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2025.09.25

農政局インターン生が学ぶ、鳥獣害対策の現場

農家ハンター応援団フォトライターの髙木あゆみです。

2025年9月、九州農政局でインターン中の大学生が農家ハンターに研修に来られました。現地でインターン生が学んだ有害鳥獣対策の取り組みをレポートします。

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【レポートのポイント】
▶︎農家ハンターの活動紹介
▶︎ICTを活用した箱罠の工夫
▶︎減溶化施設の役割
▶︎捕獲や処理に伴う負担について
▶︎元耕作放棄地で学ぶ電気柵の実習

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イノP/農家ハンターの活動

地域の有害鳥獣対策における課題は何か。

農家ハンターは2016年から活動を始め、試行錯誤の中で得た知見を活かし、同じ悩みを抱える地域での対策にもつなげています。現在はセミナーや研修を通じて、その取り組みを広く共有しています。

 

 

 

 

ICTを活用した箱罠とイノシシ対策

 

箱罠を初めて見たというインターン生のお二人。

箱罠の工夫や、箱罠を選ぶ理由、たっちゃんがICTの導入が、農業を営む鳥獣害対策従事者にいかに重要かなどが伝わったかと思います。

箱罠を初めて設置してから、半年以上1頭も捕獲できなかった経験も、ICTを導入することで相手(イノシシさん)を知り対策するという流れへと繋がりました。困ったり苦労した経験は、他の地域での対策にも活きています。

 

エサの種類について、箱罠のつくりなど質問がありました。

イノPでは、エサに米ぬかを入れることが多いです。理由はコストが抑えられるから。
他に、その地で獲れるものを置くところが多いです。みかんの産地ならみかん、梨の産地なら今頃なりが転がっているでしょう。

 

 

 

減容化施設で学ぶ捕獲後の処理

イノシシさんを、5時間でまるごとパウダーにする減溶化施設へ。

 

処理の方法として、捕獲して止め刺しした後に、捕獲した場所で1m以上の深さの穴を掘って埋めると定められていますが、機械も入れないような場所に置く罠で、手作業で掘るのは容易ではありません。そのため、土をただかけるだけにとどまるケースが多い実情です。

そこで、この減溶化施設が希望の光なのです。

 

 

 

 

感じる負担は誰のもの?

捕獲する人のケアについても話がありました。

止め刺しには、精神的に大きな負担を伴います。肉体的にも簡単ではありません。

他にも上記の通り、処理も肉体的な負担が大きいです。

 

負担を個人の問題にせず、軽減する仕組みをつくることは担い手を増やす上でも不可欠です。

地域をまわると、見回りが時間的に負担だという声があります。
箱罠を設置する有資格者は見回りやエサの用意等の役割を担うのが自然のようですが、地域のためにやっていることですので、地域で分担することで特定の誰かに負担が集中しない体制を整えることが重要です。
資格のない人も見回りをしたり、エサを用意できますので、地域一丸となってチームワークで取り組むことの大切さを、セミナー等ではいつも伝えています。

 

 

減溶化施設の前に置いてあった堆肥、新品のものが破られていました。イノシシさんがスンスンしたようです。

 

元耕作放棄地で学ぶ電気柵の実習

 

耕作放棄地だった畑を復活させたエコファームに行きました。

 

 

 

草刈りが追いつかない場所は、葉っぱが当たっていました。
これで漏電し、通電が悪くなっていきます。「皆さん、ここに気をつけてね!」のサンプルです。セミナーでも必ず伝える注意点です。

 

ここでは部分的に電線が編み込んであるタイプの防草シートを活用しています。幅が60cmのものと80cmのものがあります。どちらも使っていますが、80cmの方がより使いやすいという意見がありました。

 

電線の結び方にもコツが。ただ結ぶだけでなく、少し遊びを持たせ、カバーを少し剥いでくくりつけるのが◎です。

 

一生懸命守ったさつまいもは、元気に葉が伸びていました。土の下で美味しいお芋が育っているんでしょうね〜!

 

インターン生の視察はこれで全日程。質問をしたり熱心にメモをとったりする姿が印象的でした。今回の研修で得た知識が、今後農業に関わる仕事の中で活かされることを願っています。

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2025.09.03

八代工業高校で鳥獣対策授業を実施|熊本県の狩猟PR事業レポート

農家ハンター応援団フォトライターの髙木あゆみです。
2025年9月、熊本県八代工業高校で行われた「鳥獣対策の授業」に同行しました。これは熊本県の狩猟PR事業の一環です。その様子をレポートします。

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【レポートのポイント】
▶︎八代工業高校での活動
▶︎国鳥・キジを解き放て!
▶︎罠に触れる
▶︎銃に触れる

