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2025.05.23

苗植えに草刈りにBBQ〜2025年春のソラシドエコファーム レポート

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2025年5月彼らの現場で見て感じた事をレポートいたします。

 

ソラシドエアと耕す「ソラシドエコファーム」とは?

九州の翼・ソラシドエアさんと農家ハンターが共同で運営している畑は、もともと耕作放棄地だった場所を再開墾し、「ソラシドエコファーム」として再生しました。
現在は3か所に広がり、1か所では栗の苗木、残る2か所ではさつまいもを育てています。

今回は、芋の苗植えと栗畑の草刈りの様子をご紹介します!

写真をふんだんに取り入れた現場レポート、ぜひご覧ください。

 

【エコファーム1】さつまいもの苗植えに挑戦!

ここは最初に開墾された「第一号」のエコファーム。
この日は、4月に新しくソラシドエアに入社された方も一緒に、さつまいもの苗を一つ一つ丁寧に植えていきました。

 

 

 

 

 

畑には イノシシ避けの電気柵を設置。実際に草を使って通電を確認する場面もありました。湿った草だと感電がより伝わりやすいんです。

 

 

 

万博でも披露したというオペラも聴かせていただきました。畑のオペラは格別でした✨

 

【エコファーム2】栗畑の草刈りで汗を流す!

こちらは栗の苗木を育てている畑。
草刈りは初挑戦の方も多く、服装を整えて、安全第一で作業に取りかかりました。

 

 

 

定期的なお手入れが作業効率をUP

苗木の周りには藁が敷かれ、たっちゃんの定期的な草刈りのおかげで作業はスムーズに進行。
さらに藁を追加して、苗木の根元をしっかり守ります。

追加の藁!また苗木の周りに敷きます。

休憩には定番アイス「ブラックモンブラン」!

九州ではおなじみのアイス”ブラックモンブラン”を紹介しながら、ひと休み。

まるでドラマ「ルーキーズ」みたいじゃないですか?笑

 

【エコファーム3】みすみ保育園の園児たちと苗植え体験!

恒例の収穫祭でもお馴染み、みすみ保育園の年長さん12人が元気いっぱいに参加してくれました!

 

 

 

「お姉ちゃんかわいいから好き〜」なんてほっこりな声も聞こえてきました

 

 

社長も園児さんと一緒に!

 

 

戸馳島のゴツゴツとした土も、再び耕すことで柔らかくなってきたそうです。

 

 

 

 

 

 

虫や草、時には大人から見ればゴミのようなものにも夢中になる園児たち。好奇心いっぱいです!

バイバイの時、ソラシドエアのお兄さん大人気でした笑

最後はみんなで「イノシシピース!」

「飛行機はソラシドエア!」と唱えながら、笑顔で帰っていった子どもたち。

大人だけで残りの苗を静かに植えたときの、あまりの静けさ!笑

終わりに:海辺でのBBQで締めくくり!

作業と暑さと園児たちのパワーでお腹が空いたら、海辺でBBQ!

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ戸馳島の吉本さんが持ってきてくれた車海老は、生でも焼いても絶品✨

そしてイノシシ肉は、シンプルな塩胡椒で焼くだけで大人気!

 

 

自然の中での作業はちょっと大変な分すごく楽しくて、心も体もリフレッシュできます。
子どもたちの笑顔や、わいわいした時間にたっぷり元気をもらいました。

畑づくりを一緒に進めてくれているソラシドエアさん、本当にありがとうございます!

これからも、現場で見たこと・感じたことを、写真とともにお届けしていきます。
次回のレポートもどうぞお楽しみに!

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2025.05.08

宇土市網津町のイノシシ被害と対策の”はじめの一歩”

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2025年5月彼らの現場で見て感じた事をレポートいたします。

熊本県宇土市網津町では、イノシシやアナグマなどの動物の出没が多く、家庭菜園が荒らされるなど生活被害が報告されています。地域住民の声をもとに、有害鳥獣対策の現状をレポートします。

 


【レポートのポイント】
▶︎宇土市網津町のイノシシ被害とその現状
▶︎次のステップ:住民主体で進める鳥獣対策マップ作り

▶︎行政と住民が協力して取り組む鳥獣害対策
▶︎鳥獣害対策が進まない原因と生活被害の背景


宇土市網津町のイノシシ被害とその現状

宇土市網津町は山に囲まれた小さな集落。住民20名が集まった有害鳥獣対策のセミナーでは、以下のような声が上がりました。

公民館に集まったのは20名ほどで、そのうち5名は女性でした。農家は5名、猟友会の方は3名。みなさん家庭菜園をしています。この地域にはアナグマやアライグマもいますが、深刻なのはイノシシ被害です。この地域での困りごとをお聞きしました。

