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2025.05.23

苗植えに草刈りにBBQ〜2025年春のソラシドエコファーム レポート

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2025年5月彼らの現場で見て感じた事をレポートいたします。

 

ソラシドエアと耕す「ソラシドエコファーム」とは?

九州の翼・ソラシドエアさんと農家ハンターが共同で運営している畑は、もともと耕作放棄地だった場所を再開墾し、「ソラシドエコファーム」として再生しました。
現在は3か所に広がり、1か所では栗の苗木、残る2か所ではさつまいもを育てています。

今回は、芋の苗植えと栗畑の草刈りの様子をご紹介します!

写真をふんだんに取り入れた現場レポート、ぜひご覧ください。

 

【エコファーム1】さつまいもの苗植えに挑戦!

ここは最初に開墾された「第一号」のエコファーム。
この日は、4月に新しくソラシドエアに入社された方も一緒に、さつまいもの苗を一つ一つ丁寧に植えていきました。

 

 

 

 

 

畑には イノシシ避けの電気柵を設置。実際に草を使って通電を確認する場面もありました。湿った草だと感電がより伝わりやすいんです。

 

 

 

万博でも披露したというオペラも聴かせていただきました。畑のオペラは格別でした✨

 

【エコファーム2】栗畑の草刈りで汗を流す!

こちらは栗の苗木を育てている畑。
草刈りは初挑戦の方も多く、服装を整えて、安全第一で作業に取りかかりました。

 

 

 

定期的なお手入れが作業効率をUP

苗木の周りには藁が敷かれ、たっちゃんの定期的な草刈りのおかげで作業はスムーズに進行。
さらに藁を追加して、苗木の根元をしっかり守ります。

追加の藁!また苗木の周りに敷きます。

休憩には定番アイス「ブラックモンブラン」!

九州ではおなじみのアイス”ブラックモンブラン”を紹介しながら、ひと休み。

まるでドラマ「ルーキーズ」みたいじゃないですか?笑

 

【エコファーム3】みすみ保育園の園児たちと苗植え体験!

恒例の収穫祭でもお馴染み、みすみ保育園の年長さん12人が元気いっぱいに参加してくれました!

 

 

 

「お姉ちゃんかわいいから好き〜」なんてほっこりな声も聞こえてきました

 

 

社長も園児さんと一緒に!

 

 

戸馳島のゴツゴツとした土も、再び耕すことで柔らかくなってきたそうです。

 

 

 

 

 

 

虫や草、時には大人から見ればゴミのようなものにも夢中になる園児たち。好奇心いっぱいです!

バイバイの時、ソラシドエアのお兄さん大人気でした笑

最後はみんなで「イノシシピース!」

「飛行機はソラシドエア!」と唱えながら、笑顔で帰っていった子どもたち。

大人だけで残りの苗を静かに植えたときの、あまりの静けさ!笑

終わりに:海辺でのBBQで締めくくり!

作業と暑さと園児たちのパワーでお腹が空いたら、海辺でBBQ!

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ戸馳島の吉本さんが持ってきてくれた車海老は、生でも焼いても絶品✨

そしてイノシシ肉は、シンプルな塩胡椒で焼くだけで大人気!

 

 

自然の中での作業はちょっと大変な分すごく楽しくて、心も体もリフレッシュできます。
子どもたちの笑顔や、わいわいした時間にたっぷり元気をもらいました。

畑づくりを一緒に進めてくれているソラシドエアさん、本当にありがとうございます!

これからも、現場で見たこと・感じたことを、写真とともにお届けしていきます。
次回のレポートもどうぞお楽しみに!

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2025.05.08

宇土市網津町のイノシシ被害と対策の”はじめの一歩”

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2025年5月彼らの現場で見て感じた事をレポートいたします。

熊本県宇土市網津町では、イノシシやアナグマなどの動物の出没が多く、家庭菜園が荒らされるなど生活被害が報告されています。地域住民の声をもとに、有害鳥獣対策の現状をレポートします。

 


