農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。
なぜ里山を守らなんの?
農家ハンター・リーダーの宮川さんの講演やプレゼンを聞くと
農家が担う役割の一つに、「里山を守る」ということがあると話をされます。
農業をしていることが里山を守ることに繋がっている、という意味です。
ここで里山・山里の違いについて豆知識を。
・山里とは、山中にある人里のこと = 山奥にある集落、農村のこと
・里山は、人里近くにあって、人々の生活と結びついた山や森のこと
そして、
・奥山とは、人間の手が加わらない、山や森のこと。
野生の動物たちが、奥山から里山を抜け人里まで来て農地を荒らしたり農作物を食べていることが課題です。
野生動物による被害が身近なのが農家さん。
大事に育てた農作物を、食い荒らされちゃって
「もうやってられん!」と離農する人もいます。
そんな人を増やしたくない!
安心して農業してほしい。
だから農家ハンターは生まれました。
ご存知の通り、農家の手で野生動物から地域を守ろうよ、という農家による地域防衛集団です。
と、これが日頃プレゼンや講演で話される流れですが、
あるとき
「無理して農業しなくてもいいじゃない?やめたっていいじゃん。」
という声が届きました。
そして次に
「なんで里山を守らなんの?」
「農家さんが大変なら、無理して農業しなくていいじゃない」
その後、今取り組んでいる新しい試みについては
「今の話じゃ、俺にはいまいちそのアクションの魅力がピンとこないんだよなぁ」
この言葉を投げかけたのは、農家ハンターの活動をスタートするときから知り、
様々な助言をくれた人でした。
いじわるな批判ではなくて、
農家ハンターがこれからどの方向に向かい、何をするのか
見つめて磨いていけるように、あえて投げられた言葉でした。
愛されとる!!
知名度が上がり、話が勢いにのっていると
恐らく、活動のことを話しても、
「いいですね〜!」と言われることがきっと多いはず。
だから、これらの厳しくも見えるツッコミは
当事者には見えづらい角度から楔を打つ感じ。
その日、すぐに投げかけられたその言葉に向き合い、
農家ハンターの見ている未来、活動の方向を改めて見つめました。
巣篭もり宮川になりました。
農業を続ける意義だとか、里山を守ることの必要性とかは
しっかり持っていますが、
【活動の魅力をどう伝えるか】は大切な問題提起です。
このときプレゼンで聞いてもらったのは、
今ものすごーーーく力を入れている、活動の柱となるようなもの。
それを
「伝わらん」
「ここじゃなきゃダメ!と思える魅力ってなんなの?」
とドスドス言われてました。
意気消沈しそうなものだけど、
さすがポジティブの鬼・MIYAGAWA、終わってから
「あん人たちを納得させられんといかんけんねー!」
とめちゃめちゃ嬉しそうでした。
こうして時間を使って、本気で向き合ってくれる人の言葉に
「愛されとるよね!!!ありがたい!!!」と。
言葉を投げた人も、どんなボールが返ってくるのか
きっと楽しみにしているのではないでしょうか。
そんな愛♡のやりとりだったように見えました。
聴いてる他の人たちも笑いながら息を飲む、そんな感じでした。
前例のないことをするとき、
リーダーがどの方向を見るかは、とても大事で、かつ難しいことではないかと思います。
現場で経験と技術を積む稲葉たっちゃんのような現場のリーダー、
井上くんや大池さんのような次世代の担い手がいて初めて活動が形になり
応援してくれる人たちや
時にこんな本音でやりとりができる人がいてくれるからこそ振り返りができるのかな。
トライ&エラー上等、挑戦し続ける姿こそが彼らなのだと思います。