⚫︎ 家庭菜園を荒らされた
⚫︎ 時間に関係なく出てくる
⚫︎ 家庭菜園していたらイノシシが出てきて威嚇してくる
⚫︎マルチシートの上を歩いて穴を開けられる
⚫︎たけのこ掘りに山に入ればひどいありさま
⚫︎小屋に置いていた米を食べられた
⚫︎イノシシの親子が道を歩いている。危なくて子ども孫を外で遊ばせられない
⚫︎学校の行き帰りも心配

被害は時間帯を問わず発生し、特にイノシシの出没が生活に大きな不安をもたらしています。女性や高齢者も積極的に会に参加しており、地域全体での対策が急務だと感じていることが伝わりました。

 

たっちゃんの話のハイライトはいつも「自分たちが主体となって地域を守ろう」ということです。その上で、困り事や希望を聞きながら、ノウハウや次のステップを示して対策に繋げていきます。

 

 

住民主体で進める鳥獣対策マップの作成とは

「住民が主体となって鳥獣対策をする」の次に出てくるのは、「どうやって?」という疑問です。

 

次のステップとして鳥獣対策マップづくりを提案しました。

鳥獣対策マップづくりは、その地域の大きなマップを用意し、動物を目撃した場所、被害があった場所、痕跡があった場所、通り道などをシールや文字で書き示していくものです。被害の分布や動物の動線が「見える化」され、地域における被害の全貌が見えてきます。

それまで皆さんが持っていた“点”の情報を、“線”にし、的な対策ができるようになるわけです。

 

地域での講演やセミナー前、講師の稲葉たっちゃんはその地域をぶらりと見てまわります。事前に、どこでどんな鳥獣対策がされているのか、どこから野生動物が集落や畑に来ているかチェックすることで、その地域に必要なお話ができます。

網津町は動物にとって居やすい環境が揃っていました。
山から近く、集落に出て来やすい。沢が流れ、家庭菜園で食べ物は充実。ネットはあっても電気柵やメッシュ柵などはなく、入りやすい。茂みや小屋など隠れ場所にも困りません。

情報をマップに落とし込むことで、防護策設置の場所や種類、隠れ家となりそうなしげみの管理などについて計画しやすくなります。

 

 

行政と住民が協力して取り組む鳥獣害対策の重要性

「狩猟免許を持っている方が3名いますが更新が面倒。高齢だし、もっと簡素化してほしい」という意見がありました。

安全に関わることなので慎重さは重要だと思いますが、今のところは捕獲することもないため狩猟免許がなくても困らないということなのかもしれません。

有害鳥獣対策がすすめば狩猟免許の必要性もかわってきます。今後のために地域の若い方が取得していけるといいですね。

 

「行政をあてにせず、自分たちで対策を担っていかなきゃいけないのは難しく感じる」という率直な声もありました。

 

行政と住民が連携することで、有害鳥獣対策の効果は高まります。
行政と地域をつなぐのが得意な楠田さん、
「住民主体となり、自分たちで対策を学んだ上で行政に相談すると行政もサポートしやすい。”自分たちでやる”というスタンスが大切」だそうです。

 

たっちゃんからは、
・「誰かがしてくれるだろう」と捉えていて、被害が大きくなっている地域が多い
・潜み場をなくしたり、家庭菜園で出た残渣や放置された果樹を食べさせないようにするなど、小さく少しずつでも対策していくといい。

そして、「目撃情報は多く不安は大きいものの、もっと事態が深刻になる前に早め早めの対策をしていってもらいたい」と呼びかけました。

 

 

鳥獣害対策が難しい原因と生活被害の背景

 

「住民主体で対策をしていく」という視点を持つことが難しい理由として、被害の特徴があるようです。

この地域は農業被害ではなく、暮らしに影響がある”生活被害”がメインです。

 

農業被害ならば、対策のための勉強会があったり防護柵の補助金があったりと情報にアプローチしやすいものです。

では生活被害だったら・・・?

