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2023.09.03

蒲島県知事が!戸馳島に!宮川洋蘭に!農家ハンターに!

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!

2023年8月のこと、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

熊本県の蒲島知事が農家ハンターに!

8月の終わり、熊本県蒲島知事が、農家ハンターの拠点・戸馳島においでになりました。
宮川洋蘭と農家ハンターへの視察です。

 

行政の皆さんがずらりな中に、わたしも(金髪+Tシャツ)お邪魔してきました!

 

 

 

農家ハンターのみんなで蒲島知事への表敬訪問をさせていただいたのは春。
その前には2022年12月にくまもとSDGsアワード授賞式でお会いしました。

そしてまさかまさか、おいでいただけるとは…!!

 

↓くまもとSDGsアワード授賞式

 

 

洋蘭の見学

まずは宮川洋蘭で蘭生産の見学を。

蘭づくりは、冬は終日あたたかく暖房を効かせないといけないし、
苗は海外から仕入れないといけないということで、エコとは遠いという宮川さんの思いがあり、
少しでもサステナブルな生産ができるようにと試みています。

①竹ととうもろこしの芯でできた鉢

②支柱を鉄から竹に変更

③電力は、再生可能エネルギーで生産する、はちどり電力

 

 

 

 

そんな話をしっかり聞いておられました。

 

 

 

 

 

代表して、ベトナム人の従業員さんが、宮川洋蘭オリジナル製品の説明をする場面もありました。

優しく微笑みと共に聞かれる知事。

彼女に、エールを送られました。

 

 

 

農家ハンターのお話を

 

見学のあとは、農家ハンターのプレゼンを。

農家ハンターの成り立ちや今の社会が抱える鳥獣害被害の実態などをお話ししました。

 

 

 

 

 

 

ハイライトは

知事が訪問してくださるなんて、ものすごい名誉なことですが
終わってから、

「今日のハイライトはどこですか」

と宮川さんに尋ねたところ、
「これまでのお礼を言えたことかな」とおっしゃっていました。

 

農家さん以外はご存知ない方も多いかと思いますが、全国でも注目される、「くまもと農業経営塾」というものを開講したのは知事のお声かけから。

宮川さんは第一期生でした。そこで集った農家仲間が農家ハンターの仲間ともなっていること、わたしも初めて知りました。

宮川さんが2015年に県から派遣されブラジルに赴いたこと、

JICAの海外協力隊の隊員さんが、海外赴任前の事前研修先として熊本と提携をしていること、
(今まさに、ガーナに出立前の隊員の松田くんが研修に来てくれています)

「蒲島知事のおかげさまで」と精一杯伝えられている様子を拝見しました。

 

 

知事としてやってこられたことの成果の末端を、
ご自身の目で見たり直接聞くことはそう多くはないかもしれません。
やってこられたことが大きく育っていることを伝えることができて、感無量といったご様子でした。

こういうところがほんとーに素晴らしいなと思います。

 

 

イノシシさんのハムと、冬にワークショップをしたイチゴの酵素ジュースでおもてなししました。

ご同行された皆さんにもご好評!

↓いちごの酵素ジュースワークショップ懐かしい!

 

 

そして最後は黄色い声援とともに、記念写真を。

 

 

 

 

 

 

ジャニーズのように人気のある知事です。

 

知事、県職員のみなさん、市職員のみなさん、ありがとうございました。

ご多忙な知事、お体にお気をつけて!

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2023.08.27

カモから畑を守れ!八代でカモ被害防止講習会

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2023年8月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

八代市氷川町で行われた、カモ類被害防止対策講習会にお邪魔してきました!

