農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2023年12月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。
この日は、菊池市一帯から、中山間地域のリーダーたちが集った勉強会でした。
「鳥獣被害防止対策講演会」、主催は菊池市です。
このところ講演でおおいそがしの稲葉たっちゃん、この日も絶好調に2回講演しました。
調査 が肝心!
鳥獣被害に危機意識をお持ちの方々が30名近く集まりました。
菊池市の現状はというと。
農林業被害が深刻で、主要道路にイノシシ・サル・シカが出てくるのは珍しくはなくなりました。
農業被害額は7000万円と計上されています。
ただし、この数字は十分ではないという声があり、見直す必要があるようです。
実際にご参加の方からも「こんなに低いはずはない」という声があがりました。
肌感覚と数字が合っていないことに対してたっちゃんは、
「調査の結果次第で国や県からの予算配分が変わります。その時は面倒だったり、「ざっとでよかかな」と思っても全体数で見れば影響があるため、調査のときにはぜひ協力してください。アンケートも同じです。行政へ声を届けられる機会を活用してください」
と話しました。
いつ対策する?
年に一回しか収穫できないようなもの、そして作業を機械化ができない農作物が特に被害を受けています。
手をかけて育ててきたものが、さあ収穫しようというときに先に動物に食べられてしまう。
スピード比べのようになっちゃうけれど、かといって収穫を早めるわけにもいきません。そんなところでイノシシさんが幅をきかせて歩いていたら 怖いし「もうやめよ…」とモチベーションが下がってしまうのも分かる気がします。
「最近イノシシ出てきたな」と感じるようになったときが始めどきだとたっちゃんは言いますが、その理由が分かりました。
動物さんは場所と味を覚えて一年ごとに増えていきます。
でも人間が対策をするには、免許が必要だったり罠などモノを仕入れたり、補助金の申請をしたりと時間がかかるんです。
ざっと3年ほどだそう。
「多くなって被害がひどくなってきた、やばい」というのがスタートだとしても、対策できるまで3年。
その間動物はさらに増えていく…となっちゃうので、早めの対策が必要だということです。
おじちゃんたちの技術を若者へ
技術を持つ人が、若者へ伝えていくこと。
これもタイムリミットがあります。
高齢化で担い手が減ります。
被害は増えて担い手は減るというのは、全国の過疎地域で直面することが見えている課題です。
狩猟免許を取得しても、経験が必要なことはたくさんあります。
例えば銃の扱い。持ったからといってすぐ撃てません。当たりません。
どのタイミングで弾を装填する?
どのくらい近づく?など、経験者が現場で培ったことをビギナーに伝えていく時間が必要です。
自分たちが決めて動く。
被害があってもなくても、「今後、この地域をどうしていくか」は、地域住民自身でで考え決めていくしかありません。
危機意識を持った方々から、いくつも声が上りました。
・「旭志の方で、シカが増えている」
・「豚コレラもあり、戦々恐々としている」
・「地域住民が対策しやすいように、ルールの見直しが必要だと思う」
ここでみなさんのご様子を拝見し、危機意識がるからこそなんとかしたいと思っておられることが分かりました。
個々人で率先して動いておられる人もいらっしゃいます。
行政が得意とすること、逆に民間だからできることがあるので、どのように上手に繋がっていくかもこのような講演会で伝えています。
全国津々浦々、たっちゃんの講演巡業は広がります。それだけ困っている地域があるということですね。