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八代工業高校で授業が行われた理由

これまで農業高校や家政科のある学校での授業はありましたが、工業高校での実施は初めてでした。
八代工業高校では、機械科に「ハンター班」があり、高校生のジビエ料理対決「ジビエ甲子園」にも出場経験があります。罠の設計や情報科で鳥獣対策アプリの開発に取り組むなど、鳥獣対策に積極的な学校です。

 

八代の山でキジを放鳥

当日は、人吉から雉職人がキジを連れて来られました。
みんなで八代の山へ放鳥しました。
鳥獣害対策は、数の増えた動物や人間生活に害のある動物を減らすことだけでなく、数の少なくなった動物を増やすための取り組みも行います。

生徒たちは初めてキジに触れ、自然の中に飛び立つ姿を見て、野生動物と人との関わりについて考えるきっかけを得たように思います。

 

 

 

JICAの2人も一緒に!

 

 

 

 

 

箱罠の仕組みを学ぶ

授業ではまず、実際の箱罠に触れて仕組みを学びました。

  • 床の素材:水や土に触れて錆びやすいため、メッキ加工が施されています。

  • 構造の強度:イノシシが助走をつけてぶつかる前後部分は強く作られ、側面は比較的弱い構造。これは動物の行動特性に合わせた工夫です。

生徒たちは「イノシシの力で罠が変形することがある」という説明に少し驚いたような表情をしていました。

 

 

 

 

くくり罠の特徴と注意点

次に紹介されたのは「くくり罠」です。シカはくくり罠での捕獲が中心ですが、頭脳派のイノシシにも効果的です。

捕獲された場合は箱罠よりも注意が必要です。

  • 足を怪我したり切断して逃げてしまうリスクがある

  • 可動範囲が広いため止め刺しの際に危険が伴う

  • 匂いに敏感なイノシシは、新しいものへの警戒心が強く、新品の臭いを察知して避けることがあるため、水に漬けたり土をかぶせて設置する工夫が必要

設置場所がわかりにくく、人が誤って踏んでしまう危険性もあります。冷静になれば仕組みを理解して外せますので、万が一かかることがあってもパニックにならないようにしましょうね!

 

くくり罠のワイヤーを動物が噛んで切ることもあるか?と質問がありました。

威力の強いイノシシさんですが、噛んでワイヤーがちぎれることはありません。でも長く使い、ひっぱりすぎて何かの拍子で切れることはあるかもしれませんので、メンテナンスの際はチェックしてくださいね。

 

 

 

猟銃を触る!

授業の後半では、農家ハンターの稲葉たつやさんによる鳥獣対策の基本講座が行われました。


それから、狩猟免許がなければ触ることのできない猟銃に、生徒たちは実際に触れる貴重な体験をしました。安全のため、弾は出ない体験モデルですが、それ以外は本物と同じものです。

なかなか質問の手は挙がりにくいものの、狩猟に関わる活動を行っている生徒たちは真剣に話を聞き、メモを取りながら学んでいました。

 

 

 

 

 

狩猟免許を取得する意欲のある生徒の皆さんでした。次世代を担う高校生たちが知識を身につけることは、未来の農業や地域づくりに直結します。

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2025.08.10

阿蘇市で通電シートと電気柵設置!イノシシ被害を防ぐ現場レポート

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2025年8月、彼らの現場で見て感じた事をレポートします。

 

阿蘇市のある地区にて、840mの通電シート(電線が織り込まれた防草シート)と電気柵を設置しました。
作業には地域の方約20名が参加。イノPからは稲葉たっちゃんと、特定地域づくり協定のメンバー・井手くん、JICAグローカルプログラムで研修に来ている竹村くん、橋本くんも加わりました。

当日の様子をお届けします!

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【レポートのポイント】
▶︎通電シートを設置
▶︎電気柵の支柱を設置
▶︎電気柵の電線張り
▶︎電気柵の電源装置の設置

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美しいカルデラでの早朝作業

阿蘇の美しいカルデラの中、夏の早朝に作業が始まりました。
地域の方によれば、すでにイノシシは出没しているとのこと。
まだ稲は食べられるほど実っていませんが、各所で足跡が見つかっています。山や川から、イノシシは静かに近づいてきているのです。

稲穂が実る前に、そしてイノシシが活発に動き出す前に——早めの対策が必要です。

 

 

 

 

① 通電シートを設置

まず通電シートを敷きます。
コンクリートから少し離すと通電効果が高まります。
位置を決めたら、杭で固定します。

場所のあたりをつけたら、杭で留めます。

 

 

杭を打ち込むのは難しくないですが、場所によっては地中が固く杭が入り込みませんでした。そんな場合はバール等を使って穴を掘ります。

 

 

② 電気柵の支柱を設置

杭を打ち終わったら、次は電気柵の支柱を打ち込みます。

 

 

 

③ 電気柵の電線張り

支柱を打ち込んだら、電線を張ります。今回はイノシシ対策のため、地面から20cm、40cmのところに2本設置します。
上から張ると2本ともたわまずにピンとなります。

 

 

 

井手くんも立派な戦力です!

