農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2024年8月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。
地域で鳥獣対策活動をする、農家ハンター仲間の宮本さん・西原さんの現場にお邪魔しました!
お二人は熊本市北区、玉東町との境の山で柑橘を中心とした農業を営んでいます。ここもイノシシさんの被害が大きく、本格的に活動を始めたのは4年前だそうです。稲葉たっちゃんがずっと彼らの活動をサポートしてきました。
今回、彼らが仕掛けた罠の状態を見たり、被害の現場を調査したりと、いくつもの現場を見せていただきました。
①箱罠
なかなか捕獲できなかったところ、たっちゃんからのアドバイスを受けて移動したらすぐに捕獲成功!この日も2頭。食べ物があまり多くない夏、痩せた薄い色のイノシシさんだったようです。
イノシシさんのご飯となる木の根っこを求めて土を掘りまくり、箱罠にしいたはずの泥はなくなってしまっていました。
骨組みが顕になると足元が悪くイノシシさんは警戒します。また平らな場所でないとグラつきが出て余計に怪しむため場所をズラすことになりました。
それからゲートが落ちるためのワイヤーの調整。たっちゃんの軽トラには必要な道具がいつも載っています。
②ブドウ畑の電柵
同じ地域の農家ハンターメンバーの観光農園。電柵をしていますが最近被害がひどくなってきました。ここは観光農園として開放しているので、昼間も電気を流すということはできません。その代わり、人がいると思わせるためかラジオがかかっていました。
それでも効果が薄く困っているようです。電柵は「痛い!」となることで怖がらせるための心理策なので常に電気が流れていることが重要なのです。
昼間も電気を流している、観光農園横の電柵の電圧をテスターで測ると……場所によって不十分でした。電気は見えないので調べるまでちゃんと流れているか、障害になっているものがないか分かりません。たっちゃんがテスターで電圧を測ることを、誰にでも口すっぱく言うのはこのためです。
③囲い罠
初めてお目にかかった囲い罠!
予想をしていたよりもはるかに大きい…!みかん畑の奥に設置してありました。
わたしの家より広いかも……。大きいためどこにでも置くことができず、なのに捕獲率が思ったほどではないのが課題の囲い罠。
前に捕まったイノシシが、どうにか出ようと慢心の力で体当たりしたのでしょう。
ゲートが曲がっています。命の危機があるとものすごい力が出ますね。囲い罠だけでなくどの罠も、檻の中にいるから、罠にかかっているからと安心せず、近寄らないようにしてくださいね。
④今日の夜中にイノシシさんに破られたみかんのビニールハウス
この日の夜中、イノシシさんが宮本さんの早生みかんのビニールハウスに侵入していたそうです。夏出荷のみかんたち、美味しそうな匂いにつられて来たんでしょうか。ハウスの周りにはイノシシさんの足跡や💩が。
そして中の早生みかんはしっかり食べ荒らされていました。入り口と出口を突き破った跡がありびっくり!結構高く飛べるんですね〜
ほとんど食べていることもあれば、味見程度で捨てられているものもありました。食べるならせめて食べてくれよぉぉぉ!
宮本さん、イノシシさんにビニールハウスを破られたと知り、すぐにビニールハウスの周りに電柵を設置しました。その高さを確認していくと、高すぎたり上下に2本ある柵の間が開いていたりとちょっと怪しいポイントが。
その微妙な高さで突破してしまう可能性があるので、ここもたっちゃんが確認をしてアドアイスしていました。
ビニールハウスで栽培をしているご近所さんにも周知し、皆さん素早く対策をされることになりそうです。これが農家ハンター!
地域の中心になって活動を進める宮本さん西原さんに話を聞くと。
「稲葉さんがいたからできたんですよ」
と口を揃えておっしゃいました。
「少しずつイノシシが出て来たな〜というタイミングで、見様見真似で電柵を張ったのが始まりでした。でも、全然効果がありませんでした。そしてアドバイスをもらって箱罠をやってみたところ、すぐに効果がありました」
2人が大事にしていることは、”自分たちだけでやらない”ということ。
たっちゃんからの、「周りを巻き込む」というアドバイスは経験に基づいたもので、自分だけで頑張りすぎると周りは「あの人に任せておこう」となってしまい、本人の負担がどんどん大きくなっていくからです。地域全体で対策をすることで効果も出やすいこともあります。
「おかげで今は「あそこでイノシシ獲れとったよ」と周りの人が教えてくれることもあり、ありがたい」と話されました。
【くまもと☆農家ハンター】の☆は、地域のヒーローをイメージしています。メンバーが鳥獣対策をすることで地域のヒーロになっていくことを目指してつけられました。宮本さんや西原さんはまさに☆!農業と地域のための鳥獣活動を両立しています。