その中で、稲葉たっちゃんが「地域ぐるみで行う、分かりやすいカモ被害対策」と題して講演しました。

 

 

八代でカモさん被害

 

八代は、これまで鳥獣害被害とは縁のなかった平野部でカモさんによる農作物被害が出ています。

その度合いが深刻になってきていると聞いていましたが、額を聞いてびっくり。
熊本県全体で5億4000万円、そのうちカモさんが原因で2億円近い損害がでているようです。

イノシシさんやシカさんに比べて小さくてかわいらしい彼ら、やりますね。

玉名でも同様です。

 

 

 

シベリアから飛んでくるカモさんたち。
熊本に立ち寄ってくれることにロマンさえ感じます。

が、農作物を守る対策は必要!

ってことで、八代では対策が進められています。

このセミナーもその一環です。

 

3Dな対策を

 

飛んでも歩いても、畑にやってくるカモさんたち。

カモさん対策はイノシシさんやシカさんとは全然違う、3Dな対策が必要です。

① 地域や畑に飛来させない対策
② 畑周辺の水路にテグスや網を設置して寄せ付けない
③ 畑にテグス設置したり防虫ネットなどを張る

八代で推進されている対策はこんな感じです。

 

一度立ち寄るとなかなか他のところには行かないようなので
被害に遭う前の対策が要。

江津湖での記録によると、毎年10月3日にカモが目撃され始めるそうで
それまでの「今の時期にどうするか」が、今年度の被害を生まないことにつながります。

 

 

調査も難航したカモの動き

 

たっちゃんの調査報告でおもしろかったのは、赤外線カメラ。

夜行性のカモさんを映そうと、畑に設置したカメラでは、カモさんの動きを見ることがほとんどできません。

「いるの?」と疑わしいほどですが

飛び立とうとする瞬間からは見えるのです。

 

その原因は体温!

カモさんの体の表面温度はカメラで感知できず、羽を広げた時に映ります。

「やっぱりいた!」

と、そのタイミングで分かるのですが、

ダウンジャケットが軽くて温かいこと、カモさんのおかげなのだと改めて感じたのでした。

 

 

個別で対策するような点でなく、地域全体で面のように対策をすることで
地域全体に効果があるというのは、イノシシさん対策と共通することです。

 

また、カモさんにとっての餌をそのまんまにしておかないということも同じです。

2番穂(稲刈り後になる、人間が食べない穂)をつくらないことも対策になります。

人間には必要がないから稲の収穫後はそのままにしがちですが、
早めに土にすき込んでしまった方が「寄せ付けない圃場」になるようです。

 

また、居心地の悪い水路づくりも大切なので、テグスを張ったりして水路でも対策をします。

 

ちなみに、ご参加の方の話ではヒヨドリの被害、田植え直後にシカにやられているという話もありました。

 

被害に遭わないと実感が湧かないけれど、Beforeの対策 を!!

というのは、何度も何度もたっちゃんが話したことです。

おいしい、八代産のブロッコリーやキャベツ、これからも食べられますように。

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2023.07.20

熊本県立大学へ。英語で授業!

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!

20237月彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

熊本県立大学へ

熊本県立大学2年生、国際関係を学ぶ授業を担うのは、JICAの遠藤さんと

英米文学科のRichard先生。

 

 

先生からのご依頼で、ALL英語でプレゼンをするというミッションに挑戦した宮川さん。

 

これまで、いろんな国の方が農家ハンターを視察にこられたこともありましたが
わたしは英語でのプレゼンをお聞きするのは初めてでした。

資料を英語で準備するのも大変だったことと思います。

しかし、若い頃からアメリカやオランダなどで研修を重ねてきた

【インターナショナルファーマー宮川】ですから、
ここでも返事はYESかハイです。

 

 

洋蘭事業のこと、30代で死にかけた経験から、人の役に立つ仕事をしたいという気持ちが強くなったことなど、お話ししました。

グローカル(グローバル&ローカル)な視点を持つことの面白さや可能性をご自身の経験から伝えます。

 

