農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2023年8月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。
八代市氷川町で行われた、カモ類被害防止対策講習会にお邪魔してきました!
その中で、稲葉たっちゃんが「地域ぐるみで行う、分かりやすいカモ被害対策」と題して講演しました。
八代でカモさん被害
八代は、これまで鳥獣害被害とは縁のなかった平野部でカモさんによる農作物被害が出ています。
その度合いが深刻になってきていると聞いていましたが、額を聞いてびっくり。
熊本県全体で5億4000万円、そのうちカモさんが原因で2億円近い損害がでているようです。
イノシシさんやシカさんに比べて小さくてかわいらしい彼ら、やりますね。
玉名でも同様です。
シベリアから飛んでくるカモさんたち。
熊本に立ち寄ってくれることにロマンさえ感じます。
が、農作物を守る対策は必要!
ってことで、八代では対策が進められています。
このセミナーもその一環です。
3Dな対策を
飛んでも歩いても、畑にやってくるカモさんたち。
カモさん対策はイノシシさんやシカさんとは全然違う、3Dな対策が必要です。
① 地域や畑に飛来させない対策
② 畑周辺の水路にテグスや網を設置して寄せ付けない
③ 畑にテグス設置したり防虫ネットなどを張る
八代で推進されている対策はこんな感じです。
一度立ち寄るとなかなか他のところには行かないようなので
被害に遭う前の対策が要。
江津湖での記録によると、毎年10月3日にカモが目撃され始めるそうで
それまでの「今の時期にどうするか」が、今年度の被害を生まないことにつながります。
調査も難航したカモの動き
たっちゃんの調査報告でおもしろかったのは、赤外線カメラ。
夜行性のカモさんを映そうと、畑に設置したカメラでは、カモさんの動きを見ることがほとんどできません。
「いるの?」と疑わしいほどですが
飛び立とうとする瞬間からは見えるのです。
その原因は体温!
カモさんの体の表面温度はカメラで感知できず、羽を広げた時に映ります。
「やっぱりいた!」
と、そのタイミングで分かるのですが、
ダウンジャケットが軽くて温かいこと、カモさんのおかげなのだと改めて感じたのでした。
個別で対策するような点でなく、地域全体で面のように対策をすることで
地域全体に効果があるというのは、イノシシさん対策と共通することです。
また、カモさんにとっての餌をそのまんまにしておかないということも同じです。
2番穂(稲刈り後になる、人間が食べない穂)をつくらないことも対策になります。
人間には必要がないから稲の収穫後はそのままにしがちですが、
早めに土にすき込んでしまった方が「寄せ付けない圃場」になるようです。
また、居心地の悪い水路づくりも大切なので、テグスを張ったりして水路でも対策をします。
ちなみに、ご参加の方の話ではヒヨドリの被害、田植え直後にシカにやられているという話もありました。
被害に遭わないと実感が湧かないけれど、Beforeの対策 を!!
というのは、何度も何度もたっちゃんが話したことです。
おいしい、八代産のブロッコリーやキャベツ、これからも食べられますように。