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2024.09.20

鳥獣対策先進県、なれちゃうかも?

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2024年9月彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

県議会に向けて現地調査

熊本県農水産常任委員会の委員の方々、熊本県職員の方々、宇城市の副市長はじめ市職員の方々がおいでになりました。熊本県議会議員の皆さんで構成される常任委員会、議会で役立てるための現場視察調査です。

 

三角ご出身の吉田委員長がご挨拶され始まりました。

宮川さん稲葉たっちゃんと旧知の仲ということで、ユーモアたっぷりで和みます😄

 

農業面で宮川洋蘭の概要を説明、その後農家ハンターの活動を説明へと続きました。

 

 

宮川洋蘭のお話も本当におもしろいんです。宮川さんがあまりにしゃべれる農家というのもあるんですが(笑)、地域でどう生産を盛り上げてきたか、どんなアイディアで逆境を乗り越えてきたか、どうやって楽天で表彰されるまでになるのか。そして、会社の利益だけでなく地域の利益になるコトやモノを生み出すエネルギーなど、学びがたくさんです。

 

 

さて、農家ハンター編。

楠田さんからは活動の概要を。端的で分かりやすい!それでいてちょっとおもしろいのがさすがです。

 

 

 

井上くんからは、ジビエや利活用について。

 

稲葉たっちゃんからは鳥獣対策の現場について。

 

 

意見交換がとても活発でした。

 

委員の方:「実践された人の知識や経験は、他の地域でも活かせます。農家ハンターでも最初は箱罠を置いて何ヶ月も獲れなかったように、簡単ではないからこそ、他の地域でも経験と知識を活かしてほしい」

宮川さん:「年間100回くらい講演をしているのは、自分たちで守ることのできる地域を増やしたいから。でも、県内からはなかなかお呼びがかからない。県外に出向くことが増えているが、熊本県内でもそんな地域を増やしていくために、議員の皆さんにもお力を貸してもらいたいです。」

 

委員の方:「自分たちのことばかりでなく、地域ともコラボしたいというのが根底にあるのですね。反省点として、自分たちが頑張りすぎて、地域の人にとって自分ごとにならなかったという点が挙げられました。どう解決したかなど詳しく教えてください。」

稲葉たっちゃん:「僕の反省ですが、自分の地域で自分が1人で頑張った結果、「あいつがすること」と周りに認識されてしまった。自分が被害に遭わないとなかなか自分ごとにならない。そして”自分がやるしかない”と腹をくくれると早く対策ができる。「あいつがやる」と認識されたらなかなか覆せないので、他の地域ではそうならないようにアドバイスしています」

などなど。

 

 

ジビエファームへ

意見交換の後は、ジビエファームへ。

堆肥化の機械や、この機械が地域で果たす役割についてを話したり

 

 

金網柵の説明をしたり

 

今日はイノシシさんの捕獲はなかったので本物をご紹介することはありませんでしたが、ジビエファームの中で解体から出荷までの流れ、衛生管理についての説明をしました。

 

今回のこの場では、活動の内容だけでなく農家ハンターが抱える課題、地域が抱える課題などもオープンに伝えました。行政にしかできないことや得意とすること、民間団体にだからこそできることがあると思います。強みを持ち寄って協力し合っていけたら、鳥獣対策先進県になっていくんじゃないでしょうか!!??

 

 

最後に、季節は秋ですが台風前日に元気に咲いていた向日葵さんを。

もうしばらく暑さが続きそうですね、皆さん農作業にお仕事に、お気をつけて!

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2024.08.31

玉東町からのお客様・柵を学ぶ日

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
20248月 彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

玉東町からの視察

大きなバスでいらしたのは、玉東町からみかん・お米・梨の農家の皆さんと町の職員さん。

防護柵の研修においでになりました。研修会場は青海小学校横の畑です。久しぶりに来たその畑では、サトウキビが大きく大きく育っていました。

 

玉東町もだいぶイノシシさんによる被害が増えてきたようで、電柵やワイヤーメッシュ柵を試みている人が多かったです。

 

「電柵は何ボルト必要か知ってますか?」

稲葉たっちゃんからのこの問いに、わたしが同席する中では初めて正解した方がいました!笑

 

個人で対策をしているものの効果的に守るにはどうすればいいか、鳥獣害対策の基本の守りに力を入れようと研修のご依頼がなったということです。

 

 

 

 

推しの金網柵

農家ハンターが推してる【金網柵】は、あまり知られてはいないようで、金網柵を主に紹介しました。

苓北町で使われていて効果が高いことから農家ハンターでも取り入れるようになりました。

 