学生さんに向けて散りばめたメッセージがあります。

それは

・自分の強みを見つけ、活かすこと

・英語力を身につけること

・ITスキルを活用すること

そして、何より「出る杭は打たれるというが、出る杭こそ強み」という言葉は、何かに挑戦する人みんなの背中を押してくれるでしょう。

宮川さんから学生さんへのエールのようなものだと思ってお聞きしていました。

 

 

 

楽天のバイタリティウーマン

今回、ご一緒したのは、楽天のスーパーウーマン香月さん。

彼女のメッセージも力強くて素晴らしかったです。

 

TOEIC800点以上を、2年ごとに取ることが社内で決められているようでさすがの英語力。

楽天の看板を背負っておいでになっているので、会社のこと、仕事のことをお話しされるのかと思いきや。

それだけでなく、彼女自身のことや伝えたいことを、まっすぐに伝えているお姿が、めちゃめちゃかっこよかったです。

 

旅が好きだけど、行けないならば呼んじゃおうと、民泊で300名以上を迎え入れてきた強者!

課題解決のための観の転換のおもしろさを感じました。

まっすぐにご自身の人生に向き合っておられるのが素敵でした。

 

 

 

 

そして、時間があったので、わたしもちょこっとお話させていただきました。

わたしは取材の身なのでクロコなのですが、お声をかけていただき、もちろん返事はYESです。

何の準備もしてない拙い英語で、自分が個人的にしていること、してきたことをお話しました。

宮川さんがそれを微笑ましくみてくださっています。

隣に住む、いとこのお兄ちゃんみたいな安心感です笑

 

 

そんな展開もありましたが、遠藤さんがさすが、英語でユーモアを飛ばしながらおもしろくまとめてくださいました。

とっても賢い学生さんの心に、きっと何か響いたことと思います。

 

こんな大人に出会える機会があって羨ましいです。

わたしも大学2年生で聞いていたかった!

 

 

 

 

プチサプライズ

始まる前に、「宮川さん!」と声をかけに来てくれた彼ら。

カモ対策で一緒に取り組む学生さんでした。

エールを送りに来てくれました。かわいか〜

 

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2023.07.08

頴娃町へ!加藤潤さんを尋ねて

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!

20237月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

農家ハンター、薩摩半島の南の果て、頴娃町(えいちょう)へ!
前も見えない大雨の中、わいわい行ってきました。

 

ここに誰がいるかというと…

リノベーションで先生をしてくださった、加藤潤さんです!!

彼の本拠地である頴娃町を満喫してきました。

 

行程たっぷりのみっちりな2日間、ハイライトをお届けしまーす!

 

その前に。

鹿児島に到着して腹ごしらえ、ということで、
お勧めされたお魚センターへ行ってきました。

頴娃町のすぐそばの、枕崎市。

カツオと言えば枕崎、枕崎と言えばカツオです。

 

さすが産地、新鮮で美しくて、もちろん味も最高でした。

井上くんも満足のようです。

カツオの美しさに、「どうやって締めたのか」と気になる宮川さんと井上くん。謎は解けずじまいでした。

 

テーブルクロスと、宮川さんがリンクしていて困りました。

 

《釜蓋神社》

わたしたちを出迎えてくれるように、バッサンバッサン波が飛ぶ海岸に現るのは 釜蓋神社。

 

 

神主さんのアイディアと、加藤さんの企画により、
年間15万人以上が訪れる頴娃町の観光スポットになりました。

 

 

お手洗いも整備されたのは、民間が頑張るところを行政が応援した形です。

 

 

私たちも、釜蓋を頭に乗せて、鳥居から拝殿まで歩きます。
落とさずに歩けると願いが叶うとか。

落とさないことに必死で願い事をしそびれましたが、おもしろかった!

