農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2023年10月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。
えづけSTOP!
毎年行われている、「えづけSTOP!対策実践塾」
本年度第二回目のこの日、会場にお邪魔してきました。
参加者は、熊本県内の各市町村の鳥獣被害担当の方々です。
午前中は、阿蘇くまもと空港そばのテクノリサーチパーク内にある「Pre-UXイノベーションパブ」で座学です。
・現状診断と合意形成
・ICTを活用した効果的な対策
というテーマで、稲葉たっちゃんが話します。
「耕作放棄地は、野生動物の隠れ家
収穫しない果樹は、動物にとってまるで冷蔵庫 」
という意識で、野生動物を農地や集落に近づけないために対策が必要です。
また、柵や罠を使って農地を守っているつもりで、効果がないことも多いそうです。
獲れない罠=死に罠 を、獲れる罠にするには?
農家さんや困っている一般市民だけでなく、市民の窓口である担当者に知識があると
効果的な対策を伝えることができます。
西原村、天草市、熊本市からは事例発表がありました。
使われていない、もしくは効果のない箱罠を回収し、効果的な設置方法に変更したり、
農業被害とそれ以外の鳥獣問題の窓口を一本化することで
市民が行政にアクセスしやすい環境を整えたりといった、各市町村の取り組みが紹介されました。
「庭になにかいる〜どうにかして!」というものから
「農地にシカが出た!」というものまで対処が求められる行政ですので
質疑応答も活発で、みなさん懸命に学んでおられます。
外周900mの畑を守る
午後は、芋屋長兵衛でお馴染みのコウヤマさんの広大な畑に移動して
「守る」実践編の学びです。
香山さんの、外周900mのこの畑、柵を丁寧に設置してから3年、一度もイノシシや鹿に入られていないそうです。
設置のタイミングではシカは出ていなかったけれど、
「地域に出ているのであればシカ対策をしておいた方がいい」
「長い目で見ると手間が一度で済む」
という稲葉たっちゃんからのアドバイスで、シカ対策もできるよう金柵を2つ重ねて設置しました。
そして今、シカが近くをうろうろしていて、畑に侵入しようとした痕跡もあるようです。
「あの時に対策をしておいてよかった」と香山さん。
今や香山さんは地域の他の農家さんに、設置方法を伝え、効果的に設置するお手伝いをしているそうで
「くまもと☆農家ハンター」の ☆=地域のヒーロー
に、なっていくことを実感している というお話をしてくださいました。
ピンチを超えたら強みになる!
この農家ハンターマインドも体現していらっしゃいます。
守り方を業者さんに学ぶ
日本各地から防護柵の業者さん厳選の3社にお集まりいただき、防護柵の特徴や設置方法やコツなどを教えていただきました。
メッシュ柵、金網、電気柵、いろいろあります。
電気を流せばいいということでもなく、乾燥している土地では電柵はあまり効き目を期待できません。
じゃあどうする?
ということで、別の柵にしたり、電柵とメッシュ柵のダブルの守りにしたり方法はさまざまあり、
対象の動物、その土地に合うもの、予算などから決めていきます。
柵の設置は、1、2人ではできません。
人手が必要です。力もいるし、たるみなく抜け穴になる場所なく 設置しなければなりません。
業者さんの「ぜひ地域の皆さんとコミュニケーションを楽しみながら設置してください」というコメントが印象的でした。
電柵は、まわりの草を除草しないと効果が薄れるのですが、
防草シートと一体型の電柵を開発されたのは驚きました。
業者さんも動物との知恵比べです。
こまっているからこそ、ご参加の皆さんは熱心なのではないかと思います。
罠の業者さんも、農家さんのさまざまな困りごと解消アイテムを開発され、農業の心強い味方です。
それでいて話も上手くて、惹きつけられました笑