農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2025年6月彼らの現場で見て感じた事をレポートいたします。
南小国町の田尻轟地区で、箱罠とカメラを設置しました。
もともとこのエリアの山の中には、たっちゃんと一緒に設置した箱罠がありましたが、イノシシさんのオフシーズンのため捕獲には至っていませんでした。そこでカメラ設置の依頼を受け、この日稲葉たっちゃんとお邪魔しました。行ってみると、箱罠は約2週間前、田んぼや畑に囲まれた池近く移動されたそうでした。しかし、現場を確認したところ、箱罠の設置場所としてはやや難があることが分かりました。
カメラ設置までの動きをレポートします。
【レポートのポイント】
▶︎箱罠とカメラを新たに設置
▶︎柵の内側から山中へ移動して再配置
▶︎設置は地域住民の皆さんで。
▶︎タイミングを見据えた捕獲活動
柵の中に侵入するイノシシの足跡
今回の設置場所は、地元の方々が知恵を凝らして設置した、メッシュ柵(山側)と電気柵(川側) の内側。にもかかわらず、柵の中にイノシシが侵入したとみられる形跡がありました。土手は掘り返され、田んぼの中にはイノシシの足跡、さらにはアライグマと思われる足跡まで。ここ最近は人の田植えなど人の動きがあったため、イノシシが警戒して気配が薄れていたようですが、活動を再開した様子です。
しかし、人間の生活圏(畑の隣など)への箱罠設置は適切ではないとの判断から、その場所でのカメラ設置は見送ることにしました。捕獲に至ったとしても、他のイノシシが農作物を食べに来るリスクが高まるためです。人間の生活圏で捕獲することは、「人間のところまで出ておいで」というメッセージになってしまいます。
新たな設置場所は柵の外、山の中へ
そこで、話し合いの上、柵の外にある山の中へ移設することを決定。設置作業は地域の方々の人手と知恵でスムーズに行いました。切り倒された木々を整理し、地面を平らにしながら箱罠を設置しました。特に注意したのは、メッシュ部分がイノシシの足に触れないようにたっぷりと土をかけること。イノシシはメッシュが蹄にはまるのをとても嫌がりますから、これはイノシシが警戒しないための重要なポイントです。
カメラ第1号を設置!
今回の作業では、田尻轟地区初のカメラを導入。たっちゃんが準備してくれたカメラは、今後のイノシシの動向を把握するための大切なツールです。カメラの設置はスムーズに進み、全体の作業時間は約50分ほどでした。
カメラの設置場所は、箱罠の入り口の反対側、かつ距離感が掴めるように斜めにするのが望ましいです。イノシシさんは警戒心が強いため、箱罠に入ろうとしたときに目の前から赤外線のライトが見えないようにします。
餌は柑橘と米ぬかを使用
罠には米ぬかと落ちていた柑橘類を使用。特に米ぬかは、罠の中だけでなく出入り口、10mほど離れた場所にも撒き、イノシシをうまく誘導できるよう工夫しました。今後、カメラで記録された写真はイノPへ送信され、地域のグループLINEに情報共有します。
捕獲はこれからが本番の季節!
7月以降はイノシシの活動が活発になる季節。たっちゃんの見解では、この時期を逃すのは非常にもったいないとのこと。捕獲の成果は、地域住民のノウハウ蓄積や、自信にもつながっていきます。
ちなみに、以前設置していた池のそばの箱罠では、箱罠よりもくくり罠の方が効果的だというたっちゃんのアドバイスがありました。箱罠は呼び寄せるやり方なので設置には向きませんが、特定の個体を狙って仕留めるくくり罠は選択として◎です。
鹿の気配もあり
さらに、設置場所ではシカの痕跡も確認されました。木の皮がめくれている箇所があり、これはシカによるものだろうとのこと。これから夏にかけて、捕獲頭数が増える季節に突入します。今後の成果に期待が高まります。
この日、阿蘇ではシカに見守られて帰路につきました。