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2025.03.26

若手が中心で金網柵設置

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2025年3月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

 

金網柵を張ろう!

熊本県北の地域のそこは四方を山に囲まれていて、動物たちの暮らす中に集落があるようなところでした。そこで住民の方を中心に、行政の方・柵メーカーの方・そして稲葉たっちゃんで金網柵を設置しました。

 

 

山ぎわは、柵の管理や草刈りがしやすいように竹を切って広げます。最初のこの手間が重要です。

 

 

 

 

若手中心の鳥獣対策

4ヶ月前にこの地域でセミナーをし、それから戸馳島にも視察に来られ、3度目のこの日が金網柵の設置でした。金網柵で守りたいのは田んぼと柚子の樹。

この田んぼは5年前からイノシシさんに好まれるようになりましたが、昨年は被害が特にひどく、「もうどうでもいいか……」という気持ちになってしまったと地主の方は話されました。この地域で守るべき畑はたくさんあり、その一歩目としてここに柵を設置することになったのでした。この地域で金網柵を導入するのはこの日が初めてです。選定の理由は、ここが通り道からも見えて、守れているか(動物が侵入していないか)みんなで確認・検証がしやすいということでモニタリングの要素もあるようでした。

 

住民の方にお会いして最初の印象は、「平均年齢が低い!!」ということ。わたしは鳥獣対策に参加するのが60代だと若い印象を持つのですが、この地域は30代がメインで最年長のリーダーが64歳。このグループで竹チップを販売したり、ドローンで農地に消毒薬を撒いたりと、それまでも若手中心のみなさんがいろんなことに取り組んできました。

メンバーが若いのでみなさんご家族の用事があり土日に集合するのが難しく、柵設置は平日に開催となりました。

 

柵メーカーさんが来てくれるのは強い味方!仕様書に書かれていないようなコツも教えてくれます。

 

 

 

 

 

扉設置部隊。軽トラも行き来できる扉がつけられるところも金網柵の利点です。最初は手間がかかりますが、最初にがんばればその後の動きや管理などのストレスが少なく済むのが金網柵です。

 

地域にはまだシカによる被害は見られませんが、声は毎日のように聞こえているそうで、そのうち被害に繋がっていかないようシカにも対応できる背の高い柵を設置しました。

 

支柱設置部隊。力がいりますがみんなで協力!「若くないとしんどい!」だそうです。笑

 

 

 

セミナーから4ヶ月、5人が狩猟免許取得

たっちゃんが大きな声で「この地域はすごい!うらやましい!!」と言いました。何が羨ましいかというと…

平均年齢の低さもありますが、団結力が備わっていること、動きが早いこと、実行する力があること ではないかと話を聞いて思いました。

 

 

5年前、地域に鳥獣被害が出るようになってから、地域の若手が中心となって話し合いと対策を重ねてきました。そのなかで、イノシシを捕獲し、止め刺しし、肥料にして活用しよう、少しずつ実現していきたいねと地域の中で話していたところ、2024年の10月にたっちゃんのセミナーを行うこととなり、それからすぐに5人が狩猟免許を取得しました。

 

この地域の農家の方は、みんな罠を持っています。それでも被害が止まらないので今後は堆肥化マシーンの導入も考えているようです。

若いことに加え、以前から協力し合ってきた取り組みがあるので、課題意識の共有から対策、実行までの流れが比較的スムーズかもしれません。「とにかくみんな好きなことを言う」と最年長のナカミツさんが言いました。それが良い空気をつくっているんだろう、と。風通しの良さは、作業の中からも見えました。

作業中、通りかかったおばちゃんが「知っとったら手伝いに来たとに〜」と声をかけにきてくれるなど、地域の方のあたたかい繋がりがある場でした。

 

たっちゃんがいつもセミナーで話す、地域での鳥獣対策の最初の一歩として

◆『「イノシシのことは◯◯の仕事」と、誰かだけが従事することのないよう、地域で取り組んでほしい』

◆ 若手が一人でもいるのが望ましい

この2点があります。そのどちらもここは最初から揃っています。

 

 

行政の方も一緒に、というか率先して汗を流す姿もまた印象的でした。

 

鳥獣対策だけでなく、地域の力のあるこの集落、ここからどうなっていくでしょう!楽しみです。

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