 

 

 

神社付近のいたるところに釜蓋を絡めていて おもしろいですよ。探してみてね。

https://www.kagoshima-kankou.com/guide/50902

 

 

《頴娃おこそ会》

加藤さんが、移住してすぐに参加した「NPO法人頴娃おこそ会」。

すごいのは、そこを起点にたっくさんの素敵な人が集っていることです。

「ここに来れば何かできる」と思える場所があるのは、
Iターン者にもUターン者にも希望ではないでしょうか。

空き家を再生したり、会社が生まれたり、移住者の受け入れができたりと頴娃町を盛り上げてきました。

 

《宿は「ふたつや、」。》

この日の宿は、 頴娃おこそ会が
空き家をリノベーションしてできた一棟貸しのゲストハウス「ふたつや、」。

熊本に初めていらした時に、加藤さんのプレゼンで、若い人が楽しそうにリノベーションしている写真を見ていました。

 

今は加藤さんの右腕のような若者・蔵元さんが「株式会社オコソコ」で事業化して運営しています。

 

雰囲気やスタッフのみーちゃん、美味しいお茶や茶香のおもてなしが嬉しかった…🎵

加えてwifiのさくさく具合、タオルのふわふわ具合、アメニティのチョイスにうっとりしました。

 

 

宿の焼酎は飲み放題。最高ですよね、ええ。

https://okosoco-japan.com/guesthouse-futatsuya/

 

 

 

オコソコが手がける、近くの宿も見学しました。

 

 

 

 

《南九州市のホープ集合!》

加藤さんがリノベした最初の物件が、今、「だしとお茶の店 潮や、」になっています。

そこに鹿児島県南屈指の、おもしろい方々が集まりました。

 

 

 

頴娃、枕崎、指宿、知覧から駆けつけてくださったみなさん。

地域おこし協力隊の方や行政職員、農家、宿を経営する方など

人と繋がりながらおもしろい企てをしながら、地域を盛り上げています。

 

みなさんのプレゼンを聞いたり、交流したり楽しい時間でした。

そして出汁の味が沁みるお料理とおもてなし、最高の最高でした✨

心も体も満たされる〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

潮や、を経営する蔵元さんからは、頴娃町でビジネスを大成功させたいという強い思いが伝わってきました。

地元民ではない彼は、この頴娃町で周りに認められるよう、まだ30代前半ながら、本気で挑戦しています。

 

電車が好きなくずおかさんは、情熱と知識で、町の駅を元気にしたり、
そうこうしているうちに西頴娃駅の管理受託しちゃったりと形になっています。

[好き] が集まって町が輝いています。

 

 

 

 

農家ハンターの宮川さんも、みなさんにプレゼン。

いつものように良い調子で(笑)、みなさんがわくわくして聞いているのがわかります。
お気持ちはよーーーく分かります笑

毎度、宮川さんは話す相手によってプレゼン内容を変えています。だから、届く。

今回、私の心にも響く言葉がありました。
農家ハンターを追いかけてもう3年が経ちましたが、
それでも感動させるってすんごいなぁと思います。

 

何人かから、「どこからこのモチベーションがくるんですか。何が宮川さんを動かしているんですか」と聞かれていました。

「死にかけた経験です」って言い切るところが、飾らない本音の宮川さんらしい。

 

 

ここに参加できなかった、けれど加藤さんがどうしても紹介したいと言われていたチカさんは、翌日「茶や」でお会いできました。

お茶畑の中にある茶や、チカさんの柔らかな雰囲気に合っていて素敵なスポットでした。

ここに泊まるのも心地よさそうです✨

 

 

 

 

《タツノオトシゴハウス》

 

圧巻おビジュアルでしょう?

加藤さんの弟・しんさんがタツノオトシゴに魅せられて2010年に開業したタツノオトシゴハウス。

そう、写真の男性は しんさんです。タツノオトシゴの衣装で迎えてくださいました!

 

加藤潤さんも、自然に惹かれ、しんさんを追いかけて移住してきました。

 

しんさん、タツノオトシゴにまつわるお話もさすが博士のようです。

初めて見るタツノオトシゴの大群に、私たちからは歓声があがりっぱなしです。

 

動物が大好きな井上くんは特に見入っていました。

 

 

「好き」のパワー、すんごい!!!

