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2024.10.15

芦北高校で電柵にくくり罠、実践授業

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2024年10月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

芦北高校 農業科・林業科の2年生39名、合同の鳥獣対策1日授業にお邪魔してきました!

 

電気ビリビリ!?電柵チェック

 

向かったのは高校の農園。

さつまいもが猪被害に遭うため電柵が張られていました。

 

電流が4000v流れているか確認するためにテスターが必須ですが、まずは電気の流れを感じるためにそこに生えていた草に協力してもらって確認しました。

草を通じてワイヤーに触れます。

正常に流れていたら、触れるともちろん痛いですのでみなさん恐る恐る……

 

 

でも…

 

「ん?」

 

「わからない…」

 

草を使っても電流が分からなかったのでもう素手で触っておられました。それでもなんか少し感じるような感じないような…という具合。

 

調べていくと、どうやら電柵の支柱に鉄が使われていたようで、そこから漏電していたようです。プラスチックに見える、よく見かける緑色の支柱も中に鉄が入っていますので要注意ですよ〜

 

「蜘蛛の巣は電柵に影響がありますか?」と質問に来た女の子がいました。
蜘蛛の巣は大丈夫だそうです!

 

 

イノシシどこから?

 

イノシシさんはどこから畑に来ているでしょう?

獣道を探します。

稲葉たっちゃんや先生は「あ、ここだ!」「ここもある」とすぐに見つけられますが、普通にみていてもなかなか分からないものです。

 

 

そしてイノシシさんが好きそうな場所も。

水気のある場所が好きなイノシシさん。ここで泥を掘り起こしたり遊んだりしているのでしょうか。

 

好きが分かる=イノシシさんについて理解する なので、観察って大事ですね〜

 

果樹園へ

 

芦北高校の裏手の山にある果樹園、スイートスプリングや甘夏などいろんな柑橘が植えてあります。しかし分かるでしょうか、下4分の1ほどの高さの葉っぱが全然ありませんよね。

 

 

葉のない部分はシカさんが食べてしまったのです。ディアラインと呼ばれるもので、シカさんの口の高さです。シカさんの届かないところは葉が美しいままというわけです。葉も木の皮も食べちゃうのでそこがダメになってしまいます。届くところ全部食べ尽くしちゃうシカさんの食欲たるや…!ほどほどにして木を生かしておくれ〜と思わずにいられません。

新芽も少し出ていましたが、昨年からほとんど変化なしです。

 

 

 

昨年、ここでくくり罠を仕掛けました。柵で全方位を覆わずに農地を守るのはなかなか難しいですが、柵が設置できるかは場所次第です。
くくり罠はそこにピンポイントで足をつくかが肝。慎重な個体でも有効なのですが、私みたいな何もできない素人には運ゲーのようにも思えちゃいます。しかしプロフェッショナルは見極めて仕掛けて、成果をあげるから本当にすごい!

 

くくり罠を潜り抜けてやってきているシカさんもいるようで、フンがいたるところにころがっていました。

井上くんから「野生動物から感染症がうつることもあるので、素手でフンを触らないでね!」とのこと。特にシカさんのフンはコロコロしているからと触ってしまうこともあるかもしれませんが、手袋をしたり触れた際は必ず手を洗ってくださいね。

 

 

さて質問です。

イノシシさんとシカさん、どちらがダニが多いでしょう?

 

みなさんどう思われますか?

 

あんなに可愛いシカさんにダニがたくさんなんて想像できない…と単純なわたしは思うのですが。

より毛の多いシカさんのほうがダニがたくさんなんですってー だからシカがいるとヒルが増えるそうです。

ここここわっ

 

 

罠を仕掛けてみよう!