【レポートのポイント】
▶︎宇土市網津町のイノシシ被害とその現状
▶︎次のステップ:住民主体で進める鳥獣対策マップ作り

▶︎行政と住民が協力して取り組む鳥獣害対策
▶︎鳥獣害対策が進まない原因と生活被害の背景


宇土市網津町のイノシシ被害とその現状

宇土市網津町は山に囲まれた小さな集落。住民20名が集まった有害鳥獣対策のセミナーでは、以下のような声が上がりました。

公民館に集まったのは20名ほどで、そのうち5名は女性でした。農家は5名、猟友会の方は3名。みなさん家庭菜園をしています。この地域にはアナグマやアライグマもいますが、深刻なのはイノシシ被害です。この地域での困りごとをお聞きしました。

⚫︎ 家庭菜園を荒らされた
⚫︎ 時間に関係なく出てくる
⚫︎ 家庭菜園していたらイノシシが出てきて威嚇してくる
⚫︎マルチシートの上を歩いて穴を開けられる
⚫︎たけのこ掘りに山に入ればひどいありさま
⚫︎小屋に置いていた米を食べられた
⚫︎イノシシの親子が道を歩いている。危なくて子ども孫を外で遊ばせられない
⚫︎学校の行き帰りも心配

被害は時間帯を問わず発生し、特にイノシシの出没が生活に大きな不安をもたらしています。女性や高齢者も積極的に会に参加しており、地域全体での対策が急務だと感じていることが伝わりました。

 

たっちゃんの話のハイライトはいつも「自分たちが主体となって地域を守ろう」ということです。その上で、困り事や希望を聞きながら、ノウハウや次のステップを示して対策に繋げていきます。

 

 

住民主体で進める鳥獣対策マップの作成とは

「住民が主体となって鳥獣対策をする」の次に出てくるのは、「どうやって?」という疑問です。

 

次のステップとして鳥獣対策マップづくりを提案しました。

鳥獣対策マップづくりは、その地域の大きなマップを用意し、動物を目撃した場所、被害があった場所、痕跡があった場所、通り道などをシールや文字で書き示していくものです。被害の分布や動物の動線が「見える化」され、地域における被害の全貌が見えてきます。

それまで皆さんが持っていた“点”の情報を、“線”にし、的な対策ができるようになるわけです。

 

地域での講演やセミナー前、講師の稲葉たっちゃんはその地域をぶらりと見てまわります。事前に、どこでどんな鳥獣対策がされているのか、どこから野生動物が集落や畑に来ているかチェックすることで、その地域に必要なお話ができます。

網津町は動物にとって居やすい環境が揃っていました。
山から近く、集落に出て来やすい。沢が流れ、家庭菜園で食べ物は充実。ネットはあっても電気柵やメッシュ柵などはなく、入りやすい。茂みや小屋など隠れ場所にも困りません。

情報をマップに落とし込むことで、防護策設置の場所や種類、隠れ家となりそうなしげみの管理などについて計画しやすくなります。

 

 

行政と住民が協力して取り組む鳥獣害対策の重要性

「狩猟免許を持っている方が3名いますが更新が面倒。高齢だし、もっと簡素化してほしい」という意見がありました。

安全に関わることなので慎重さは重要だと思いますが、今のところは捕獲することもないため狩猟免許がなくても困らないということなのかもしれません。

有害鳥獣対策がすすめば狩猟免許の必要性もかわってきます。今後のために地域の若い方が取得していけるといいですね。

 

「行政をあてにせず、自分たちで対策を担っていかなきゃいけないのは難しく感じる」という率直な声もありました。

 

行政と住民が連携することで、有害鳥獣対策の効果は高まります。
行政と地域をつなぐのが得意な楠田さん、
「住民主体となり、自分たちで対策を学んだ上で行政に相談すると行政もサポートしやすい。”自分たちでやる”というスタンスが大切」だそうです。

 

たっちゃんからは、
・「誰かがしてくれるだろう」と捉えていて、被害が大きくなっている地域が多い
・潜み場をなくしたり、家庭菜園で出た残渣や放置された果樹を食べさせないようにするなど、小さく少しずつでも対策していくといい。

そして、「目撃情報は多く不安は大きいものの、もっと事態が深刻になる前に早め早めの対策をしていってもらいたい」と呼びかけました。

 

 

鳥獣害対策が難しい原因と生活被害の背景

 

「住民主体で対策をしていく」という視点を持つことが難しい理由として、被害の特徴があるようです。

この地域は農業被害ではなく、暮らしに影響がある”生活被害”がメインです。

 

農業被害ならば、対策のための勉強会があったり防護柵の補助金があったりと情報にアプローチしやすいものです。

では生活被害だったら・・・?