 

山間部に行くとよく見かける、パネルのような溶接されているワイヤーメッシュは、安価で取り入れやすい良さがありますが使用できる場所を選びます。

足場がゴツゴツした石があるようなところだったり、でこぼこしていたらそこから動物に突破されてしまうので向きません。

場所によって種類を選ぶのがいいですね。

 

 

金網柵の推しポイントは

☆柔らかいため扱いやすい

☆足場に合わせてピッタリ張ることができる

☆地面に添ってL字に折り曲げられるスカート部分があるため、動物さんが掘り起こしにくい

☆そのため、ぴったり貼ればしっかり守れる!何年も突破されてない実績あり!!

 

マイナスと言えば

★他の柵と比べて割高

★張るのに人手がいる

 

ですが、地域の一つの行事にしてみんなで取り組んだり、行政の助成金をうまく活用することで導入しやすくなります。

(わたしも少しずつ詳しくなってしまいました笑)

 

効果をあげるために

カメラの有効性もお話ししました。カメラのいいところはそこにいる動物の大きさや動き、習性を知れること。

「ならこうしようか」と納得して対策できることにあるとたっちゃんは話します。

 

例えば、イノシシさんを捕獲するために設置した罠。

もし年に2頭獲れたなら、その罠は成功!として効果が高まる方法やアイテムを検証することなく、それが「正解」になったりしがちです。
もしそこで知識を仕入れて更なる工夫をすれば10頭獲れるかもしれないけど、「検証してみよう」とはなかなかならないものではないでしょうか。

一度対策をすると、より効果の高い方法やアイテムについて情報を仕入れることはなかなかない…というのが多いと思います。

 

でもそれだともったいない!工夫のしようはある!ということで、

「今は前よりもっと良い対策方法が出てきたりする。Youtubeでもいろいろ勉強できますから」

と稲葉たっちゃんが最後に皆さんに伝えたときは皆さん笑っておられました。わたしも笑いました。

でも、農家ハンターでは確かに様々な情報を得て、研究、検証をやっています。

 

 

おいでになった方からはいくつも質問がありました。

コスト面、柵の部分は草刈りをしなきゃいけないか、アライグマはどうしようか、など。

町の職員さんはカメラを導入する場合のランニングコストについても。

 

野生動物と距離の近い地域では町ぐるみでの対策が不可欠になってきますので、こうして一緒に学び共通理解を持って地元に活かせるといいですね。

 

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2024.08.20

植木町のヒーローに会いに行って来ました

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!20248月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

地域で鳥獣対策活動をする、農家ハンター仲間の宮本さん・西原さんの現場にお邪魔しました!

お二人は熊本市北区、玉東町との境の山で柑橘を中心とした農業を営んでいます。ここもイノシシさんの被害が大きく、本格的に活動を始めたのは4年前だそうです。稲葉たっちゃんがずっと彼らの活動をサポートしてきました。

 

 

今回、彼らが仕掛けた罠の状態を見たり、被害の現場を調査したりと、いくつもの現場を見せていただきました。

 

①箱罠

なかなか捕獲できなかったところ、たっちゃんからのアドバイスを受けて移動したらすぐに捕獲成功!この日も2頭。食べ物があまり多くない夏、痩せた薄い色のイノシシさんだったようです。

イノシシさんのご飯となる木の根っこを求めて土を掘りまくり、箱罠にしいたはずの泥はなくなってしまっていました。

 

骨組みが顕になると足元が悪くイノシシさんは警戒します。また平らな場所でないとグラつきが出て余計に怪しむため場所をズラすことになりました。

 

それからゲートが落ちるためのワイヤーの調整。たっちゃんの軽トラには必要な道具がいつも載っています。

 

 

 

②ブドウ畑の電柵

 

同じ地域の農家ハンターメンバーの観光農園。電柵をしていますが最近被害がひどくなってきました。ここは観光農園として開放しているので、昼間も電気を流すということはできません。その代わり、人がいると思わせるためかラジオがかかっていました。

それでも効果が薄く困っているようです。電柵は「痛い!」となることで怖がらせるための心理策なので常に電気が流れていることが重要なのです。

 

昼間も電気を流している、観光農園横の電柵の電圧をテスターで測ると……場所によって不十分でした。電気は見えないので調べるまでちゃんと流れているか、障害になっているものがないか分かりません。たっちゃんがテスターで電圧を測ることを、誰にでも口すっぱく言うのはこのためです。

