農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2024年1月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。
1週間に2度、農家ハンターの団長のような宮川さんの講演がありました。
1回目は、北稜高校で農業科の高校生に向けて。
2回目は、九州全土からJA関係の若手農家さんや職員さんに向けて。
さすが、しゃべる農家(宮川さんの自称です笑)、おもしろい!眠らせない!笑
北稜高校で。高校生に向けて
北稜高校で毎年行われている、【北陵高校農業フォーラム】。
毎年、いろんな方が講演をされているそうです。
今年の講演テーマは「農業っておもしろい」。
宮川さんの話は、大失敗エピソードから始まりました。それも3つ!笑
どれも大人になって考えると「どひゃー!」な内容です笑
①「あなたに育ててほしい」と言われ引き継いだ大切な蘭を咲かせられなかったこと
→花がダメなんじゃない、育て方が間違ってた、と、育て方を変えて数年かけて大成功。
②ロスとなる花びらを使ってボトルフラワー開発・販売
→反対されながらも辛抱して開発に2年、販売に3年かけて、今や上皇上皇后両陛下に献上されるまでになった
③楽天市場にお店を出店、バズった企画でキャパ以上に売れまくってクレームの嵐、結果ぶっ倒れて生死を彷徨う
→「なぜ、何のために蘭をつくるのか」を明文化し、企業理念を掲げた。目標が明確になった。
こんな感じで、だいぶオープンに曝け出すところから始まるので、寝ませんね学生さんたち。笑
・農家は、変わらなきゃいけない。
「これが当たり前」という感覚にハマらずに、成長し続けなきゃいけない。
・情報をひろうだけでなく、出す人になろう。ITを味方につけよう。
・苦しい農業からおもしろくてたまらない農業にできる!
農家だからできること、農業のおもしろさを、目をキラキラにして話す大人の姿は、学生さんにどう映るのでしょうか。
可能性を信じて!
宮川さんが学生さんへ話す時は、いつも人生のエールを届けているようにわたしは感じています。
「農業を楽しんでほしい。
堂々と、自信を持って自分の道を大きく羽ばたいて進んでほしい。
人に応援してもらえたら最高だよ!楽しいよ!なんでもできるよ!」
そんなメッセージです。
農家さんでなくとも、おもしろいし自分に可能性があるかもしれないと感じられるので、若い人にたくさん聞いてほしいです。
同業!農家さんに向けて
場所は変わって熊本市内のメルパルク。
白川を臨む控え室で、講演直前まで調整をする宮川さん。
JAの関係の若手農家さんや職員さんに向けた講演は、高校生へのお話とは角度が違いました。
3大失敗エピソードは同じなんですが笑
農家同士だから伝えられるメッセージが詰まっていました。
「今、この品種を作っているのはなぜ?」
という問いに、皆さんドキッとされたのではないでしょうか。
例えば「この事業をしているのはなぜ?」と問われているのと同じです。この問いは、日常の中に埋もれていっちゃいますよね。
でも、この”なぜ”を大事にすることで、次の一歩が変わるという話でした。
そして少し視野をぐんと広げて、
【「つくる責任、つかう責任」は農家にも当てはまる、今までの当たり前を変え、選ばれる農家になろう!】
という宮川さんがきっとずっと向き合ってきたこの思いも伝えました。
鳥獣問題に無関係ではない農家さんばかり
ここでは鳥獣対策のお話もがっつりと。
九州内津々浦々から参加されている会でしたが、鳥獣被害に直面する農家さんや、被害は受けていなくとも鹿やイノシシさんに遭遇したことがある人が多く、
身近なものとして鳥獣問題を捉えておられるようでした。
猟期に入り、猟友会の方が犬を連れて山に猟に入ると、箱罠にイノシシさんが寄り付かなくなります。犬はイノシシの天敵だからです。
その時期は捕獲率は下がりますが、そのおかげで、人けのあるところにイノシシさんが出没するのがぐぐぐっと減ります。
イノシシ増えた?減った?変わらない?
「イノシシによる被害は、三角町で増えているでしょうか、横ばいでしょうか、減っているでしょうか」
というクイズに、ほとんどの人が「増えている」に手を挙げられました。
実際には、三角町では捕獲数が減っています。
捕獲率が下がったというよりは、カメラで確認したり現場の調査などからして絶対数が減っていると思われます。
この結果は、農家ハンター活動の大きな成果と言えるのではないでしょうか。
「川上から川下まで」やってきたから
講演の中で
「鳥獣対策のスキームは、川上から川下まで実践してきた」
という言葉がありました。
どんだけやってきたら自信を持ってそう言えるのだろうかと思いますが、わたしが知っていることの300倍くらいあれこれやってきたんだろうことは稲葉たっちゃんの話を聞けば想像できます。
エジソンの言葉を思い出します。
「私は失敗したことがない。一万通りの、うまくいかない方法を見つけただけだ」
農家ハンター活動を始めて最初の7ヶ月間、一頭も獲れなかったことも、このエジソンの言葉と同じことなんだろうなぁ〜
IcTを駆使してデータを集めイノシシさんを侮らず研究し、工夫を積み重ねてきました。
そしてそれぞれの役割を突き進んできたイノPメンバーのマンパワー、計り知れません。
質疑応答の時間では、新たなことに挑戦する時、家族や社員さんの協力をどう得ていくかという視点からの問いが多かったです。
質問したのは、挑戦している人、したかった人、したい人かもしれません。
わたしと同じように、自分に可能性があるように感じた人が何人もいらっしゃったかもしれません。
地域の人に火をつけるのは、実際にやっている人。
自分にできることや強みを活かし、変化すること、そして地域を盛り上げていくことを話して終わりました。
宮川さんも稲葉たっちゃんも井上くんも、しゃべれる農家、しゃべれるハンターです。
しゃべれるって強みだなぁ〜
みなさんに聞いてもらいたい!!