 

もし我が家の庭先にイノシシが出てきたら、慌てふためいて「警察なの?消防なの!?まずは市役所か!」 となるだろう自分が容易に想像できます。そして「どうにかして〜」と必死に訴える気がします。

自分や家族、家を守る術がなければ「行政どうにかしてください」となるのは、自然なことではないかと思うのです。

 

行政に頼るのが間違っているわけではありません。ただ生活被害の場合は農業被害と比べると情報が行き届きづらい現状のようです。(家庭菜園は、生業としての農業ではないのでここでは生活被害とします)

 

いずれにせよ、野生鳥獣問題を学ぶようになって分かったのは、「行政だけでは解決できない」ということ。

行政が全てをカバーできないし、行政のフォローを待っている間に被害は増えます。
行政の支援も大切ですが、各家庭で災害に備え有事の際は地域で団結する必要があるのと同じように、野生動物から生活や家族を守るためには各自が学び、地域で備えていくことが必要になってきます。

 

 

網津町ではこの日のセミナーが第一ステップとなりました。

宇土市には網田町上床地区のような好例もありますので、横の繋がりも強めながら網津町にとって良い対策ができることを願っています。

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2025.02.07

現場のリアル・捕獲から運び出しまで

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2025年2月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

 

大イノシシがかかった

 

「大イノシシが罠にかかった」

 

そう言って、稲葉たっちゃんと楠田さんは山に向かいました。

 

現場はこれまでにもイノシシさんを何度も捕獲してきた箱罠で、わたしも数回行ったことがありました。

通常、捕えられたイノシシさんは人間が近づくとそわそわと動き出したり、突進してきたり、時に威嚇の声をあげます。恐怖や脅威を感じて興奮状態に入ります。そのため、不用意に近づいてストレスを感じさせることのないように注意を払います。このときも距離を取り、隠れながら様子を伺っていました。

 

 

たっちゃんは、止め刺し(命を止めること)の方法として、空気銃を選びました。イノシシさんにも人にもストレスが少なく、またジビエにするのにも向いているからです。

 

わたしは空気銃で仕留める様子を見るのは初めてで少し緊張していました。

 

パスっと音が聞こえて、「おっ」とのぞいたけれど、倒れる音は聞こえない。暴れる様子もない。

 

それからもう一度。

それでも何も変化がありません。

 

空気銃が効かない

 

当たってないのかな?と思ったけれどそうではありませんでした。少し流血しているようだけど、様子は変わりません。

もう少し近づいてみることにしましたが、人間の姿が近くに来てもその大イノシシは何とも動じない。

 

気にもしていないような様子に驚きました。

結局、3発打ちましたが、空気銃よりもイノシシさんが強かったのです。

 

そこからは電気止め刺しに切り替えました。そのときも動き回り始めたのは終盤になってから。

どうしてこんなにも落ち着いていたのでしょう。

 

「自分の方が強いという自信があるから」

とたっちゃんが教えてくれました。

 

確かに、ボスの貫禄みたいなものがものすごくありました。もしも丸腰で戦えば、たっちゃんは良い試合をするかもしれませんが、わたしは間違いなく勝てません。それがわかっているから、精神的にも落ち着いているのだそうです。時々こんなイノシシさんがいるようです。

「大物はジタバタしない」というのは、人間の世界だけでなく動物の世界でも共通なんですね。

 

 

箱罠を補強するぐるぐるの極太ワイヤーも歯の力で引き抜いていました。

 

 

止め刺し、運び出し、運搬

息絶えたように見えても、確実にそうだと分かるまでは手を出すことはしません。力を振り絞って攻撃されることが実際にあるからです。特にこんなに生命力の強い相手だと、細心の注意が必要です。

 

 

運び出しも一苦労。なにせ重い。井上くん作の運び出し便利グッズは持ち合わせていなかったので、たっちゃんと楠田さん2人がかりで引っ張ります。手も痛くなる。

 

 

道路まで出て、ふうと一息。

軽トラまで到着したら今度は引っ張り上げねばなりません。

 

100kg超えているのではないかというほどの大きさですので簡単ではありません。これも二人がかりでどうにか。

 

 

こうして軽トラに載せて、ジビエファームに連れて行くのです。

 

 

これが、捕獲から運び出しまでのリアルです。
一人でやるのは大変。だから、地域の中で「これは◯◯さんの仕事」とせず、みんなで取り組むことが重要だとたっちゃんはいつも実体験をもって話をします。