山ではグループに分かれてくくり罠、箱罠を仕掛けました
獣道を探すところから始めて、イノシシさんの痕跡を探します。

 

木に体を擦り付けたような跡がありました。井上くんが高校生に教えます。

 

 

途中でイノシシさんの骨も発見。女の子たちがびっくりの奇声をあげていました。

数年前にそこでイノシシさんを埋めたことがあると先生が教えてくれました。いろんな動物が掘り起こすこともあるので出てきちゃったのでしょうか。

 

 

急な斜面で仕掛けたグループもありました。

 

 

 

 

 

そんなこんなで今回も充実した1日だったようです。

2年生元気でとってもかわいかった!先生方も明るくて熱心で、素敵でした!

 

視察に来られていた卒業生でもある大分県職員の方の挨拶も印象的でした。「卒業後、行政で働く人も多いと思うので、こうして鳥獣対策についてしっかり学んで現場で生かしてほしいです」

今回ご一緒した猟友会の皆さんも協力的で応援体制バッチリのようですので、ぜひぜひ高校生の皆さん!狩猟免許をとったり現場で学んで地域の☆になっていってください!

 

 

 

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2024.09.30

イノシシとの知恵比べ!南小国・田尻轟地区での勉強会

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2024年9月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

南小国町 田尻・轟地区で鳥獣対策セミナー

 

 

南小国町の田尻・轟地区で住民の方に鳥獣対策勉強会をお行いました。

イノシシさんが多くいる地区、対策には餌付けSTOP対策が有効だということで、南小国町の農林課有害鳥獣担当の職員さんが企画され、地域の会合の一環で場が設けられました。

皆さんとても距離が近く、コミュニケーションをよくとられている地域のようでとっても和気藹々。明るくて終始笑いと会話に包まれる2時間でした。

 

さてイノシシさん。どのくらい身近かとお聞きすると、畑が荒らされていたりあちこちに山から降りてきている痕跡があると言います。

 

実際、セミナー前に地区を調査した農家ハンター部隊も

山際に イノシシさんの通り道や痕跡を見つけたりしてどんな経路でイノシシが集落に降りてきているか予測を立てました。

柵やイノシシ避けリボンでまた、対策をしているのが分かりました。

 

ワイヤーメッシュや電柵について、どこの地域でも間違いやすい点をここでもシェアしておきますね。

 

・ワイヤーメッシュが裏表逆に張られている → 横目が畑の外側に来ると、動物が引っ張って溶接部分が取れる可能性がある。横目が畑川、縦目が外側にくるようにする。

・ワイヤーメッシュが、隣と重なっていない → 両隣のワイヤーメッシュと少し重ねることで隙間からの侵入を防げる

 

「ワイヤーメッシュは裏表ってあったとね!?」とみなさんびっくり。

 

 

他にも、電柵のソーラーを守ろうと、ビニールをかけてあることがあります。雨風から守りたいからですが、しけって機械が壊れる可能性があるので逆効果なんですって。

 

電柵は、地面から20cm、40cmの位置に張るのがベストです。が、まっすぐフラットな地面ならばラクですが、畑の周りや山の中だと凸凹していたり石ころゴロゴロだったり穴があったりしますよね。そんな場でいちいち測って調整するのも手間なのでざざざっとしちゃうことも多いです。また、電柵を効果的に使うには周りの草刈りが欠かせませんが、20cmなんてあっという間なので草刈りの頻度を減らすために柵を高めにしてしまいがち。

でも、電柵は『イノシシさんの濡れた鼻に当たって電気が流れ、「痛い!」となって近づかない』が目的。鼻に当たらない位置にきちゃうと効果がないのです。

 

他の柵もそうですが、ホームセンターで簡単に購入できても張り方を教えてもらう機会はなかなかありません。導入業者さんも詳しくなかったりするので張り方が自己流になってしまう場合が多いそうです。正しく理解できると効果が変わってきます。

 

 

草刈りの手間を省けるよう、たっちゃんから、電気が通る防草シートが補助金の対象になったため導入を検討されたらどうかと提案したところ、気になるのは費用対効果。50mで14000円程度で、3~5年持つようです。「コストはかかるけど長く持つなら……」という反応でした。