 

もし我が家の庭先にイノシシが出てきたら、慌てふためいて「警察なの?消防なの!?まずは市役所か!」 となるだろう自分が容易に想像できます。そして「どうにかして〜」と必死に訴える気がします。

自分や家族、家を守る術がなければ「行政どうにかしてください」となるのは、自然なことではないかと思うのです。

 

行政に頼るのが間違っているわけではありません。ただ生活被害の場合は農業被害と比べると情報が行き届きづらい現状のようです。(家庭菜園は、生業としての農業ではないのでここでは生活被害とします)

 

いずれにせよ、野生鳥獣問題を学ぶようになって分かったのは、「行政だけでは解決できない」ということ。

行政が全てをカバーできないし、行政のフォローを待っている間に被害は増えます。
行政の支援も大切ですが、各家庭で災害に備え有事の際は地域で団結する必要があるのと同じように、野生動物から生活や家族を守るためには各自が学び、地域で備えていくことが必要になってきます。

 

 

網津町ではこの日のセミナーが第一ステップとなりました。

宇土市には網田町上床地区のような好例もありますので、横の繋がりも強めながら網津町にとって良い対策ができることを願っています。

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2025.04.28

特定地域づくり事業協同組合で地域を守る!戸馳島で「TOBASE Island Works」発足

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2025年4月、彼らの現場で見て感じた事をレポートいたします。

 

 

熊本県・戸馳島にて、新たに結成された「TOBASE Island Works協同組合」。
特定地域づくり事業協同組合制度を活用したこの取り組みは、過疎地域における雇用の創出や移住・定住促進につながるものです。熊本県知事への表敬訪問の様子も含め、熱気と挑戦のリアルをレポートします!


【レポートのポイント】

▶︎特定地域づくり事業協同組合制度
▶︎TOBASE Island Works協同組合設立
▶︎熊本県知事を表敬訪問


特定地域づくり事業協同組合制度

『特定地域づくり事業協同組合制度』について、ご存知ですか?

このたび、イノP(農家ハンターから生まれた株式会社で、ビジネスの力で有害鳥獣対策に取り組みます)は、果樹作農業の古石農園、車エビ養殖の吉本水産、蘭と果樹の宮川洋蘭と共に、この制度を活用した取り組みを始めることとなりました。

 

特定地域づくり事業協同組合制度とは?

 


総務省のHPより
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/tokutei_chiiki-dukuri-jigyou.html

 

ざくっと言えば、「組合で人を雇い、その人材を組合員の各事業でシェアしようね」というものです。
1事業者だけでは従業員の雇用は難しいけれど、年間で人手が必要な時期がある。そんな事業者たちが、それぞれの繁忙期と閑散期のズレを利用し、年間を通して “仕事がある” 状態を作ります。

 

 

TOBASE Island Works結成

安定した雇用を生み出すことは過疎に歯止めをかけるため欠かせません。しかし、特に過疎地域ではそれが難しいのが現状です。戸馳島でも例外ではありません。

そこで、組合を発足し特定地域づくり事業協同組合制度を活用することになりました。
果樹作農業の古石農園、車エビ養殖の吉本水産、蘭と果樹の宮川洋蘭、そしてイノPの4事業者で立ち上げたこの組合を《TOBASE  Island Works協同組合》と名付けました。

収穫時期の異なる農業漁業や、野生鳥獣を相手にするイノPには、とてもありがたい仕組みです。

 

組合から派遣される職員第一号が井手勇希くんです。宮崎からの移住者です。

教職を志す井手くん、先生になる前に知見を広げ、いろんな経験を積みたいと手を挙げて参画しました。

やる気抜群!地元の宮崎弁が親しみやすく、なんだかみんなの弟のようにかわいくて何事にも一生懸命、地域のみんなに愛されること間違いなしです!

