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2025.04.28

特定地域づくり事業協同組合で地域を守る!戸馳島で「TOBASE Island Works」発足

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2025年4月、彼らの現場で見て感じた事をレポートいたします。

 

 

熊本県・戸馳島にて、新たに結成された「TOBASE Island Works協同組合」。
特定地域づくり事業協同組合制度を活用したこの取り組みは、過疎地域における雇用の創出や移住・定住促進につながるものです。熊本県知事への表敬訪問の様子も含め、熱気と挑戦のリアルをレポートします!


【レポートのポイント】

▶︎特定地域づくり事業協同組合制度
▶︎TOBASE Island Works協同組合設立
▶︎熊本県知事を表敬訪問


特定地域づくり事業協同組合制度

『特定地域づくり事業協同組合制度』について、ご存知ですか?

このたび、イノP(農家ハンターから生まれた株式会社で、ビジネスの力で有害鳥獣対策に取り組みます)は、果樹作農業の古石農園、車エビ養殖の吉本水産、蘭と果樹の宮川洋蘭と共に、この制度を活用した取り組みを始めることとなりました。

 

特定地域づくり事業協同組合制度とは?

 


総務省のHPより
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/tokutei_chiiki-dukuri-jigyou.html

 

ざくっと言えば、「組合で人を雇い、その人材を組合員の各事業でシェアしようね」というものです。
1事業者だけでは従業員の雇用は難しいけれど、年間で人手が必要な時期がある。そんな事業者たちが、それぞれの繁忙期と閑散期のズレを利用し、年間を通して “仕事がある” 状態を作ります。

 

 

TOBASE Island Works結成

安定した雇用を生み出すことは過疎に歯止めをかけるため欠かせません。しかし、特に過疎地域ではそれが難しいのが現状です。戸馳島でも例外ではありません。

そこで、組合を発足し特定地域づくり事業協同組合制度を活用することになりました。
果樹作農業の古石農園、車エビ養殖の吉本水産、蘭と果樹の宮川洋蘭、そしてイノPの4事業者で立ち上げたこの組合を《TOBASE  Island Works協同組合》と名付けました。

収穫時期の異なる農業漁業や、野生鳥獣を相手にするイノPには、とてもありがたい仕組みです。

 

組合から派遣される職員第一号が井手勇希くんです。宮崎からの移住者です。

教職を志す井手くん、先生になる前に知見を広げ、いろんな経験を積みたいと手を挙げて参画しました。

やる気抜群!地元の宮崎弁が親しみやすく、なんだかみんなの弟のようにかわいくて何事にも一生懸命、地域のみんなに愛されること間違いなしです!

 

 

熊本県知事表敬訪問

宇城市の末松直洋市長、熊本県中小企業団体中央会の西尾浩明さんともに、TOBASE Island Works協同組合の構成メンバーそろって熊本県知事に表敬訪問に行きました。特定地域づくり事業協同組合として県より認定を受けたこと、そして今後の展望について報告しました。

 

左から、末松宇城市長・古石代表理事・木村県知事

 

 

 

組合の代表である古石恭介さんからの挨拶の中に、こんな言葉がありました。

「地域の担い手の育成や確保につなげたいと期待しています。また、(派遣された職員は)業種も経営理念も異なる複数の事業に関わることで、さまざまな視点を取り入れ、多くのスキルを身につけることができます。成長した社員が独り立ちする時、地元に根を張る自分たちがサポートしていきたいです。」

地域や人手を必要とする組合の構成員にとってプラスになるという視点にとどまらず、従事する人にとってもプラスになるよう動き育てていくという姿勢がTOBASE Island Worksの魅力だと思います。

 

宇城市の末松直洋市長 もご挨拶くださいました。

「宇城市でも特に人口減少・高齢化の著しい戸馳島。地域を担う基幹産業や地域経済の衰退、さらなる人口減少や悪循環が危惧されます。この協同組合の設立は新たな雇用が生まれ、地域外からの移住定住につながり、後継者や就農者の獲得も期待しています。」と話されました。

