農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2024年11月彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。
奥阿蘇にある南小国町の脇戸地区にお邪魔してきました。
初の試み 【 カルテづくり 】!
その地域の鳥獣対策の現状を確認するための、カルテをつくりました。鳥獣害対策の勉強会を地域で開催しているか、地域に狩猟免許者はいるかなどのいくつかの質問から、その地域の現在地を確認します。
脇戸地区は、これまで地区をあげての勉強会こそあっていなかったものの、自主的に学ぶ人は多く、守りも効果的でした。他にどんなことができるのか、その道筋を知るという意味でもこのカルテづくりは分かりやすいのではないかと思います。
今回のような勉強会を通して地域みんなで理解を深めることで共通認識が生まれ、防御力増し増しの地域になっていくでしょう!
衛星写真を見てみよう!
脇戸地区を写した衛星写真を用意しました。ここに◯シールを貼っていきます。
お母さん方も参加してくださいました。
「一緒にやっている」は鳥獣対策に強いのです!
「ここはいつも出るもんね」
「この辺から来とるごたね」
「ここが潜み場になっとる」
イノシシさん、シカさんと隣り合わせの暮らしで、みなさんよくご存知です。ちなみに、このセミナーがあった公民館付近もよく出ると言われました。
このマップづくりも「見える化する」ためのアクションです。
脇戸地区では地域ぐるみで防護柵を張っています。
「管理がよくできているからあまり動物が入っていないのだろう」と楠田さん。マップにするとそれがよく見えてくるため、自信にもつながっていくかもしれません。
◆共同で張っていると、人に迷惑かけるわけにいかないから、自分で独自に張った柵よりもしっかり管理しようという気持ちになる
◆せっかく張ってるから、点検して管理しとかんとね
そんな声も聞こえてきました。
見えてきたことは
◆自分の所有地のことは分かっていたが、マップにすることで全体がよく見える
◆守れているところは、目撃も少ない
◆よく守れているし、現場のことをみんなよく把握している
守りを固めるというのが鳥獣対策の第一段階ですが、柵があることで農作業がしづらくなることもあります。
「メッシュ柵がいいのか、電気柵がいいのかは場所によって違う。考えて使い分けよう」と、猟友会メンバーでもある方から呼びかけられました。
課題が確認できたことで、今後の方針も少しずつ見えてきました。
脇戸地区は夫婦一緒に来てくれる地域柄。やろう!と声を上げる人が、この地域に何人かいて、普段の農業の営みの中で協力して自主的に対策してきました。町からの働きかけではなく、「住民主体で問題意識を持ち、声を掛け合っている」と役場の方からお聞きした通り、とても前向きで、住民主体という地域の姿勢がよく見える場でした。
畑が隣の地区にあるという方、3反分の米を全部イノシシさんに食べられたそうです。1反300坪。おかげで収穫できませんでした。「まさかこんな被害に遭うとは…」と思っていたそうです。来年はそんなことのないよう、十分な守りができますように…!!!
野生動物との境界線は、過疎化・高齢化・離農者の増加・猟友会メンバーの高齢化や減少によって、もっと人間側に寄ってくると予想されます。放っておいても解決しないといつも講演で稲葉たっちゃんが話をします。だからこそ早めに手を打つ、町のみんなで共通の課題意識を持って学び、守っていくことが必要とされていくでしょう。
この、現場で結束力が増し、プラスのエネルギーで「よし、やろう!」となる雰囲気、みなさんかっこいい!