農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2024年3月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。
玉名市で、県北の行政のみなさん向けに鳥獣対策のセミナーが行われ、カモ被害の現地研修をのぞかせていただきました!
現場は50年前に干拓された横島町。
トマトやいちご、キャベツやブロッコリーなどの栽培がさかんです。
山から海まであり、なんでも揃う地域だと市の職員さんは教えてくれました。
町には大きな水路が流れています。
その横に広がる広大な圃場にネットがかけられていました。
ネットの下には元気のいい、大きなキャベツ。
農家さんが協力し、県の補助を受け、試験的に市のカモ対策が行われている現場です。
このネットもカモ対策の一つ。
ネットの他に、レーザー、防鳥ライトの3方法で対策をし、カモ被害を削減できるか実験中です。
ネットは直接農作物に触れるので、重さや光の影響で生育に影響がないかなどを調べます。(農家さんのご協力、ご理解があるからこそですね)
今のところ、影響がないようです。
八代市では、カモ対策にテグスを使用していますが、管理や設置労力の面から、そして散薬のための大型の機械が入る必要があることから、この実験ではテグスではなくネットを使用することにしました。
10アールで20000円以上するので安くはないですが5、6年は使えるだろうということでした。
写真のように、散薬の大型機械が入れるように、全面ではなく部分的にネットをしています。これでも今は効果があるそうです。
でも、端っこ、ネットから出ている部分はしっかり食べていた様子が見えました。
玉名での対策が有効であれば、八代や別の地域との情報交換にも役立てられる、と市の担当さんは期待しているご様子でした。
すぐそばのブロッコリー畑もすごかった!!!
線を引いたように、手前と奥で緑の量が違うのがお分かりでしょうか?
手前はカモさんに葉を食べられたブロッコリー、奥が無事なブロッコリーです。
同じ時期に栽培しましたが、水路がある手前側が小さく、奥にいくにつれて大きいブロッコリーでした。
ディアラインならぬカモラインのようです。
奥側が守れたのは、防鳥ライトを使用していたということが要因として挙げられるかもしれません。
講師の稲葉たっちゃんは、
「水路側から遠いからまだ奥まで到達していないだけ、という見方もできるので、注視していく必要がある」と話しました。
しかし私たちが食べるブロッコリーの蕾や茎には手を出さず、葉を食べるのに、蕾の生育に大きな影響を与えます。
早々に葉を食べられたブロッコリーの蕾は小ぶりで、売り物にはなりません。
↑葉は少し食べられているけど元気なブロッコリー
↑水路側のブロッコリー
「八代で被害が大きくなってきた時に、「大変かねー」と人ごとのように見ていたけれど、その翌年に玉名でも被害が出始めた。特にブロッコリーへの被害がひどく、作れなくなってしまった。」
市の担当者さんはおっしゃいます。
11月から4月、桜の咲く頃までがカモさんがやってくる時期。被害は1月に大きいそうです。
帰りながら、カモさんの寝床に差し掛かりました。
一斉に飛び上がった数がものすごくて…!!
昼も夜もカモさんは畑にやってきます。人がいないと来るし、人がいても様子を窺ってます。
カモさんにとっては、寝床というか宿になる水路、横には食べ放題レストランの畑がある環境はきっと最高。
でも、この数で食べられちゃったらたまらない〜
カモさん、誰も困らないもの食べてちょうだーい!と心で叫びながら取材を終えました。