農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2023年2月彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。
大津町から、視察団がやってきた!
この日は、大津町から大型バスに乗ったご一行様が来訪されました。
最初の視察は食肉加工場・ジビエファーム。
皆さんの前には、イノシシさんが吊るされています。
毛が半分ほどない状態です。
視察に来られた方に、ここまでお見せすることは あまり多くありません。
視察の目的によって、その内容が少し変わります。
今回の視察に来られた皆さんは、鳥獣問題に困り果てている当事者さんたちだったのです。
中には、実際に捕獲されている方もおられました。
事例と、具体的な対策を学ぶ
次は”鶴”で座学です。
たっちゃんから、農家ハンターの取り組み、失敗談、困りごと、今取り組んでいること、他の地域の被害状況等をお伝えしました。
失敗談は、当事者やこれから取り組みたい人には、成功事例と同じくらい重要ですよね。
一頭捕獲するまでに7ヶ月かかったことも惜しみなくお伝えします。笑
失敗の積み重ねは、大切なデータ。
IcTのおかげで、失敗も可視化し、次の対策に繋げやすかったのは、農家ハンターの鳥獣対策の特徴です。
たっちゃんからの話、参加者とのやりとりをまとめました。
・動物は、どんどんグルメになっている。
収穫前のみかんの味を覚えたら、耕作放棄地のみかんは食べなくなった。
・「人間は怖くない」と認識したら、どんどん来る。頭が良い。舐めてかかっては捕まえられない。
・ICTのデメリットは、「スマホを使わないといけない」こと。
高齢者にはハードルが高いこともある。若者が地域にいるなら、スマホは若者が高齢者に教え、高齢者は若者に捕獲の仕方を教えるといい。高齢者の方が捕獲は得意。
この交流で地域が調和していく。
・農家さんは、動物にとっての餌場をつくってないか?と振り返ることが大事。
人間からしたら廃棄分のものだとしても、動物にはご馳走。
平野の農地ではカモによる被害が急増しているが、カモが味を覚えたら被害が甚大になるので、収穫後は素早く耕す。
・罠、設置が目的になっていないか?を振り返る。
電柵には何ボルト必要か知っていますか?ただ設置するだけでは効果につながらない。
・収穫しない果樹は、これからどうやって守っていくか?と住民で話して決めることが大切。
他にも、耕作放棄地どうする?とか草刈ろうかという声かけは、寄せ付けない地域づくりにもなる。
箱罠をみる目も本気
箱罠にも見学に行きました。
これまでどんな道具が自分たちに適しているか、使いやすいのか、
いろんなメーカーさんの道具を使用して検証してきた農家ハンター。
使いやすさのポイントを知っています。
「ここがこうだったらいいのに」という要望を材料に、自分たちの課題にアプローチしやすい道具も開発しています。
この箱罠もそうでした。
参加の方からは、
罠はどうしてこの大きさなのか、
どうやって力加減を調節しているのか、
設置には何人くらいの人手がいるのか、
といった具体的な質問が飛んできます。
どのくらいの力が加わったときに、入り口が閉まるのか
ということにも理由があります。
母子で動くイノシシさんたち、
警戒心のないうりぼうと 警戒心の強いお母さんイノシシ。
どっちもを捕獲するためには、うりぼうだけが中にいる状態で閉まってしまわないように、ある程度の力が加わったときに閉まるようになっています。
逆にオスのイノシシは力が強く単独で行動します。
オスが多いところに箱罠を設置する場合は、簡単に閉まるように調整すると効果的だってこと、
わたしも初めて知りました!
餌についても、たっちゃんから話がありました。
「すでにイノシシが味を知っているものを餌にするのが望ましいです。
食べたことのないものの味を知ると、他で見つけたらそこに被害が出るようになりますから、覚えさせないのが重要。」
これがイノ・コミ
大津町の農家さん、だいぶ被害にあっているようです。
さつまいも農家さん
「紅はるか(さつまいもの人気の品種)と加工用のいもを作っていても、イノシシは紅はるか しか食べない」
蕎麦を作っている方「一町半、イノシシに食べられました」(野球のグラウンド1,5場ぶんくらい)
などなど、イノシシにやられた話で一気に距離が縮まります。
「だいぶ やられとんね!」と笑いが起こり
たっちゃんとも会って2時間で打ち解けるご様子に
「これがイノコミ(イノシシ・コミュニケーション)よ」
とたっちゃんニヤリ。
「これがあのイノコミかーーー!!!」
と、目の当たりにした喜びを皆さんにお伝えしておきます。
ちょっと不幸なはずの被害話・対策話に花が咲きます。
大津町とのイノコミ、いただきましたっ!