農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2024年6月 彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。
高千穂へ!
高千穂町産業部長連絡協議会 通常総会にお邪魔してきました。
今年2月、高千穂からは7名ほどで農家ハンターに視察においでになりました。その流れで今回高千穂にお邪魔することになり、高千穂の各町40名ほどの産業部長さんが出席されている総会にて、稲葉たっちゃんが講演をしました。
高千穂は、イノシシ、シカの被害が大きいそうです。
実際にイノシシ・シカを捕獲しているという人は、この中では2、3名でした。
車でぶつかった人が知り合いにいるという人は6%ほど。
同じ質問をした時、熊本の八代では半分ほどいたので、早めに対策をして人的被害に繋がらないようにできますように!
電柵、電圧
電柵に、電圧テスターは必須。持っている方は多くいらっしゃいました。
たっちゃんが、事前に高千穂をぐるりと見てきたところ、
山側は柵があり、畑の方は電柵というところが多かったそうです。テスターで必要電力を確認するというのが1番にできる効果的なこと。
土が乾燥しているときに、4000V以上流れていればOKです。
『鳥獣害対策は、男性が中心になる地域・組織がほとんどです。でも女性の力はとっても重要!男性は呑んだら「あれ、何ボルトいったっけ?」となりますが、女性は「4000Vて言いよらしたでしょ!」としっかりしてます。お父さんたちがテキトーにすることも、お母さんたちは押さえてくれます。だから仲良く対策してください。』
という話に皆さん笑っておられました。思いあたることがおありでしょうか?笑
「鳥獣対策は田舎の町づくりの最強コンテンツ!
いろんな産業とコラボして町を賑わしていければ、害は宝になります。」
この言葉は、新たな視点での希望になるかもしれません。
箱罠を置く覚悟
罠は設置してからがスタートです。そして、獲れる獲れないではなく、捕獲率という考え方を大切にします。その地に生息していることが分かっていれば、箱罠を置く場所、置く向きによって効果が変わります。どんな個体がどれだけ獲れているか、あるいは獲れていないかを見て、調整したり変更したりするといいんですね。それにはIcTが便利なのですが、その前に。
「箱罠で守るには、覚悟と狩猟免許と箱罠が必要」という言葉がありました。
この“覚悟“が何かというと…。
【殺処分をする覚悟】です。
鳥獣害対策で、これが一番のハードルなのです。
イノシシやシカを殺すところを見た人はいますか?という問いに、手を挙げられたのは2、3人でした。
以前聞いた話を紹介します。
井上くんは、箱罠を置いている農家さんの土地でイノシシが捕獲されたと連絡を受けて現場に行くと、ほとんどの農家さんが「できれば殺さないでほしい」とおっしゃるそうです。畑の邪魔をされたり安全を脅かされるのはなんとかしたいが、だからと言って命を奪いたいわけではないということでしょうか。
今のところ殺処分をしないのは難しいですが、その気持ちは痛いほど分かり、その度にせめて命を次に繋げたいと思う、と井上くんが話してくれたことがあります。それが農家ハンターではお肉だったり堆肥だったり革製品だったりするのですが、それでも苦しいことに変わりはありません。でも必要なことなのです。
寄せられたQ&A
Q;現在、箱罠、銃猟、くくり罠3つを組み合わせているが、どう選んだらいいか。
A;箱罠は場所を選ぶが1番取り掛かりやすい。箱罠で獲れない賢い個体はくくり罠。くくり罠で獲れない個体は銃で。今のように組み合わせで選んでいくといいと思います。
Q;親のイノシシさんが獲れないのはどうして?
A;うりぼうばかり獲れるというのは感度が良い敏感なセンサーの箱罠。それだと慎重な親が箱罠に入る前にゲートが落ち、結果として獲れない。
12月くらいまで、家族でいることが多い。親子みんな獲るためにはゲートが落ちにくいような物を選ぶなど、調整できる罠を選ぶといいです。くくり罠も進化しているから、YouTubeなどで勉強してみるといいです。集落やグループで対策すると助け合えますよ。
Q;猿は?
A;うちはまだ猿はいなくて…笑
Q;ジビエをやっているのは誰?山から獲ってくる人、解体する人………
A;自分たちでやっています。一般の方にとって安全で食べやすくするために、捕獲は他の人にも協力してもらいながら止め刺しや解体は自分たちでしています。
たっちゃん、講演会後は懇親会に参加し、翌日には現地視察に行ったそうです。
対策を進めている高千穂町、さらに効果が高まりますように!