農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2025年5月、彼らの現場で見て感じた事をレポートします。
JA鹿本みかん部会での講演に同行
この日、山鹿市鹿本町の『JA鹿本』では、みかん部会の皆さんが集まり、有害鳥獣対策についての講演が行われました。講師は、農家ハンターの稲葉さん(たっちゃん)!彼自身もみかん農家であり、現場感覚を交えた実践的な話をしました。
講演に先立ち、JAの販売店にもお邪魔してきました。その様子もあわせてレポートします!
今回集まられたのは、みかん農家の皆さんです。たっちゃんもみかん農家。地域は違えど共通の課題も多いようです。
【レポートのポイント】
▶︎鹿やイノシシの被害は初期対応がカギ
▶︎オフシーズンには電気柵や罠の点検が重要
▶︎地域ぐるみでの対策
▶︎JA販売店でのやりとり
今、現場で起きていることとその対策
シカやイノシシ被害の予兆と初動の重要性
山鹿・鹿本地域でも鹿が目撃されるようになっているようです。近い将来、鹿の被害が増えることを見込んで対策をおすすめします。
今、困ったことになっているイノシシも、最初は土手の崩れがサインでした。枯れ木はシカからのサインです。見逃さないよう山に入られたら注意して見てください。被害が本格化する前の「初期対応=初期消火」が重要です。
被害がで始めると、猟友会に獲ってくれ、市役所にどうにかしてくれ という声が上がります。
イノシシの習性も分からないままでいると増える一方、役場の対策では追いつきません。猟友会も高齢化が進み、さらに人が減っています。「誰かがしてくれる」というスタンスでは解決しません。だからこそ、今こそ一人ひとりの行動が必要です。ぜひ一歩踏み出してください。
山鹿・鹿本地域での鳥獣対策の現状
イノシシの捕獲数
・熊本県内では46,000頭
・山鹿市では2,600 頭、天草では10,000頭
これだけ獲っても減らない。
シカは消防と同じで初期消火のための初動が効果があります。芦北や水俣のようにならないためにも、シカのサインが見えたら対策をするというのを頭に入れておいてください。鹿の捕獲は箱罠ではなく、足をつかむくくり罠が主流です。
オフシーズンの今、やっておきたい対策
今はお腹に赤ちゃんがいるシーズンのため、比較的動きが少なく捕獲も多くない時期です。6月くらいから出産が始まり、7月から動きが活発になるので、6月中に対策を進めておかれると◎です!
オフシーズンにどんな対策をするといいか?
・罠の設置、動作確認
・罠 設置場所の見直し
・電気柵の通電確認、メンテナンス
・草刈り(電気柵まわり、耕作放棄地や茂み)
・実を採らない果樹の伐採
たけのこ、枇杷、みかん、米、栗、柿、そして米の2番穂・・・
山鹿・鹿本地区には年中おいしいものが溢れてます。
昔は今よりも貧しかったので、栗や柿は食べていました。今は採る人も食べる人も減り、過疎地で人口も減っています。
収穫しないものをそのままにしていることで、動物の餌場となってしまうので、家庭や地域で、相談・対策・管理することが重要です。
電気柵の現状とポイント
みかん栽培のオフシーズンの今、電気柵はどうしていますか?
電気柵は「心理柵」。「痛い!と思わせる」ことが大切です。
電気の線を回収している人、そのままにして電流は止めている人、いらっしゃいました。
電線があるなら電気を流すか、必要なシーズンまで回収して保管する というのが望ましいです。
みかん農家の皆さんには、みかん畑のどの位置に電気柵を設置するといいかを話す場面もありました。軽トラックの通る道路側ギリギリにはると電気は効きづらいため、50cm畑の内側に張ることを勧めました。
質疑応答から学ぶ
質問もおおく届きましたのでまとめます。
質問内容 | 回答 |
---|---|
シカが来そう。対策は何をすればいい? | 山や地域を守るには、電気柵の設置と捕獲の両立が必要です。特にシカは捕獲が有効。 |
シカは賢い? | シカよりイノシシの方が頭が良く、警戒心も強いため、捕獲がより難しいです。 |
電気柵に動物が慣れてきたらどうする? | 完全に慣れることは少ないですが、電圧をテスターで定期確認し、常に効果的な状態を保つことが重要です。 |
防草シートは電気柵の下に使える? | 通常の防草シートでは電流が弱くなる可能性があります。電線が編み込まれた通電シートを使用するのが望ましいです。 |
忌避剤は効果がある? | 一時的な効果はあるかもしれないが、長期的には電気柵やメッシュ柵との併用が効果的です。 |
ビニールハウスの中にヒヨドリが入ってくる。対策は? | ハウス内での対策としては、ネットを張ることが有効です。 |
講演前、山鹿市のJA販売店にお邪魔してきました。
忌避剤もいくつも売ってあって、日常では縁のないわたしは興味津々!笑
電気柵の助成金の申請方法についても提示してありました。
従業員の方は電気柵のテスターの必要性をたっちゃんが話すと、熱心に話を聞いてくださいました。そろそろきっと入荷してくださっていると思いますので、県北の方、どうぞ!笑