 

人数が多い分、作業は順調に進みます。

 

こういうところは、見回りや草刈りの頻度がどうしても低くなりがちです。通電シートは価格が高めなので予算に合わせて部分的に利用するのもすすめています。

 

通電シートは、電線が織り込まれていることもあり価格は安くありません。草刈りがしづらいところなどで部分的に使用することも◎です。

 

電線の接続は結ぶだけでも可能ですが、通電効率を高めるため、電線の被覆をはがして直接結びました。ライターも現場で活躍です。

 

張り終えたら、地面からの高さが20cm・40cmになっているか確認します。これは効果的な防護のための重要なチェックポイントです。

 

④ 電気柵の電源装置の設置

 

最後に電気柵の電源装置を設置します。
管理者が操作しやすく、かつ動物や人が触れにくい場所が望ましいです。電気柵の内側に設置するのが良いそうです。

 

 

近くには子どもも住んでいて、今回、子どもたちがよく走り回っているところに電柵が設置されました。集落の方々は安全のため周知活動を行うことを話し合っていました。

 

 

写真では見えないところまで総延長840m。
シート敷き、杭打ち、ポール配り、高さ調整、電線張り。
大勢で取り組んだので4時間で終えました。暑かった〜!

 

大変お疲れさまでした!

 

 

先日、ソラシドエアさんと電気柵を張った経験から、若手3人も立派な戦力となっていました。

 

 

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2025.08.04

草刈り・竹の侵入・電気柵!夏のソラシドエコファーム現場レポート

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2025年8月、彼らの現場で見て感じた事をレポートします。

 

3年目となった夏の恒例イベント、「炎天下の草刈り」!
ソラシドエアの職員の方がおいでになり、ソラシドエコファームで2日間に渡って草刈り作業を行いました。その様子をレポートします。

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【レポートのポイント】
▶︎ソラシドエコファームの草刈り
▶︎竹の勢いとその対策
▶︎早生桐ファームの草刈り
▶︎栗畑の草刈りと電気柵・通電シートの設置

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元気な若手JICAメンバーが参加!

JICAから派遣されている竹村くんと橋本くんが参加。
彼らはこの冬から海外協力隊として海外に派遣される予定で、当日はフレッシュな挨拶をしてくれました。

力強く育ったさつまいもの苗

植えるときには細くてまだ頼りなかった苗が、

こんなに力強く育っていました。苗の下ではお芋が元気に育ってますね、きっと。

 

 

 

 

新入社員さんも一緒にがんばりました。初九州が草刈りとは!笑

 

 

 

竹の侵食が深刻に

隣の竹林から竹が畑まで侵食してきていました。
細いけど抜けない!竹の根は強くて花火のように放射線状に広がっています。

以前から稲葉たっちゃんが対策をしていたそうですが、生命力と繁殖力の強さを感じました。

 

 

 

 

早生桐ファームも草刈り

ソラシドエコファーム1号から少し移動して早生桐を植えている桐ファームへ移動しました。ここはもとは柑橘畑でした。

 

 

試験的に植えている早生桐は短期間でぐんぐん成長しており、3年でこんなに!

早生桐は成長の速さに加え、二酸化炭素の吸収率が高いのが特徴です。
葉が地面に影を落とすため雑草が生えにくく、また背が高くて見通しが良いため、動物の潜み場になりにくいというメリットがあります。

 

 

 

この日はラッキーなことに少し暑さも和らいだ日。翌日の体力を残して終えることができました。

 

 

 

栗畑の草刈り、電気柵と通電シート設置

翌日は、戸馳島での作業です。
井出くんが写真を撮ってくれたのでご紹介しますね。
栗畑、ゴツゴツしたさつまいも畑も草刈りしました。

栗の木、小さいながらもしっかりと葉を育っています。かわいい!

 

 

 

 

 

 

さつまいも畑では、草刈りに加え、動物対策として電気柵と通電シート(マルチシートに電線が編み込まれたもの)を設置しました。

JICA組と井出くんの若手ユニットも活躍です!

 

 

 

 

 

 

 

 

次にソラシドエアさんとお会いできるのは収穫のときですね!秋を楽しみにしてます!

