農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2024年4月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。
筑紫野市議会議員さん9名が視察に
この日は、福岡県の筑紫野市の市議会議員さん9名が視察にいらっしゃいました。
まずはランチにイノシシさんカレーとソーセージを。
宮川洋蘭のハウスの中で咲き誇る美しい蘭、おいしそうな匂いを放つイチゴ農園に惹かれながら、今日はがっつり獣の話です。
たっちゃんの講義で、農家ハンターの活動や他地域の事例などをご紹介しました。
筑紫野市の70%は山林や田んぼということで、鳥獣害問題は喫緊の課題です。
たっちゃんが用意していた鹿さんの鳴き声を聞いて、「家の裏手の山からよく聞こえる」といった声もあがりました。
中には狩猟免許を持ち、箱罠を仕掛けておられる方もいらっしゃいました。
イノシシさんの現場へ
その後、イノシシさんがかかった箱罠に移動。みんなで山へ。
この日の朝、1歳くらいと思われるメスのイノシシさんが2匹、捕獲されました。
井上くんが説明をしながら、止め刺し(命を終わらせる)をする様子もお見せしました。
みなさんもわたしも、息を飲むように見つめます。
全て終わって、お一人の方が「命をいただいているということですね」と誰に言うでもなく呟いていらっしゃいました。
この日捕獲したこの子たちは、まだ若いこともあり、熊本動植物園の肉食動物の誰かのご飯になる予定です。
屠体給餌という動物福祉の一環です。これについて書いた記事はこちらをご参照ください:https://farmer-hunter.com/blog/2555
帰り道、井上くんからお聞きしたことがあります。
箱罠を設置して、つかまった農地の農家さんからは
殺さないでほしいという声をよく聞くそうです。
それがどうしようもないなら、せめて無駄にならないように…と思っている方ばかりだそうです。
ジビエファームで
さて、ジビエファームでは堆肥化の機械や解体施設、罠についての説明がありました。
食肉加工場は、捕獲した鳥獣の受け入れ先になる利点があります。
一方で、長い目で見た時にそれを誰がどう管理するかは大きな課題で、簡単にうまくいくものではありません。
家畜の食肉加工と違い、ジビエは捕獲や解体数が安定しません。経営の難しさは、農家ハンターが強く感じているところです。
議員の皆さんにもそれを正直にお伝えしました。
堆肥化の機械は、実際に導入している市町村もあり、扱える人が限られることもなく手間がかからないということで推し推しです。
防護策や罠についてもお勉強。
ポイントは、
・使い方を正しく理解することで効果がある
・使用方法をしっかり時間をかけて教えてくれるメーカーを選ぶ
・自分の地域に合うものを選ぶ
行政からの補助を得て購入する場合、行政が推奨するものを購入することが多いので、行政の担当者も罠や防護策について知識を持っておかないといけないことも話されました。
農家ハンターで開発している箱罠の特徴に、みなさん唸る。
さまざまなタイプの箱罠がありますが、その中で何を選べばいいか分からない人も多いかと思います。
「簡単にゲートが落ちればいいということではない。簡単に落ちるということは、警戒心の強い、賢い個体は捕獲しづらくなり、ウリ坊ばかりが獲れるということになりかねないので、捕獲したい相手に合わせて選ぶといい」
というのは稲葉たっちゃんが毎度みなさんにお伝えすることです。
Q&Aは終わらない止まらない。
罠や柵で、人間と動物の境界線を守ることが第一。
一番大変な、殺すことと処分を誰がどう担っていくのかがどの地域でも課題です。
政治の分野でもできること行政への働きかけをして、地域と畑を賑わせながら対策しましょう、と締め括られました。