 

 

熊本県知事表敬訪問

宇城市の末松直洋市長、熊本県中小企業団体中央会の西尾浩明さんともに、TOBASE Island Works協同組合の構成メンバーそろって熊本県知事に表敬訪問に行きました。特定地域づくり事業協同組合として県より認定を受けたこと、そして今後の展望について報告しました。

 

左から、末松宇城市長・古石代表理事・木村県知事

 

 

 

組合の代表である古石恭介さんからの挨拶の中に、こんな言葉がありました。

「地域の担い手の育成や確保につなげたいと期待しています。また、(派遣された職員は)業種も経営理念も異なる複数の事業に関わることで、さまざまな視点を取り入れ、多くのスキルを身につけることができます。成長した社員が独り立ちする時、地元に根を張る自分たちがサポートしていきたいです。」

地域や人手を必要とする組合の構成員にとってプラスになるという視点にとどまらず、従事する人にとってもプラスになるよう動き育てていくという姿勢がTOBASE Island Worksの魅力だと思います。

 

宇城市の末松直洋市長 もご挨拶くださいました。

「宇城市でも特に人口減少・高齢化の著しい戸馳島。地域を担う基幹産業や地域経済の衰退、さらなる人口減少や悪循環が危惧されます。この協同組合の設立は新たな雇用が生まれ、地域外からの移住定住につながり、後継者や就農者の獲得も期待しています。」と話されました。

2月に市長になられたばかりの末松市長、人口減少や地域の衰退への懸念以外にも空き家問題など地域の課題にも触れながら話されました。

 

 

 

最後に、木村敬県知事から心のこもったメッセージを届けてくれました。

県知事が総務省に在籍されていた頃、島根県の海士町の高校生が卒業後も島で生活できるようにという課題から発案し制度設計に関わってこられた制度です。 思い入れも一塩のようでした。

「戸馳島でこの組合ができたことを、自分ごととして嬉しく思っています。この制度を考えるにあたり、農業と漁業の連携モデルは理想的でした。そこに有害鳥獣の駆除という公共的な事業の素晴らしい組み合わせが実現しました。円滑に実施されるよう県もサポートしていきます。なんでもご相談ください。」

 

 

井手くんやる気十分です!この制度によって職員として働けることの感謝を伝えていました。

 

 

従業員をただ雇うのとは異なり、初めての雇用形態に挑戦することになります。ワークバランスや連携など、やっていく中で課題が見えてくることもあるかもしれません。しかし代表の古石さんと吉本さんも仕事は熱心、ハートはあたたかい。気持ちの良いお人柄で、そこに宮川さんと稲葉たっちゃんがいます。事務局には楠田さんもつき、「みんなにとって良い」を目指せることと確信しています。

 

 

せっかく県庁に来たので、関係各所にご挨拶に回りました。

稲葉たっちゃん、県から有害鳥獣対策の事業を受託しているため、歩けば歩くだけ「稲葉さん!」と声をかけられていました。人気者〜!✨

 

 

 

緊張から放たれた皆さん、ルフィとも記念撮影してきました。

「とくち王に、おれはなるっ!!!」

 

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2025.04.13

バイオ炭の力と、米農家のホンネ、語り合う夜

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2025年4月、彼らの現場で見て感じた事をレポートいたします。

2024年7月に続き、2回目の開催となった 《車座》に参加させてもらいました。今回は、「バイオ炭」についての講習会と、恒例の交流イベント「車座」の2部構成でした。


【レポートのポイント】

▶︎カーボンクレジットとは?
▶︎もみ殻を炭にする機械「炭ちゃん」
▶︎コメ農家の話 令和のコメ騒動など
▶︎とばせ車座での交流と語らい

 


講習会のテーマは、「農業 × 環境 × ビジネスチャンス?」 

・セミナー①(株)JIZOKU 片岡さんによる「農業由来のカーボンクレジット活用で農村活性化を目指す」

・フィールドワーク もみ殻をくん炭にする”炭ちゃん”マシーン見学

・セミナー②(株)内田農場 内田智也さんによる「最近のコメ騒動について米農家のホンネ」

そしてお楽しみの宴・車座です。

 

カーボンクレジット活用

第一次産業における温室効果ガスの排出量は、全体の4分の1を占めており、農業のあり方は気候変動と密接に関係しています。農業で対策ができると、その影響はまた大きくなるということです。

一次産業におけるカーボンクレジットの創出支援事業をおこなう、株式会社JIZOKUの片岡慶一郎さんと、富山で頑張る大学生の関本有太郎さんが話を聞かせてくれました。

カーボンクレジットとは、CO₂の排出削減や吸収を実施した企業Aが、その成果分のクレジットを発行し、それを排出企業Bが購入することで、自社の排出量をオフセットできる仕組みです。