 

 

話の途中から、たくさんの質問が飛び交いました。特に柵のこととイノシシさんの生態についての質問に集中していました。

 

Q イノシシの移動距離は?どんな行動パターン?
A オスは、生まれたところから離れようとする。行動の習性として、目的期にまっすぐに行くのではなく、ずっと歩いてその目的地に近寄れるところを探します。だから柵を張っていても、どこか弱いところがないか根気強く探します。

 

Q 田植えをして、まだ稲も実ってない時に田んぼに入るのはなぜ?
A 食べるというよりも、水や泥が好きだから入るのかもしれません。https://farmer-hunter.com/blog/1229

 

Q イノシシ避けのリボンやラジオは効きますか?
A 最初は効くかもしれないけど、慣れると効果がなくなります。

 

シカさんは?

また、県内でのシカさんによる被害状況もお伝えすると、「毎朝聞こえてくるあの声は鹿だったったい!」と、この地区にも鹿さんの存在がじわじわと迫ってきているようでした。

 

道や畑や山際で見かけて「あ〜おるね、かわいかね」とほのぼのしていては、5年後にはシカさんワールドが広がってしまいます。増やたものを減らすのは大変。イノシシさんよりカモさんよりも、シカさんは農業・林業・人的に深刻な被害をもたらします。土砂崩れもそうですね。人間の生活・農業境界を超えないよう早めの対策が鍵なのです。

 

 

誰が担う?

誰かの土地や畑は、「所有者が守る」ということで分かりやすいです。けど、地域を守るためには、地域全体で面的に取り組み一人一人が自分ごととして捉えて結束していくことが必要です。

自分たちの手で地域や畑を守るには、自分たちがブレーンかつプレーヤーになること。

罠を仕掛けられるように、狩猟免許を持つ人が集落に必要です。そしてみんなで取り組む。セミナー会場として場を提供してくれていた女性は「誰か罠の資格とったら?」と提案しました。そこから誰が適してるか、自分だと通らないだろうけどどうだろうかと話が始まります。ここも例に漏れず高齢者の割合がぐんと大きいわけですが、それでも「自分たちで」となっていくこと素晴らしいなと思いました。

 

農家ハンターの活動は、「山にいる動物たちには手を出さない」をモットーにしていますが、場合によっては減らすことも含めた面的な動きが必要になってくることもあります。地域で話し合って、学びあって方針を決めていけるといいですね。

 

 

耕作放棄地

では、耕作放棄地はどうしたらいいでしょうか?全国的にも課題となっているこの問題。つくらなくなった土地をほうっておくと、動物の隠れ場となり、畑や人間の生活区域に近づくことになります。この地区でも、昨年度よりつくらない田んぼが増えたそうです。牛の牧草を作ったらどうかという話もあったようです。ただウリ坊さんは牧草が好きなので守っていかなければなりません。

たっちゃんからの提案は、「管理の手のあまりかからないもの、かつ動物が好まないものを植えるとどうだろうか?」です。例えばくぬぎ。2〜4年は草刈りが必要ですがその後は見通しのいい森になっていきます。動物の隠れ場になることも、放っておいて荒れることも管理の手をかけることもなくなります。農家ハンターでは、実験的に早生桐を植えています。

 

「いのししとの知恵比べたいな!」

「頭よかもんな〜イノシシは」

「俺がイノシシならちょっと電気が痛くても命懸けで食べ物のとこに行くもんな〜」

そんなことを話して帰って行かれました。誰もイノシシさんをバカにしておられませんでした。だからこそ生態についての質問が多かったのかもしれません。

 

イノシシさんソーセージの試食も好評でした!✨

 

田尻・轟地区との鳥獣対策は続きます。農家ハンターが現場で伴走していきますので、どんな成果につながるか私も楽しみです!

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2024.09.20

鳥獣対策先進県、なれちゃうかも?

