさか、農家ハンター/イノPの拠点である、戸馳島にあるとは…!!
実際に見てみよう!ということで、導入した農家の吉村さんの畑にお邪魔しました。
Jクレジットを想定したこと、もみ殻くん炭を活用した自然農法に興味を持って取り組んでいるそうです。
えっほ えっほ えっほ 3歳も一生懸命運びます。
もみ殻は雨で多少濡れても燃えるのには支障がないそうです。
パウダー状のくん炭。軽くて風に舞うので土にすき込んでしまうまでがちょっと大変なようですが、土壌でCO2をぐぐっと抑えててくれるパワーを持ってます。
農家ハンターでも、Jクレジットにチャレンジしていきます!
米農家に聞く米騒動
今、問題になっているコメ騒動について、そして当事者はどう見ているのか、お米農家の内田智也さんが彼の目線でお話をしてくれました。
就農者が減ることについて、意見を求められるシーンもありました。
「集約されていくことが必ずしもマイナスばかりではありません。しかしパイプラインや用水路の管理は自分たち農家だけでは賄いきれない。確かに就農する人が減り、同時に年々作業する人が減っている。継続していくためには人手が必要という側面もあります。」
害獣対策目線の話もありました。
「害獣による被害があるかないかを考えて作付けするようになりました。とうもろこしはイノシシの大好物ですが、そこが餌場・潜み場になれば周りに迷惑をかけてしまいます。だから被害があるところは、とうもろこしではなく米を作るようにするなど工夫しています。」
コメ騒動について、当事者の声を聞くことはなかなか機会がありませんでした。立場・角度によって見方は異なるでしょうし意見はそれぞれありますが、その一つに触れられました。冷静な声を聞く機会となりました。
車座!宴!
いわずもがな楽しいのがこの時間、お気に入りのおみやを持って皆さん集まりました。
新メンバーの井手くんは、地元宮崎仕込みのチキン南蛮を作ってきてくれたり、絶品トマトや車海老、おすすめの大学芋など豊富ないろいろが揃いました。
イノシシのペッパー焼きは楠田さんが焼いてくれました。
一品持ち寄りで、キッチンカーごと来てくれる強者もいました笑
なんだか大事なことも話されていたように思うのですが、とにかくいろんな人といろんな話がおもしろくて、おいしくて、すみません、大事なところを覚えてません!笑
ただただ、愉快な皆さんがここに集まり、職種や年齢を越えてあーだこーだ未来の話をする、この輪が最高だと思う夜でした。