自分に置き換えてみても、わたしも力がないので何かしたくてもできる自信はありません。精神的にも大きな負担になるし、運び出しもできない。一人なら「できないからやらない、やれない」となるけど、誰かと一緒なら「やれるかもしれない」「この部分ならできる」となっていくのだろうと思います。

 

 

捕獲した動物のその後

 

捕獲した動物は、その場に放置してはいけません。鳥獣保護管理法という法律で定められており、こうやって運び出すか埋設することになっています。

が、埋設も大変。穴掘りだけで時間も体力も使ってしまいます。でもこのように運び出しも楽ではありません。だから、ダメなんだけど、埋設までせずにざっと土をかけるだけで終わってしまう人も多いのだそうです。

 

全てのイノシシさんがジビエに向くわけではないし、販売はシーズンによって捕獲量も質も変わるためなかなか厳しいのが現実です。手間も大きいですし自分たちで食べるのでなく商品にするなばら施設も整えなければなりません。人手もいります。だけど埋めるだけというのは……

そこで活躍するのが、イノシシさんをまるっと投入してパウダーにするマシーンが活躍します。(楠田さんがイノ粉マシーンと呼んでいたような。。。)農家ハンターのマシーンは休眠預金の補助を受け、大きなサイズにチェンジしました。場所もジビエファームから移動。さらに本格的に稼働が進みます。

 

この日は試運転でした。極寒の中、マシーンからBBQの匂いがしてきて「美味しそうなにおい。。。」とみんなで呟きながら運転を見守りました。

 

 

以上、いつもとは少し違う現場レポートでした。

 

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2025.01.11

効果的に守れている畑に視察 阿蘇市から小国町へ

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2025年1月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

阿蘇市農家さんの視察

南小国町の松の木地区に、阿蘇市の山田地区から視察団が来られるということでお邪魔してきました。

 

 

 

 

 

松の木地区は川と山に挟まれるように位置し、山と川どちらからもシカとイノシシがやってきていました。そこで住民の農家の方が自主的に対策をしようと柵をしました。

しかし川側にかけた柵は規制の対象となり、3年前に地区の皆さんと稲葉たっちゃんが柵を設置しなおした経緯があります。

山側のメッシュ柵は現在も使われています。自分のところの守りが弱かったら他の人にも迷惑がかかるということで、良い意味で競うように丁寧に柵を張り、メンテナンスしているそうです。

山手側は比較的凸凹が少なく、張りやすかったのもよかったようです。

 

みんなで柵をして効果があったことから、川手側に柵を張りなおすときも協力的だったと秋吉区長が教えてくれました。

 

 

 

畑をぐるり 防護柵の具体例

 

畑をぐるりと一周して、柵の状況を確認しました。

どんなところが、動物にとって入りやすいか、実際に入られているところはないか、メンテナンスが必要なところがないかなどを確認するためです。

山田地区の皆さんが地区に柵を設置したときのイメージを持てます。

 

 

 

 

金網柵は、L字に折るようにして張ります。柔らかいので地面に沿って形状も変えられ、動物の衝撃も受け止めます。そしてL字にすることで、動物が地面から掘り起こしにくくなることが魅力です。

 

「この隙間から入られるかも…」という場所発見。

 

 

この地区では、山手側にメッシュ柵をし、川側に金網柵をして組み合わせています。土地の特徴や予算に応じて、使い分けていくのもいいですね。

 

口調の秋吉さんは、「金網柵は強くて弾力がある。管理といえば見回り草刈りくらいで、ほぼメンテナンスもいらない。ワイヤーメッシュ柵と違って金網柵は門扉がつけられるので、軽トラでの出入りもしやすい」と言っていました。

 

 

質問紹介

具体的な質問も挙がりました。

 

 

Q 山田地区ではどうやって防ぐといいだろうか?

A みんなで取り組み、管理するものだから、みんなで話して決めるといい。場所次第で組み合わせてもいい。一度導入すると変えるのは大変。見回りもしないと入られる。電柵は管理の手間がかかる。しっかりみんなで考えてほしい。

 

Q 山田地区では鹿もいる。まだ被害はそこまでないが、シカ対策もしていったほうがいいか?それとも被害が出てからでいいか?

A 目撃されているなら、シカ対応のものがいいのでは。後からシカ対策の高さをつけたすこともできるが、最初からやっていた方が労力がかからない。

 

Q 金網柵はどのくらいもつ?