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2024年9月彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

県議会に向けて現地調査

熊本県農水産常任委員会の委員の方々、熊本県職員の方々、宇城市の副市長はじめ市職員の方々がおいでになりました。熊本県議会議員の皆さんで構成される常任委員会、議会で役立てるための現場視察調査です。

 

三角ご出身の吉田委員長がご挨拶され始まりました。

宮川さん稲葉たっちゃんと旧知の仲ということで、ユーモアたっぷりで和みます😄

 

農業面で宮川洋蘭の概要を説明、その後農家ハンターの活動を説明へと続きました。

 

 

宮川洋蘭のお話も本当におもしろいんです。宮川さんがあまりにしゃべれる農家というのもあるんですが(笑)、地域でどう生産を盛り上げてきたか、どんなアイディアで逆境を乗り越えてきたか、どうやって楽天で表彰されるまでになるのか。そして、会社の利益だけでなく地域の利益になるコトやモノを生み出すエネルギーなど、学びがたくさんです。

 

 

さて、農家ハンター編。

楠田さんからは活動の概要を。端的で分かりやすい!それでいてちょっとおもしろいのがさすがです。

 

 

 

井上くんからは、ジビエや利活用について。

 

稲葉たっちゃんからは鳥獣対策の現場について。

 

 

意見交換がとても活発でした。

 

委員の方:「実践された人の知識や経験は、他の地域でも活かせます。農家ハンターでも最初は箱罠を置いて何ヶ月も獲れなかったように、簡単ではないからこそ、他の地域でも経験と知識を活かしてほしい」

宮川さん:「年間100回くらい講演をしているのは、自分たちで守ることのできる地域を増やしたいから。でも、県内からはなかなかお呼びがかからない。県外に出向くことが増えているが、熊本県内でもそんな地域を増やしていくために、議員の皆さんにもお力を貸してもらいたいです。」

 

委員の方:「自分たちのことばかりでなく、地域ともコラボしたいというのが根底にあるのですね。反省点として、自分たちが頑張りすぎて、地域の人にとって自分ごとにならなかったという点が挙げられました。どう解決したかなど詳しく教えてください。」

稲葉たっちゃん:「僕の反省ですが、自分の地域で自分が1人で頑張った結果、「あいつがすること」と周りに認識されてしまった。自分が被害に遭わないとなかなか自分ごとにならない。そして”自分がやるしかない”と腹をくくれると早く対策ができる。「あいつがやる」と認識されたらなかなか覆せないので、他の地域ではそうならないようにアドバイスしています」

などなど。

 

 

ジビエファームへ

意見交換の後は、ジビエファームへ。

堆肥化の機械や、この機械が地域で果たす役割についてを話したり

 

 

金網柵の説明をしたり

 

今日はイノシシさんの捕獲はなかったので本物をご紹介することはありませんでしたが、ジビエファームの中で解体から出荷までの流れ、衛生管理についての説明をしました。

 

今回のこの場では、活動の内容だけでなく農家ハンターが抱える課題、地域が抱える課題などもオープンに伝えました。行政にしかできないことや得意とすること、民間団体にだからこそできることがあると思います。強みを持ち寄って協力し合っていけたら、鳥獣対策先進県になっていくんじゃないでしょうか!!??

 

 

最後に、季節は秋ですが台風前日に元気に咲いていた向日葵さんを。

もうしばらく暑さが続きそうですね、皆さん農作業にお仕事に、お気をつけて!