例えば、あなたがガソリン車で移動して排出したCO2分を、植林をした人からクレジットを購入して「わたしがCO2出した分、これで相殺ね」とすることです。

 

 

 

 

片岡さんにカーボンクレジットの仕組みについて詳しく教えていただきました。

農業分野でどんなアクションが温室効果ガスの排出を抑制できるかというと、もみ殻、竹、おかくず。畜産廃棄物などを炭に加工して農地に散布するなど。また、田んぼから出るメタンガスも排出量が大きく、対策として秋に稲藁をすき込むのは効果的なんだそうです。

 

排出削減量の算出はとてもややこしいですが、JIZOKUさんのような会社がそれを担い、クレジットを購入してくれる企業とのマッチングも引き受けています。

バイオ炭!もみ殻を炭化する “炭ちゃん”が戸馳島に!

九州に一台しか設置されていない、もみ殻を炭にする”炭ちゃん”。

まさか、農家ハンター/イノPの拠点である、戸馳島にあるとは…!!

実際に見てみよう!ということで、導入した農家の吉村さんの畑にお邪魔しました。

Jクレジットを想定したこと、もみ殻くん炭を活用した自然農法に興味を持って取り組んでいるそうです。

 

 

 

 

えっほ えっほ 3歳も一生懸命運びます。
もみ殻は雨で多少濡れても燃えるのには支障がないそうです。

パウダー状のくん炭。軽くて風に舞うので土にすき込んでしまうまでがちょっと大変なようですが、土壌でCO2をぐぐっと抑えててくれるパワーを持ってます。

農家ハンターでも、Jクレジットにチャレンジしていきます!

 

米農家に聞く米騒動

 

今、問題になっているコメ騒動について、そして当事者はどう見ているのか、お米農家の内田智也さんが彼の目線でお話をしてくれました。

 

 

 

就農者が減ることについて、意見を求められるシーンもありました。

「集約されていくことが必ずしもマイナスばかりではありません。しかしパイプラインや用水路の管理は自分たち農家だけでは賄いきれない。確かに就農する人が減り、同時に年々作業する人が減っている。継続していくためには人手が必要という側面もあります。」

 

 

害獣対策目線の話もありました。

「害獣による被害があるかないかを考えて作付けするようになりました。とうもろこしはイノシシの大好物ですが、そこが餌場・潜み場になれば周りに迷惑をかけてしまいます。だから被害があるところは、とうもろこしではなく米を作るようにするなど工夫しています。」

 

コメ騒動について、当事者の声を聞くことはなかなか機会がありませんでした。立場・角度によって見方は異なるでしょうし意見はそれぞれありますが、その一つに触れられました。冷静な声を聞く機会となり、ありがたかったです。

 

車座!宴!

 

いわずもがな楽しいのがこの時間、お気に入りのおみやを持って皆さん集まりました。

新メンバーの井手くんは、地元宮崎仕込みのチキン南蛮を作ってきてくれたり、絶品トマトや車海老、おすすめの大学芋など豊富ないろいろが揃いました。
楠田さんによるイノシシのペッパー焼きも好評でした!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キッチンカーごと来てくれる強者もいました笑

 

 

なんだか大事なことも話されていたように思うのですが、とにかくいろんな人といろんな話がおもしろくて、おいしくて、すみません、大事なところを覚えてません!笑

ただただ、愉快な皆さんがここに集まり、職種や年齢を越えてあーだこーだ未来の話をする、この輪が最高だと思う夜でした。

 

 

 

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2025.03.31

【熊本県宇土市上松山地区】害獣対策マップづくり

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2025年3月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

宇土市の上松山地区にお邪魔してきました。この日、宇土市の農林水産課主催で鳥獣害被害対策のためのセミナーが行われ、地域の方14人が集まりました。

 

《今回のレポートのポイント》

・宇土市上松山地区の鳥獣害被害状況
・害獣対策のためのマップづくりについて
・マップから見えた宇土市上松山地区の害獣対策状況と課題


宇土市上松山地区のイノシシ出没状況

国道3号線から入ってすぐのこの地区は、五色山という山があるものの、四方を囲まれているわけではなく、どんな被害があるだろうか?と考えながら会場を目指しました。

 

稲葉たっちゃんの話によると、

今年(2024年度)はイノシシさんの捕獲、県全体で多くなっています。宇土市では例年800頭ほど獲れています。今年はこの松山地区で100頭捕獲したそうです。

 