③囲い罠

初めてお目にかかった囲い罠!
予想をしていたよりもはるかに大きい…!みかん畑の奥に設置してありました。

わたしの家より広いかも……。大きいためどこにでも置くことができず、なのに捕獲率が思ったほどではないのが課題の囲い罠。

前に捕まったイノシシが、どうにか出ようと慢心の力で体当たりしたのでしょう。
ゲートが曲がっています。命の危機があるとものすごい力が出ますね。囲い罠だけでなくどの罠も、檻の中にいるから、罠にかかっているからと安心せず、近寄らないようにしてくださいね。

 

④今日の夜中にイノシシさんに破られたみかんのビニールハウス

この日の夜中、イノシシさんが宮本さんの早生みかんのビニールハウスに侵入していたそうです。夏出荷のみかんたち、美味しそうな匂いにつられて来たんでしょうか。ハウスの周りにはイノシシさんの足跡や💩が。
そして中の早生みかんはしっかり食べ荒らされていました。入り口と出口を突き破った跡がありびっくり!結構高く飛べるんですね〜

 

 

 

 

ほとんど食べていることもあれば、味見程度で捨てられているものもありました。食べるならせめて食べてくれよぉぉぉ!

 

宮本さん、イノシシさんにビニールハウスを破られたと知り、すぐにビニールハウスの周りに電柵を設置しました。その高さを確認していくと、高すぎたり上下に2本ある柵の間が開いていたりとちょっと怪しいポイントが。

その微妙な高さで突破してしまう可能性があるので、ここもたっちゃんが確認をしてアドアイスしていました。

ビニールハウスで栽培をしているご近所さんにも周知し、皆さん素早く対策をされることになりそうです。これが農家ハンター!

 

 

 

 

地域の中心になって活動を進める宮本さん西原さんに話を聞くと。

「稲葉さんがいたからできたんですよ」
と口を揃えておっしゃいました。
「少しずつイノシシが出て来たな〜というタイミングで、見様見真似で電柵を張ったのが始まりでした。でも、全然効果がありませんでした。そしてアドバイスをもらって箱罠をやってみたところ、すぐに効果がありました」

2人が大事にしていることは、”自分たちだけでやらない”ということ。
たっちゃんからの、「周りを巻き込む」というアドバイスは経験に基づいたもので、自分だけで頑張りすぎると周りは「あの人に任せておこう」となってしまい、本人の負担がどんどん大きくなっていくからです。地域全体で対策をすることで効果も出やすいこともあります。
「おかげで今は「あそこでイノシシ獲れとったよ」と周りの人が教えてくれることもあり、ありがたい」と話されました。

 

【くまもと☆農家ハンター】の☆は、地域のヒーローをイメージしています。メンバーが鳥獣対策をすることで地域のヒーロになっていくことを目指してつけられました。宮本さんや西原さんはまさに☆!農業と地域のための鳥獣活動を両立しています。

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2024.08.12

1日でスイカを40個食べられる!?田原校区第5町内での研修会

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2024年8月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

熊本市の鳥獣対策室主催で行われた、植木町の《田原校区第5町内イノシシ対策研修会》にお邪魔してきました!

 

名前の通り、イノシシ被害に悩む地域で、ご参加の方の9割は農家でした。

植木はスイカの名産地、「おおとい、スイカ40玉やられた」とおっしゃる方もいました。他にもメロンやタケノコの被害が大きいようです。

 

そりゃあ収穫直前の農作物を食べられたら困る。。。しかも40個!

食べてしまわずとも、ちょっとかじっただけでもダメです。傷がつくと商品になりません。

「イノシシめ〜!」と涙声になりそうなものですが、皆さん同じ状況の仲間ですのでもう仕方なしの笑顔です。被害の話で盛り上がる、イノ☆コミ、ここでも。

 

 

 

 

 

各農家それぞれに対策も進めておられますが、より効果を高めるため地域ぐるみでの対策を考えたいと研修が行われました。

電柵をしている方は割合的に多かったですが、必要な電圧4000v以上流れているかどうか把握している方はいませんでした。測る習慣をつければ、線を草刈りで間違えて切ってた、とか、金網柵に当たって漏電してた…ということに早く気がつけます。実際にとても多い!