また絶対行きたいところです。

http://www.seahorseways.com/html/t_house.html

 

 

たっちゃん、激務で参加できなかったのでさみしく思っていましたが、ここにいました。

 

《いせえび荘と番所鼻公園》

ネーミングからして興味をひかれる旅館・いせえび荘。

歴史を感じる外観から中に入ると一変、わくわくするような空間が広がります。

 

https://iseebisou.jp/

食堂からは海が一望できます。(あいにくの曇り空でしたが)

 

その前にひろがるのは、市が所有する公園・番所鼻公園。

https://www.kagoshima-kankou.com/guide/10649

 

 

縁結びの鐘があったり

 

タイタニックできるところがあったり

 

肩が触れ合うラブスポットがあったり

 

加藤さんの意見がたくさん採用されています。

くすっと笑うのでぜひ行ってみてください。

 

 

 

 

 

 

《大野岳》

どうやら絶景が広がるらしい、大野岳。

まっしろな景色に遭遇した私たちは、Google様の力を借りて絶景を楽しみました。

 

加藤さんがどうしてここに連れてきてくださったかというと…

ここも「地元のお茶農家さん、行政、加藤さんが協力して、おもしろくしちゃった」という場所だからです。

お茶で栄えるこの町なので、お茶を前面に出していました。

 

108歳を祝う「茶寿」ってご存知ですか?

 

それにちなんで階段を108段にしてみたり
柵のない写真スポットを作ってみたり。

ユーモアに溢れる観光地づくりをしていました。

加藤さん、それをとっても楽しんでおられて、話す様子が楽しそうで楽しそうで。

あぁこの町が好きなんだなぁ、この仕事が好きなんだなぁと

 

感じます。

 

 

 

 

 

他にも、

新たに地域おこし協力隊の来られた佐藤さん御一家を訪問したり

知覧の平和記念館、

タノカミステーション

 

RIverbank KAWANABEを尋ねました。

 

今回強く感じたのは、

加藤さん、すんっっっっっご

い人じゃないか…!!!!!

ということでした。

彼がいたから、1人来て、2人来て、人が人を呼んだ感じです。

地域の人や行政とも仲良く、上手に、また楽しく町づくりをしています。

 

 

 

 

鹿児島で暮らした期間の長かった私の父は「頴娃町に何があるの?」と不思議そうでした。

この町の取り組みを話すと、「あの何もなかったところがそんなふうになっているなんて」と漏らしていました(頴娃町のみなさん、すみません;)

 

 

宮川さんのプレゼンの中で、

「観光は、光を観に行くと書きます。光とは人のことです」とありました。

まさに、それを見た研修でした。

 

加藤さん、今回お時間をつくってくださったみなさん、頴娃町、ありがとうございましたー!!!!!

 

 

 

 

さて、この研修旅行、
大池さよちゃんの卒業旅行を兼ねていました。

さよちゃんがいなくなっちゃうのは、本当に本気でさみしいけれど、
これからのチャレンジを応援します!

これまでの労をねぎらい、餞の旅行でした。(農家ハンター、こういうところが粋です)

 

彼女のお肉が大好きなところ
なんでもさくっとやっちゃう様子、
おいしいご飯をつくるところ、
どしっと動じない姿

大好きでした。

これまでありがとうございました!

 

そして、リノベーション皆勤賞の小山諒さんも熊本を離れます。

加藤流を受け継ぎ、なくてはならない人でした。

また空き家で待ってます!!

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2023.06.20

「その後」のお話 〜農家ハンターのレクチャーがどう地域に活かされているか〜

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!