 

 

獣対策のマップづくり

この日のプログラムは、害獣対策のマップづくりです。

その町や地区の地図を用意し、有害鳥獣を目撃した場所、鳥獣によって被害のあった場所、獣道や足跡など痕跡があった場所、柵を張っていたり罠を仕掛けている場所、放置されている果樹、耕作放棄地などを書き込み、その町の被害状況を可視化するものです。

住民の方がそれぞれに持つ情報を集約し、鳥獣被害に対する共通の理解を持つことができます。また、どこから動物が来ているのか、どこを守っていくといいか予想を立てることで、次の対策に繋げることができるというものです。

 

 

マップづくりに入る前に、皆さんの困りごとや疑問をヒヤリング。

 

Q イノシシは夜行性?
A イノシシは夜行性ではありません。慣れると昼間でも出てくることがあります。

 

Q 朝、よく見るようになった。新幹線の高架下を通って宇土市内の山に帰っていくのを見かける。寝床を決めたらそこから動かないのかな?
A 食べ物次第じゃないか。時期によって変わったりするかと思います。イノシシの脳はウマと同じくらいあると言われているので、しっかり見極めていると思う。

 

 

マップづくり

いざ、マップづくり!

 

 

 

みなさん遠慮がちなのか、シールはなかなか減らず……

 

 

そんなに被害…ない…?

マップを前に皆さんと話して見えてきたのは、耕作放棄地の増加に対する課題感でした。「あそこも畑をやめらした」「ここもか」みたいなことが年々増えているそうです。そこが山から来たイノシシの潜み場にならないように、地域で耕作放棄地の管理・対策に取り組む必要性を話し合いました。

 

さて、イノシシの実際の被害についてですが、
いざマップを作ってみると、そんなに被害が多くて困っている、ということでは……ない……?

という状況が見えてきました。

イノシシを見かけることはあるものの、幸いにも何か被害が出るところまでは至ってないようです。

でも、この上松山地区で100頭は捕獲されています。

ん?と思っていると、そこにはキーパーソンの存在が。

害獣駆除のキーパーソン

この地区に暮らすセキさん、何度も何度も稲葉たっちゃんの話を聞きに来られました。そして鳥獣害対策の仕方を学んでいきました。仲間と2人、狩猟免許を取得し、罠も設置し、熱心に取り組んでいます。くくり罠、箱罠ともに仕掛けています。上に書いた地域での100頭の捕獲は、セキさんとお仲間の功績が大きいようです。

彼がいてくれることがとても大きな抑止力になっているのではないでしょうか。

 

セキさんは何度も何度も何度もたっちゃんの話を聞いて、ドローンの免許もとり、そこから罠を仕掛けました。おかげで効果的に捕獲ができ、地域の人から信頼と感謝の思いが厚いようでした。上松山地区のサイトでは、捕獲したイノシシの様子が紹介されていますのでリンクはこちらです。

https://www.gosikiyama-fureaikai.com/kuusatsu.html

 

ICTやデータを用いて取り組み担ってくれる人がいることで、「地域の困りごと」になる一方の鳥獣害問題が「地域で困らないこと」になるのですね。驚きました。

 

 

被害が大きくないのに、鳥獣被害対策セミナーでこんなに人が集まることにも驚きました。

 

「なんか公民館であるてだけん行ってみようか」というものではなく、害獣対策について知り対策するために集まられました。

これにも理由がありました。

この地域には五色山という山があります。みんな幼い頃に遊んだ、故郷の山です。しかし徐々に荒れ始め、道も通れなくなるほどになってしまいました。5年前に補助金も採択されたことから、みんなで地元の五色山を守ろう、取り戻そうと立ち上がり、樹を伐採したり道を整備したりしてみんなで手を取り合ってきました。その頃からイノシシが出始め、自分たちで駆除しよう、守ろうと、自分たちのやり方で鳥獣対策をしてきたそうです。その動きがあったから、地域内の信頼関係や協力体制が自然と築かれていたのではないかとセキさんが話してくれました。

 

「こうして勢力的にがんばる人がいるからこそ、その人たちだけに任せずにできるところから協力していくといいですね」とたっちゃんからメッセージをお届けして終わりました。

 

マップで見える課題、次の地域はどこでしょう?

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