電柵でイノシシが命を落とすことはありません。「痛い!」となって以後怖がるための心理柵ですから、怖いと思わせることが要です。「電流流れてないことがある」ということを覚えさせてはいけないのです。

 

7月からは出産を終えたイノシシが出没しはじめる頃です。

時期によって、採れるものをイノシシも食べるため、イノシシの通る場所、来る場所は変わります。

イノシシの動きを見ていくことで、見えてきそうですね。

 

箱罠をしている方、「箱罠をただ置いてただけ。イノシシのことを何も知らずに置いていただけだから全然獲れんだったとね」という声もあがりました。

 

 

講義が終わってから寄せられた質問とその返答をご紹介します。

 

Q 箱罠のトリガーになるワイヤーは、ピンピンに張ったほうがいいか?

A 今の時期はウリ坊が多くいる。敏感にしておくとウリ坊だけでゲートが落ちることになり、親や賢いイノシシほど獲れなくなっていきます。ゲートが閉まるのを見たイノシシはより慎重になっていくので減らしているようで増やすことにもなってしまいます。なので、ピンと張って敏感にする必要はないかと思います。現場を見ないとなんとも言えませんが…

 

Q 薬をイノシシの餌に混ぜれば、すぐに数が減らせるんじゃないかという案を聞いたことがありますが、現実的なんでしょうか?

A 薬を使ってイノシシを処分することは倫理的にも法律的にもアウトです。また、イヌやネコなど他の動物がそれを食べて被害を及ぼすことも考えられますので、絶対にやってはいけません。餌といえば、放任果樹や出荷しない農作物を畑に放置することは「えづけ」になってしまうので、そうした場所をなくすことが重要です。

 

 

結びに。

「人に任せてても終わることがありません。来年からイノシシがもう来なくなる、なんてことはありえないのです。だからこそ、地域全体で、賑わいながら対策をしてほしい」とたっちゃんから話しました。

 

 

熊本市の鳥獣対策室の方も効果を高めていくことを軸に企画しておられました。(熊本市の鳥獣対策、農業被害と生活被害それぞれの部署があり、とても先進的なんです✨)

現場で対策を一緒に考えるような実技もやっていけると、その地に合った対策ができていくでしょうね。

 

 

ご参加の皆さんは、会が終わってから、公民館の外で

「まずは草刈ばせなんてこったいね」

と確認しあって解散されました。

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2024.07.31

ソラシドエコファーム2、耕作放棄地を再開墾!

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
20247月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

この夏、ソラシドエアとの協定で生まれた、《ソラシドエコファーム》に新しい場所が仲間入り!村落開発センターの裏、かつてのみかん畑です。

耕作放棄地となり鬱蒼としていたところを草刈りしてさっぱりしました!

 

農家ハンターメンバーの今村さんに秘密兵器をかしていただき、草刈りの効率が爆上がり。驚きのパワーです✨「この機械のおかげで短時間で終わる」と賛辞を述べたのは井上くんとたっちゃんです。

 

 

 

このままにしていてもただ草が生えるだけで何も問題ない……ように思われる方もいるかもしれません。しかし、この農地として使われなくなった場所、耕作放棄地をどうするかが鳥獣対策に大きく影響します。鬱蒼とした場所はイノシシさんの隠れ場所にうってつけなんです。

民家が近くにある田畑が耕作放棄地になると、そこを隠れ家にして人間の生活との距離が縮まります。農地としての役割を終えた場所は、動物も人間もお互い安心して暮らすために、見通しのいいさっぱりした場所に変身させることが欠かせないのです。

耕作放棄地を草刈りして見通しよく管理していくのは予防の第一歩ということですね。

 

そのため、農家ハンターではいくつもの耕作放棄地を再開墾して活用しています。

 

 

 

さて、今回ソラシドエアさんのソラシドエコファーム2となったこの場所は、みかんの段々畑だったようです。背丈よりも大きい草が生い茂っているときには段があると分かりませんでした。草刈りは段差があると、より時間がかかります。

でも、ソラシドの皆さんが機械を使いこなし、黙々と作業を進められたおかげで、朝7時からはじめた草刈りは3時間もかからずに終了しました。すばらしい!

 

ここの土は、だいぶ硬くっていて、何か野菜を育てるにはこのままだとちょっと難しそう…と猪上くん。

そのため、エコファーム1号ではさつまいもを植えていますが、ここでは果樹かな?栗かな?

これから考えるそうです。

 

 

 

終わってからは、うきうきらんらんブルーベリー園でブルーベリーと冷凍いちごけずりでエネルギーチャージです。

 

 

 

 

 

そうそう、ソラシドエコファーム1号も、この前日に周りの草刈りをしてすっかりキレイになりました。

2日間に渡るエコファームメンテナンス、お疲れ様でした!

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