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2024.08.31

玉東町からのお客様・柵を学ぶ日

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
20248月 彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

玉東町からの視察

大きなバスでいらしたのは、玉東町からみかん・お米・梨の農家の皆さんと町の職員さん。

防護柵の研修においでになりました。研修会場は青海小学校横の畑です。久しぶりに来たその畑では、サトウキビが大きく大きく育っていました。

 

玉東町もだいぶイノシシさんによる被害が増えてきたようで、電柵やワイヤーメッシュ柵を試みている人が多かったです。

 

「電柵は何ボルト必要か知ってますか?」

稲葉たっちゃんからのこの問いに、わたしが同席する中では初めて正解した方がいました!笑

 

個人で対策をしているものの効果的に守るにはどうすればいいか、鳥獣害対策の基本の守りに力を入れようと研修のご依頼がなったということです。

 

 

 

 

推しの金網柵

農家ハンターが推してる【金網柵】は、あまり知られてはいないようで、金網柵を主に紹介しました。

苓北町で使われていて効果が高いことから農家ハンターでも取り入れるようになりました。

 

 

山間部に行くとよく見かける、パネルのような溶接されているワイヤーメッシュは、安価で取り入れやすい良さがありますが使用できる場所を選びます。

足場がゴツゴツした石があるようなところだったり、でこぼこしていたらそこから動物に突破されてしまうので向きません。

場所によって種類を選ぶのがいいですね。

 

 

金網柵の推しポイントは

☆柔らかいため扱いやすい

☆足場に合わせてピッタリ張ることができる

☆地面に添ってL字に折り曲げられるスカート部分があるため、動物さんが掘り起こしにくい

☆そのため、ぴったり貼ればしっかり守れる!何年も突破されてない実績あり!!

 

マイナスと言えば

★他の柵と比べて割高

★張るのに人手がいる

 

ですが、地域の一つの行事にしてみんなで取り組んだり、行政の助成金をうまく活用することで導入しやすくなります。

(わたしも少しずつ詳しくなってしまいました笑)

 

効果をあげるために

カメラの有効性もお話ししました。カメラのいいところはそこにいる動物の大きさや動き、習性を知れること。

「ならこうしようか」と納得して対策できることにあるとたっちゃんは話します。

 

例えば、イノシシさんを捕獲するために設置した罠。

もし年に2頭獲れたなら、その罠は成功!として効果が高まる方法やアイテムを検証することなく、それが「正解」になったりしがちです。
もしそこで知識を仕入れて更なる工夫をすれば10頭獲れるかもしれないけど、「検証してみよう」とはなかなかならないものではないでしょうか。

一度対策をすると、より効果の高い方法やアイテムについて情報を仕入れることはなかなかない…というのが多いと思います。

 

でもそれだともったいない!工夫のしようはある!ということで、

「今は前よりもっと良い対策方法が出てきたりする。Youtubeでもいろいろ勉強できますから」

と稲葉たっちゃんが最後に皆さんに伝えたときは皆さん笑っておられました。わたしも笑いました。

でも、農家ハンターでは確かに様々な情報を得て、研究、検証をやっています。

 

 

おいでになった方からはいくつも質問がありました。

コスト面、柵の部分は草刈りをしなきゃいけないか、アライグマはどうしようか、など。

町の職員さんはカメラを導入する場合のランニングコストについても。

 

野生動物と距離の近い地域では町ぐるみでの対策が不可欠になってきますので、こうして一緒に学び共通理解を持って地元に活かせるといいですね。

 

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2024.08.20

植木町のヒーローに会いに行って来ました

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!20248月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

地域で鳥獣対策活動をする、農家ハンター仲間の宮本さん・西原さんの現場にお邪魔しました!

お二人は熊本市北区、玉東町との境の山で柑橘を中心とした農業を営んでいます。ここもイノシシさんの被害が大きく、本格的に活動を始めたのは4年前だそうです。稲葉たっちゃんがずっと彼らの活動をサポートしてきました。

 

 

今回、彼らが仕掛けた罠の状態を見たり、被害の現場を調査したりと、いくつもの現場を見せていただきました。

 

①箱罠

なかなか捕獲できなかったところ、たっちゃんからのアドバイスを受けて移動したらすぐに捕獲成功!この日も2頭。食べ物があまり多くない夏、痩せた薄い色のイノシシさんだったようです。

イノシシさんのご飯となる木の根っこを求めて土を掘りまくり、箱罠にしいたはずの泥はなくなってしまっていました。

 