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2025.07.24

野生動物にとっての渋谷?水俣市の鳥獣被害と対策の実態

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2025年7月、彼らの現場で見て感じたことをレポートします。


水俣市で鳥獣対策のセミナーが行われました。県・市・林業組合・イノP、そこに水俣・津奈木地域の農家の方が集いました。

稲葉たっちゃんは、座学に加え、ワイヤーメッシュ柵を設置した圃場での現地研修を担当しました。

今回はその研修現場の様子と、会場近辺で行ったの鳥獣被害対策の調査をレポートします!

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【レポートのポイント】
▶︎行政・林業・農業が連携して挑む鳥獣害対策
▶︎防護柵:ワイヤーメッシュ柵設置の現場
▶︎水俣市における鳥獣被害・対策状況の実態調査

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行政・林業・農業が連携して挑む鳥獣害対策

水俣市東部センター葛彩館にて、「芦北地域における広域的な鳥獣被害防止対策に係る研究会」が開催されました。

水俣・芦北地域から農家35名、行政関係者25名が参加しました。

有害鳥獣対策は、一部だけで完結するものではなく、県・市区町村・林業・農業・民間が連携して取り組むのが望ましい課題です。というよりも、誰もが無関係ではいられない問題です。

水俣地域ではイノシシとシカによる被害が深刻で、令和5年度の被害額は約6,000万円にのぼります。被害の95%が果樹で、そのうち52%に樹体被害がありました。
令和6年のシカの捕獲数は4,200頭と、年々増加しています。

「隣には動物がいる」──そんな環境で農業を営む方も少なくありません。

 

 

林業関係の方から狩猟免許取得の声掛けもありました。
免許更新の折に、特に高齢の方はもう更新しないという声もあがってきます。高齢者へ更新の呼びかけだけでなく、若手への声かけも必要だと力強く話されていました。

 

ワイヤーメッシュ柵設置の現場へ

ワイヤーメッシュ柵がずらっと張ってある圃場へ行きました。

 

お米を植えてすぐに食べられてしまい、困っていたと地域の方が言いました。

イノシシもシカも訪れる水俣は、動物さんの渋谷のような場所と言えるかもしれません。

 

 

 

この圃場では、柵と、動物による掘り返しを防止する“スカート部分”を組み合わせて設置してありました。

 

 

農家ハンターはこのスカート部分を強く推奨しています。

地形の段差やわずかな隙間があると、動物たちは粘り強く掘り返して侵入してしまいますが、このスカートがあれば難易度が上がり、侵入を抑える効果があります。

さらに効果を高めるには、このスカート部分を畑の外側にもっと広く張り出してもよかった、とのアドバイスもありました。

この地域には現在、狩猟免許を持つ人がいないそうです。
特にシカ被害は災害リスクにも直結するため、地域内での相談と連携が必要だとたっちゃんは強調していました。

この地域には狩猟免許を持った人がいないそうです。
とくにシカ害は災害の被害に直結するため、たっちゃんは地域で相談していくことを勧めました。

 

町をぶらり現地調査へ

 

「耕作放棄地が増えてる!」

と、車道を走りながらたっちゃんは小さく叫びました。2,3年前よりも増えている印象だそうです。
わたしにはただの茂みと耕作放棄地の耕作放棄地の違いがはっきり分かりません。でも、たっちゃんは一目で見分けられます。

 

 

現役の畑の隣が耕作放棄地となると、やがて茂みに変わり、動物の潜み場になってしまいます。

高齢化・過疎化・耕作放棄地の増加──これらの要因が重なることで、農業や鳥獣対策にとっては好ましくない結果をもたらします。

高齢化・過疎化・耕作放棄地 の組み合わせは、農業や鳥獣対策には望ましくない結果になります。

 

見えてきた日本の里山のつくりと 災害

日本の里山集落は、山のすそに民家があり、その前の開けた日当たりの良い場所に畑や田んぼが広がっています。

 

イノシシは作物を食べるだけですが、水俣市で深刻化しているシカの被害は、食害にとどまらず土砂災害にまで及びます。

シカは樹皮を食べて木を枯らし(人間の帯状疱疹のように、樹皮を一周食べられると木は死んでしまいます)、
さらに下草を食べ尽くし、新芽が育ちません。根が張らず、土壌に土をとどめる力がなくなり、大雨の際に土砂崩れが発生する──という悪循環が起こります。

この構造を考えると、土砂崩れによる最初の被害は、山すその民家や住民に及ぶことになります。

 

シカは、農地を守るだけでは減らせない。捕獲しなければ個体数は減らないのが悩ましいです。

狩猟免許保持者がいなければ捕獲もできないため、狩猟免許取得を促進するのです。

 

集落でも、シカが木を食べた跡が分かる【ディア ライン 】も確認できました。

 

 

家にシカがたくさん来ることが見える防護柵です。

 

水俣に取材にお邪魔したのは初めてでしたが、県南のシカ害の深刻さが伝わってきました。

 

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