2月に市長になられたばかりの末松市長、人口減少や地域の衰退への懸念以外にも空き家問題など地域の課題にも触れながら話されました。

 

 

 

最後に、木村敬県知事から心のこもったメッセージを届けてくれました。

県知事が総務省に在籍されていた頃、島根県の海士町の高校生が卒業後も島で生活できるようにという課題から発案し制度設計に関わってこられた制度です。 思い入れも一塩のようでした。

「戸馳島でこの組合ができたことを、自分ごととして嬉しく思っています。この制度を考えるにあたり、農業と漁業の連携モデルは理想的でした。そこに有害鳥獣の駆除という公共的な事業の素晴らしい組み合わせが実現しました。円滑に実施されるよう県もサポートしていきます。なんでもご相談ください。」

 

 

井手くんやる気十分です!この制度によって職員として働けることの感謝を伝えていました。

 

 

従業員をただ雇うのとは異なり、初めての雇用形態に挑戦することになります。ワークバランスや連携など、やっていく中で課題が見えてくることもあるかもしれません。しかし代表の古石さんと吉本さんも仕事は熱心、ハートはあたたかい。気持ちの良いお人柄で、そこに宮川さんと稲葉たっちゃんがいます。事務局には楠田さんもつき、「みんなにとって良い」を目指せることと確信しています。

 

 

せっかく県庁に来たので、関係各所にご挨拶に回りました。

稲葉たっちゃん、県から有害鳥獣対策の事業を受託しているため、歩けば歩くだけ「稲葉さん!」と声をかけられていました。人気者〜!✨

 

 

 

緊張から放たれた皆さん、ルフィとも記念撮影してきました。

「とくち王に、おれはなるっ!!!」

 

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2025.03.31

【熊本県宇土市上松山地区】害獣対策マップづくり

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2025年3月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

宇土市の上松山地区にお邪魔してきました。この日、宇土市の農林水産課主催で鳥獣害被害対策のためのセミナーが行われ、地域の方14人が集まりました。

 

《今回のレポートのポイント》

・宇土市上松山地区の鳥獣害被害状況
・害獣対策のためのマップづくりについて
・マップから見えた宇土市上松山地区の害獣対策状況と課題


宇土市上松山地区のイノシシ出没状況

国道3号線から入ってすぐのこの地区は、五色山という山があるものの、四方を囲まれているわけではなく、どんな被害があるだろうか?と考えながら会場を目指しました。

 

稲葉たっちゃんの話によると、

今年(2024年度)はイノシシさんの捕獲、県全体で多くなっています。宇土市では例年800頭ほど獲れています。今年はこの松山地区で100頭捕獲したそうです。

 

 

 

獣対策のマップづくり

この日のプログラムは、害獣対策のマップづくりです。

その町や地区の地図を用意し、有害鳥獣を目撃した場所、鳥獣によって被害のあった場所、獣道や足跡など痕跡があった場所、柵を張っていたり罠を仕掛けている場所、放置されている果樹、耕作放棄地などを書き込み、その町の被害状況を可視化するものです。

住民の方がそれぞれに持つ情報を集約し、鳥獣被害に対する共通の理解を持つことができます。また、どこから動物が来ているのか、どこを守っていくといいか予想を立てることで、次の対策に繋げることができるというものです。

 

 

マップづくりに入る前に、皆さんの困りごとや疑問をヒヤリング。

 

Q イノシシは夜行性?
A イノシシは夜行性ではありません。慣れると昼間でも出てくることがあります。

 

Q 朝、よく見るようになった。新幹線の高架下を通って宇土市内の山に帰っていくのを見かける。寝床を決めたらそこから動かないのかな?
A 食べ物次第じゃないか。時期によって変わったりするかと思います。イノシシの脳はウマと同じくらいあると言われているので、しっかり見極めていると思う。

 

 

マップづくり

いざ、マップづくり!