骨組みが顕になると足元が悪くイノシシさんは警戒します。また平らな場所でないとグラつきが出て余計に怪しむため場所をズラすことになりました。

 

それからゲートが落ちるためのワイヤーの調整。たっちゃんの軽トラには必要な道具がいつも載っています。

 

 

 

②ブドウ畑の電柵

 

同じ地域の農家ハンターメンバーの観光農園。電柵をしていますが最近被害がひどくなってきました。ここは観光農園として開放しているので、昼間も電気を流すということはできません。その代わり、人がいると思わせるためかラジオがかかっていました。

それでも効果が薄く困っているようです。電柵は「痛い!」となることで怖がらせるための心理策なので常に電気が流れていることが重要なのです。

 

昼間も電気を流している、観光農園横の電柵の電圧をテスターで測ると……場所によって不十分でした。電気は見えないので調べるまでちゃんと流れているか、障害になっているものがないか分かりません。たっちゃんがテスターで電圧を測ることを、誰にでも口すっぱく言うのはこのためです。

③囲い罠

初めてお目にかかった囲い罠!
予想をしていたよりもはるかに大きい…!みかん畑の奥に設置してありました。

わたしの家より広いかも……。大きいためどこにでも置くことができず、なのに捕獲率が思ったほどではないのが課題の囲い罠。

前に捕まったイノシシが、どうにか出ようと慢心の力で体当たりしたのでしょう。
ゲートが曲がっています。命の危機があるとものすごい力が出ますね。囲い罠だけでなくどの罠も、檻の中にいるから、罠にかかっているからと安心せず、近寄らないようにしてくださいね。

 

④今日の夜中にイノシシさんに破られたみかんのビニールハウス

この日の夜中、イノシシさんが宮本さんの早生みかんのビニールハウスに侵入していたそうです。夏出荷のみかんたち、美味しそうな匂いにつられて来たんでしょうか。ハウスの周りにはイノシシさんの足跡や💩が。
そして中の早生みかんはしっかり食べ荒らされていました。入り口と出口を突き破った跡がありびっくり!結構高く飛べるんですね〜

 

 

 

 

ほとんど食べていることもあれば、味見程度で捨てられているものもありました。食べるならせめて食べてくれよぉぉぉ!

 

宮本さん、イノシシさんにビニールハウスを破られたと知り、すぐにビニールハウスの周りに電柵を設置しました。その高さを確認していくと、高すぎたり上下に2本ある柵の間が開いていたりとちょっと怪しいポイントが。

その微妙な高さで突破してしまう可能性があるので、ここもたっちゃんが確認をしてアドアイスしていました。

ビニールハウスで栽培をしているご近所さんにも周知し、皆さん素早く対策をされることになりそうです。これが農家ハンター!

 

 

 

 

地域の中心になって活動を進める宮本さん西原さんに話を聞くと。

「稲葉さんがいたからできたんですよ」
と口を揃えておっしゃいました。
「少しずつイノシシが出て来たな〜というタイミングで、見様見真似で電柵を張ったのが始まりでした。でも、全然効果がありませんでした。そしてアドバイスをもらって箱罠をやってみたところ、すぐに効果がありました」

2人が大事にしていることは、”自分たちだけでやらない”ということ。
たっちゃんからの、「周りを巻き込む」というアドバイスは経験に基づいたもので、自分だけで頑張りすぎると周りは「あの人に任せておこう」となってしまい、本人の負担がどんどん大きくなっていくからです。地域全体で対策をすることで効果も出やすいこともあります。
「おかげで今は「あそこでイノシシ獲れとったよ」と周りの人が教えてくれることもあり、ありがたい」と話されました。

 

【くまもと☆農家ハンター】の☆は、地域のヒーローをイメージしています。メンバーが鳥獣対策をすることで地域のヒーロになっていくことを目指してつけられました。宮本さんや西原さんはまさに☆!農業と地域のための鳥獣活動を両立しています。

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