2023年6月彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

今日お届けするのは、「その後」です。

なんのその後かと言うと、鳥獣対策レクチャーの、その後です。

 

4月に、地域の皆さん20名で戸馳島に視察に来られたのが2022年の4月。1年2ヶ月前です。

【以前の記事】
①農家ハンターへの研修 https://farmer-hunter.com/blog/3013
②上床地区での金柵はり https://farmer-hunter.com/blog/3364

 

稲葉たっちゃんとわたしは、宇土市網田の上床地区の現状をお聞きすべく、
福島区長さんを訪ねました。

 

【始まりの合図】

上床地区の鳥獣対策は、福島さんの掛け声で始まりました。

集落にイノシシが来るようになったこと、
農作物への被害、
そして地域を潤す水源の周辺をイノシシが荒らしていることに危機感を覚えた福島さん。

それから、馴染みの宇土市議会議員に相談し、
農林水産課に繋がり、農家ハンターの活動に辿り着きました。

 

住民による鳥獣対策、地域ぐるみの鳥獣対策の必要性を、
農家ハンターはずっと訴えてきました。

稲葉たっちゃんの講演でそのことを聞き、福島さんは一念発起し上床地区での鳥獣対策が始まりました。

 

【地域の皆さんの変化】

高齢の方が大部分を占める上床地区。

女性を含むみんなで農家ハンターに視察に来たことで、みんなの思いが一つになったそうです。

 

「イノシシは狩猟免許を持っている人に任せとけばいい」
「行政がどうにかするだろう」

という意識が、「自分ごと」に変わったのは、
来れる人みんなで視察にいったからだと福島さんは言います。

 

罠をかけたって、みんなで対策しなければ、効果は薄い。

だから「みんなでしようや、部落を守ろうや」と声をかけ、みんなを巻き込んできました。

 

「部落のお金は、部落のためになることに使わないかん。
イノシシの対策にお金を使って、みんなが良かったといわれるものにしなければいけない。
成果を出さないといけない」というプレッシャーもあったようですが、
農家ハンター、宇土市協力のもと、一つの箱罠で14頭とれたのは、成果の一つと言えます。

 

 

 

 

歩きやすいように、金柵で守る水源地までの小道に砂利を敷いた

 

【誰もしたくないこと】

農家ハンターでの研修の後、若手の男性が、地域のためにと狩猟免許を取得。

見回り、止め刺し、埋設を行います。

(区長さんも、宣言通り、見回りをされているそうです)

捕獲までは工夫が必要だし簡単ではないですが、本当に大変なのは捕獲した後。

「なかなか止め刺し(命を終わらせること)が難しい。
イノシシがギャーっと鳴くのがしんどい…」

とその方は話しているそうです。

 

若かろうが力があろうが、精神的にとても負担が大きいのです。

地域を守るという大義名分があっても、当事者はなかなか割り切れない苦しさを抱えるのも事実です。

「それはよく分かる。しんどかですよ。特にかわいいウリ坊なんて、誰もころしたくなかっですよ」

精神的な負担が少しでも軽くなるように、たっちゃんからも道具のアドバイスがありました。

 

 

止め刺しの後は埋設。これがまた肉体労働です。
体力的な負担を軽くするために、区でユンボの購入を検討中だそうです。

 

 

【住民主体・行政からの協力】

上床地区の良さは、あくまで住民が主体であるということ。

その上で、行政ともうまく連携をとっています。

住民主体で進ありがながら、そこで困ったことは市の議員さんや行政に相談しています。

宇土市では、市が積極的に鳥獣対策のセミナーを開いていて、農家ハンターへの視察なども市が請け負ってくれました。

農林水産課の担当の方がよく理解されていることも、助かっていると福島さんがおっしゃっていました。

 

「こんなことをしている」と市に伝えると、利用できる補助金についても教えてもらうことができ、とても良い関係です。

 

福島さんから、
「補助金があってもなくても、対策はせなん。でも市が協力してくれるとは助かる」

というお言葉がありましたが、こんな関係は素敵ですね。

 

農家ハンターでのレクチャー以後、市が箱罠を3つ貸してくださいました。

そのうちの一つは、1年で14頭も捕獲しています。

 