 

 

 

みなさん遠慮がちなのか、シールはなかなか減らず……

 

 

そんなに被害…ない…?

マップを前に皆さんと話して見えてきたのは、耕作放棄地の増加に対する課題感でした。「あそこも畑をやめらした」「ここもか」みたいなことが年々増えているそうです。そこが山から来たイノシシの潜み場にならないように、地域で耕作放棄地の管理・対策に取り組む必要性を話し合いました。

 

さて、イノシシの実際の被害についてですが、
いざマップを作ってみると、そんなに被害が多くて困っている、ということでは……ない……?

という状況が見えてきました。

イノシシを見かけることはあるものの、幸いにも何か被害が出るところまでは至ってないようです。

でも、この上松山地区で100頭は捕獲されています。

ん?と思っていると、そこにはキーパーソンの存在が。

害獣駆除のキーパーソン

この地区に暮らすセキさん、何度も何度も稲葉たっちゃんの話を聞きに来られました。そして鳥獣害対策の仕方を学んでいきました。仲間と2人、狩猟免許を取得し、罠も設置し、熱心に取り組んでいます。くくり罠、箱罠ともに仕掛けています。上に書いた地域での100頭の捕獲は、セキさんとお仲間の功績が大きいようです。

彼がいてくれることがとても大きな抑止力になっているのではないでしょうか。

 

セキさんは何度も何度も何度もたっちゃんの話を聞いて、ドローンの免許もとり、そこから罠を仕掛けました。おかげで効果的に捕獲ができ、地域の人から信頼と感謝の思いが厚いようでした。上松山地区のサイトでは、捕獲したイノシシの様子が紹介されていますのでリンクはこちらです。

https://www.gosikiyama-fureaikai.com/kuusatsu.html

 

ICTやデータを用いて取り組み担ってくれる人がいることで、「地域の困りごと」になる一方の鳥獣害問題が「地域で困らないこと」になるのですね。驚きました。

 

 

被害が大きくないのに、鳥獣被害対策セミナーでこんなに人が集まることにも驚きました。

 

「なんか公民館であるてだけん行ってみようか」というものではなく、害獣対策について知り対策するために集まられました。

これにも理由がありました。

この地域には五色山という山があります。みんな幼い頃に遊んだ、故郷の山です。しかし徐々に荒れ始め、道も通れなくなるほどになってしまいました。5年前に補助金も採択されたことから、みんなで地元の五色山を守ろう、取り戻そうと立ち上がり、樹を伐採したり道を整備したりしてみんなで手を取り合ってきました。その頃からイノシシが出始め、自分たちで駆除しよう、守ろうと、自分たちのやり方で鳥獣対策をしてきたそうです。その動きがあったから、地域内の信頼関係や協力体制が自然と築かれていたのではないかとセキさんが話してくれました。

 

「こうして勢力的にがんばる人がいるからこそ、その人たちだけに任せずにできるところから協力していくといいですね」とたっちゃんからメッセージをお届けして終わりました。

 

マップで見える課題、次の地域はどこでしょう?

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2023.03.15

休眠預金事業実行団体としての規程類・人件費水準の公開について

 

休眠預金法の趣旨及びJANPIAとの資金提供契約に基づき、規程類及び給与水準を公開します。

 

(1)定款・規程類について

01経営会議運営規定

02取締役職権限規定

03役員の報酬等及び費用に関する規程

04倫理規程

05利益相反防止のための自己申告等に関する規程

06コンプライアンス規定

07内部通報(ヘルプライン)規程

08事務局規程

09文書管理規程

10情報公開規程

11リスク管理規定

12経理規程

13株式会社イノP定款

 

(2)役職員人件費水準
コチラからご確認ください

2022~2024年度、休眠預金を活用した事業を実施しています

 

(2023年3月15日 作成)

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