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2023.12.08

現場で学ぶ、えづけSTOP!

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2023年12月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

 

この日は、県の各地の行政職員さんが、戸馳島においでになりました。
今年度「えづけSTOP」講座の最終回です。

 

ジビエファーム、Q&A

案内したのは、施設長の猪上くん。
宮川さんとの漫談のようなQ&Aから始まりました。

 

 

 

Q:解体施設で働く大変さは?

A: ①イノシシさんが重い!
②命を奪うところ
③無駄なく活用すること
他の施設では、解体する人を雇ったりして分業す流ことが多い。ここは一貫しているので捕獲から流通までの流れがわかる。また、ICT活用によって、いつ誰がどこで獲ったか分かったうえで解体するため、自信を持って美味しいお肉をお客さんに販売できる。

 

Q:他の施設では 猟師さんが獲った猪を持ち込みすることが多いが、自分たちで止め刺し(命を終わらせること)を行うようになった経緯は?

A:三角全域を一手に担っていた方の活動を引き継いだ。もともとは猪がいない地域だから、対応できる人が少ない。それで農家が対策を始めた。そしてなるべく苦しませないようにしたいという思いから、最初から最後までを自分たちでするようになった。ジビエとして美味しいものを出したいという思いもある。

 

Q:解体施設の大変さは?

A:安定的に供給すること。季節で捕獲量が違う。シーズンによって稼働量が異なり、安定供給が課題。ストックできる冷蔵庫があるといい。

 

まるっと堆肥化マシーン

 

 

ジビエファームには、イノシシさんをまるっと堆肥化してくれるスーパーマシーンがあります。これを鳥獣害被害に困る地域は導入されることをオススメするのにはワケがあります。

 

お金だけではなくジビエには向かないイノシシさんも、堆肥化することで、ただ埋めるのではなく循環の中で活かすことができます。

捕獲することもだけど、獲ったあとが大変です。
命を終わらせること、そしてその後の処理が大きな負担になるのです。

実際に導入している天草市では、
「埋めるのが大変だったから助かる」

という住民の方の声が届いていると話してくれました。

 

そして、避けられない産廃料。

どれだけ無駄なく解体しても、1個体の7割は残渣となって産廃にすることになります。
内臓や頭部と言った重さの結構ある部位は産廃にせざるを得ません。

これがバカにならない値段になります。

例えば50kgの個体1,000頭を捕獲できたとして。
総重量50,000kg、そのうち7割を廃棄すると仮定したら廃棄総重量35,000kg
150円/kgの産廃料で計算すると総産廃料 5,250,000円…!

(計算苦手ですので間違えてたら教えてください🙇)

 

解体施設をつくるなら

 

宮川さん伝授!これは大事!というポイント3選

 

①設立前に住民合意を必ずとる!

全国的な解体施設の課題は、住民の方に理解をしてもらえないことです。
そのために不便な山奥につくらなきゃならなくなった施設が多いそうです。
「地域の課題解決のための場所」だということを根気強く伝えていくことが大切です。

 

②持続可能な施設にする!

ある施設では、猟師さんが捕獲しなくなり、せっかくある解体施設をcloseする事態となったそうです。

誰が担い手になるのかということも見据えて、つくる必要があります。

 

③PCスキルを持った人材が必要!

肉の解体となれば、屈強な人がやってそうなイメージですが、
実際はPC作業がなんと多いことか。

特にジビエファームではトレーサビリティを大事にしているので記録が欠かせません。

 

箱罠で

箱罠を前に、行政の皆さんが見守る中、たっちゃんがRKKのミミーラジオに出演するというおもしろい展開もありながら、みなさんで箱罠を見学しました。

 

 

ここでの大事な学びは

「えづけSTOPと、箱罠は最高のコラボレーション!!」

 

耕作放棄地が整備されていたり、
人間にとっての不要なもの・イノシシさんにとってのご馳走である残渣がそのままにされていたり
という、いわゆる”えづけ”をSTOPしている状態だと、
箱罠に置く米ぬかやいろんな餌が、イノシシさんにとって魅力のある食事になります。

つまり、箱罠にかかりやすくなるってことです。

箱罠とえづけSTOP作戦は両輪ですることで効果を発揮するのです。

 

 

 

職員さんにお話をお聞きしました

 

シカカツと、ジビエカレーを食べてホッと一息のところ、ご参加の方にお話をお聞きしました。

 

 

 

 

 

相良村の職員さん

猟友会メンバーが中心の「捕獲隊」が、鳥獣対策に全面的に協力してくれているそうです。

でもその多くは高齢で、10年後の担い手が心配です。
少しでも協力できるようにと、今回の研修に参加されました。

「箱罠の設置場所、ワイヤーの貼り方、間違ってました!!すぐ変えます!」

だそうです😇

 

球磨地域振興局から県職員さん

 

林業系の対策と農業側の対策は別になっているけど、連携が必要だと思っています。

対策に浮いては、
シカ対策のネットをしても、すぐに飛び越えてくるから、「どれ買ったらいいの!?」と分からないことも多く
森林組合さんからも、軽くて設置しやすいものがいいと要望があります。

提案する側だから、しっかり学びたいと話されました。

そしてここでも担い手不足がすぐそこまできているという危機感をお持ちでした。

 

たっちゃんがよく講演で話される、「今から10年が後継者を育てる鍵になる」ということが繋がってきます。

 

今回は、行政の職員さん向けなので、行政と地域の方々がうまく連携して対策を進めるためのエッセンスを詰め込んであったように思います。

来年もまたぜひ!

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