「自分たちの地域や畑は自分たちが守る」

という農家ハンターマインドを、上床地区は体現しています。

 

 

 

 

【みかんを守れんと、生活を守れん】

上床地区が、ここまで熱心なのには理由があります。

地域の特産である柑橘を育てる農家さんが多く住んでいます。
大切な収入源です。

柑橘が食べられてしまっては、生活に影響します。

他に仕事があるならいいかもしれないけど、
農業が生活を支えている地域や人にとっては死活問題。

地域を守るというのは、
地域に暮らす人の生活を守るということ。

 

「ここには柑橘しかないけん。やられたらどうしようもない」

 

区長さんが一生懸命なのは、地域の人を守りたいからです。

 

 

 

【違う地区でも】

鳥獣対策は、「よくイノシシ出るね」となってからでは遅いと言われます。

福島さん、ご自身の経験から
今はあまり被害のない地域でも、早々に取り組んだほうがいいと進言しているそうです。

イノシシさんが出没して、直接的に困るのは農家さん。

そのことをどれだけ深刻に受け止め、具体的に自分たちの手で対策をするかは、リーダーに委ねられます。

 

 

【畑を守る2つのポイント】

「イノシシを寄せ付けない地域づくり」は2つのポイントを押さえることが欠かせません。

①餌付けをしない

②耕作放棄地を開く

 

福島さんのご自宅の目の前も、耕作放棄地となっています。

耕作放棄地の対策として、

「一旦全部刈ってしまったあとに、どんぐりやくぬぎなど、落葉する木を植えたら草が生えにくくて管理しやすかですよ」

といったアイディアをたっちゃんから福島さんへ伝えました。

 

 

上床地区に暮らす、80代の独居老人の方の例も上がりました。

ある時、「庭でイノシシが寝てる!いますぐ来て!」と福島さんへSOSの連絡がありました。

福島さんが駆けつけるとイノシシは驚いてピューっと逃げました。

イノシシがいたところには、ごろんとするのに良さそうな藁が。

その藁をベッドに眠っていたようです。

 

人間の生活圏なので、人間以上に危険な敵はいません。人間も、多くはイノシシに危害を加えません。

餌ではないけれど、これもイノシシにとっては良い環境。

ということで、イノシシが暮らしにくい集落を作るのが、地域を守ることに直結します。

 

 

【イノシシで一致団結】

みんなで視察をし、共通の問題意識を持てたことで、対策がスムーズに進み、
地域のまとまり感が出てきたと感じているそうです。

 

福島さん、
「上床地区は住民が頑張って自分たちの手で鳥獣対策をして、
地域を守っていく。第二のイノP(農家ハンターの活動を支える実行部門)ば目指します!」

と力強い!!

 

 

 

 

宇土市網田・上床地区の「その後」、いかがでしたか?

 

農家ハンター試行錯誤の7年、包み隠さず成功と失敗のエッセンスを伝えてきました。

上床地区では、技術だけでなく農家ハンターが大切にしていることもしっかり受け止めておられます。

それが本当に素晴らしいなと個人的には感激しました。

今回の訪問でたっちゃんと現場を見て、設置した箱罠の位置や向きを変更し捕獲率をあげようと福島さん熱心です。

「7月半ばから、イノシシさんの数は一気に増えます。

今がちょうど出産するかもうすぐか、という時期。

7月以降の被害を増やさないよう、今準備しておくとよかです」とたっちゃんより。

 

 

宇土市は鳥獣対策セミナーを開催したり、上床地区の要望を受けて農家ハンターの研修を手配するなど、
対策にお金(税金)をかけています。

上に書きましたように、この地区の箱罠は市から借りているものです。

大切な税金がこうして地域の困りごとを解決するために役立っている様子が見えました。

 

 

 

 

福島さん、またみんなで戸馳島に研修に来たい!とやる気満々です。

 

こんな地域が全国津々浦々に増えていくといいなぁ〜!

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