A 14年と言われている

 

電気柵にご注意

川側には隣の地区が電柵を張っていました。それぞれの地区ごとに対策をしています。イノシシさんはしっかり泳いで渡るので川の対策が必要なのです。

ただ、土地の特徴で電圧がなかなか上がりにくく、また子どもたちへの注意喚起も課題でした。そのため、これから金網柵に変更予定です。

 

せっかくなので、電柵の望ましい張り方、チェックの仕方をレクチャーしました。

ここは8000Vほど流れていて、守りはばっちり!でしたが、たっちゃん誤ってビリビリをくらってしまいました。頭の周りに星が飛んでたそうです☆〜★〜☆〜★慣れた人でもそういうことがありますので、皆様もどうぞお気をつけくださいね!

 

 

 

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2024.11.29

地域の現在地を知る!カルテづくりマップづくり

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!

2024年11月彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

奥阿蘇にある南小国町の脇戸地区にお邪魔してきました。

 

初の試み 【 カルテづくり 】!

その地域の鳥獣対策の現状を確認するための、カルテをつくりました。鳥獣害対策の勉強会を地域で開催しているか、地域に狩猟免許者はいるかなどのいくつかの質問から、その地域の現在地を確認します。

 

 

脇戸地区は、これまで地区をあげての勉強会こそあっていなかったものの、自主的に学ぶ人は多く、守りも効果的でした。他にどんなことができるのか、その道筋を知るという意味でもこのカルテづくりは分かりやすいのではないかと思います。

 

今回のような勉強会を通して地域みんなで理解を深めることで共通認識が生まれ、防御力増し増しの地域になっていくでしょう!

 

 

 

 

衛星写真を見てみよう!

 

脇戸地区を写した衛星写真を用意しました。ここに◯シールを貼っていきます。

 

 

 

お母さん方も参加してくださいました。
「一緒にやっている」は鳥獣対策に強いのです!

 

 

 

 

「ここはいつも出るもんね」

「この辺から来とるごたね」

「ここが潜み場になっとる」

 

イノシシさん、シカさんと隣り合わせの暮らしで、みなさんよくご存知です。ちなみに、このセミナーがあった公民館付近もよく出ると言われました。

 

このマップづくりも「見える化する」ためのアクションです。

 

 

 

脇戸地区では地域ぐるみで防護柵を張っています。

「管理がよくできているからあまり動物が入っていないのだろう」と楠田さん。マップにするとそれがよく見えてくるため、自信にもつながっていくかもしれません。

 

◆共同で張っていると、人に迷惑かけるわけにいかないから、自分で独自に張った柵よりもしっかり管理しようという気持ちになる

◆せっかく張ってるから、点検して管理しとかんとね

 

そんな声も聞こえてきました。

 

 

見えてきたことは

◆自分の所有地のことは分かっていたが、マップにすることで全体がよく見える

◆守れているところは、目撃も少ない

◆よく守れているし、現場のことをみんなよく把握している

 

守りを固めるというのが鳥獣対策の第一段階ですが、柵があることで農作業がしづらくなることもあります。
「メッシュ柵がいいのか、電気柵がいいのかは場所によって違う。考えて使い分けよう」と、猟友会メンバーでもある方から呼びかけられました。

 

 

課題が確認できたことで、今後の方針も少しずつ見えてきました。

脇戸地区は夫婦一緒に来てくれる地域柄。やろう!と声を上げる人が、この地域に何人かいて、普段の農業の営みの中で協力して自主的に対策してきました。町からの働きかけではなく、「住民主体で問題意識を持ち、声を掛け合っている」と役場の方からお聞きした通り、とても前向きで、住民主体という地域の姿勢がよく見える場でした。

 

畑が隣の地区にあるという方、3反分の米を全部イノシシさんに食べられたそうです。1反300坪。おかげで収穫できませんでした。「まさかこんな被害に遭うとは…」と思っていたそうです。来年はそんなことのないよう、十分な守りができますように…!!!

 

野生動物との境界線は、過疎化・高齢化・離農者の増加・猟友会メンバーの高齢化や減少によって、もっと人間側に寄ってくると予想されます。放っておいても解決しないといつも講演で稲葉たっちゃんが話をします。だからこそ早めに手を打つ、町のみんなで共通の課題意識を持って学び、守っていくことが必要とされていくでしょう。

 

この、現場で結束力が増し、プラスのエネルギーで「よし、やろう!」となる雰囲気、みなさんかっこいい!

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