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2025.02.21

マップづくりは”みんなで鳥獣対策しよう”の第一歩!阿蘇市山田地区にて

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2025年2月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

阿蘇市山田地区 効果的な柵の張り方

阿蘇市の山田地区で鳥獣被害対策のマップづくりが行われました。

の前に、みなさん外の集まっておられたので柵の講習を。

実際の現場で、金網柵はこの土地のどこに張ればいいのか?質問を交えながら説明しました。

 

 

 

 

畑のすぐ横がコンクリートだったら、電気柵はコンクリートぎりぎりに張る?それとも少しコンクリートから距離をとる?

 

電気柵に関していえば、じつはコンクリートの上にイノシシさんの足がある状態で鼻が電気柵に当たっても、あまり痛さは感じません。土の上に足があるほうが通電しますので効果があります。なので、コンクリート部分から少し距離を空けて電気柵を張るのが◎となります。

 

それでもコンクリートがすぐそばに張らなければならないときは防草シートに電線が編み込まれた通電シートを活用するなど、場所場所によって選んでいければ最小限のコストで効果を上げていけるかもしれません。

効率よく効果を高めるためには知識が必要です。時には、今までやっていたことから変更したほうがいい場合もあります。「この場合はどうだろう?」と考えながら、どこにどんな柵をするかを決めていけるといいですね。

 

 

また、管理のしやすさも重要です。管理のしやすさは効果に通ずる!ということで、”鳥獣対策ありきの管理しやすい畑づくり” にシフトしていくことが必要になってくるでしょう。

 

 

 

・一昨年まではイノシシは出てこなかったけど今は昼間も堂々を歩いている

・家庭菜園も荒らされるからもう作らない。

・電気を流しておかないと、電線が切れるようになる。

 

こんな声が聞かれました。

 

 

 

マップづくりは鳥獣被害対策に強い地域づくり

さて、この日メインのプログラムはマップづくりです。

これまでブログでも何度かご紹介してきた、鳥獣被害対策マップづくり。

その地域でどこに動物が出て被害が出ているか、対策はどうかを地図に落とし込んでいきます。

 

 

 

 

鹿、イノシシ、小動物、どんな動物がどこから来ているか想像できます。対して対策はどこでどうしているか地図に記すことで現場を俯瞰してみることができるようになるというものです。また、対策をどうするかを集落全体で考えていくことができるのです。

そしてさらにプライスレスな成果が、「集落みんなで共通の理解を意識を持てる」ということ。鳥獣対策は一人が万全にやっていても、動物は隣の畑に行くだけなので集落での効果にはつながりません。一人でやれることではなく協力して取り組むことですから、みんなで「うちの地区はこんな感じなんだね」と理解できれば次の一歩にもつながりやすいもの。

 

 

お昼ご飯にしし汁とおにぎり、ぜんざいが振る舞われました!お願いしたのはまるかけキッチンの橋田さんと橋本さん。前日から仕込んでつくってくれました。地区の女性陣もおいしいおにぎりを作ってくれました。

 

 

 

 

 

おいしいものが真ん中にあると心の距離が縮まります♪

 

たっちゃんは、美味しいものをみんなで前にして、「やることはたくさんあって、対策までするのは大変。鳥獣対策はマイナスのように感じるけど、イノシシや鹿を通じてわいわいやることをプラスの捉えて取り組んでもらえたら」と話しました。

 

 

「地域で鳥獣対策しよう!」と英断した区長さん(前の区長さんも)。その昔、イノシシをヘッドロックで捕まえたそうです。

 

あ市長さんも顔を出されました。

 

今回、たくさんの声を聞くことができました。ご紹介します。

・自分たちのところが動物から守れたら、次は別の地域に行くのではないか。町全体、県全体、国全体で対策しないといけないのではないか。

・今は農作物の心配だけど自分は人的被害が出るのを一番危惧している。

・Google Mapとの連携で、ITを使って対策できそう

・守ってばかりではラチがあかないのではないか。特に鹿は獲っていくことも考えないと。

 

熊本県及び阿蘇市の行政の職員さん

・阿蘇市全体に声をかけて、手を挙げたのが山田地区。ここがモデル地区になれば他地区も動くかもしれない。みんなで気持ち一つにやっていきましょう

・みんなで勉強して柵を張らないと効果がうすい。張って終わりにならないようやっていきましょう

・市から「ああしてくれ」「こうしてくれ」とは言えない。だけど「こうしたい」ということにはサポートができるのでどんどん声を挙げてほしい。

 

 

捕獲についての話では、「守りを固めていくと、次は母数を減らすために獲るということになっていきます」と楠田さん。これも地域で取り組むことです。捕獲で一番大変なのは止め刺しとその後の処理です。ジビエコンソーシアムが止め刺しの講習会をやっています。熊本は対策のための罠の講習やなどが充実しているそうです。

 

山田地区100世帯ほどあるそうですが、うち20世帯がおいでになりました。すごい!

 

稲葉たっちゃんと楠田さんは今回の講習に手応えを感じたようでした。マップづくりに至るまでがなかなか難しいことを他の地域で感じています。マップづくりは一人ですることではないですから、これは地域で課題意識を持てていることの表れです。また、住民の方の声にあったように、自分たちの町を守れたらそれでいいということではなく「みんなですること」という意識もまた日本各地で抱えるこの課題に挑むための鍵でもあります。

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2025.02.07

現場のリアル・捕獲から運び出しまで

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2025年2月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

 

大イノシシがかかった

 

「大イノシシが罠にかかった」

 

そう言って、稲葉たっちゃんと楠田さんは山に向かいました。

 

現場はこれまでにもイノシシさんを何度も捕獲してきた箱罠で、わたしも数回行ったことがありました。

通常、捕えられたイノシシさんは人間が近づくとそわそわと動き出したり、突進してきたり、時に威嚇の声をあげます。恐怖や脅威を感じて興奮状態に入ります。そのため、不用意に近づいてストレスを感じさせることのないように注意を払います。このときも距離を取り、隠れながら様子を伺っていました。

 

 

たっちゃんは、止め刺し(命を止めること)の方法として、空気銃を選びました。イノシシさんにも人にもストレスが少なく、またジビエにするのにも向いているからです。

 

わたしは空気銃で仕留める様子を見るのは初めてで少し緊張していました。

 

パスっと音が聞こえて、「おっ」とのぞいたけれど、倒れる音は聞こえない。暴れる様子もない。

 

それからもう一度。

それでも何も変化がありません。

 

空気銃が効かない

 

当たってないのかな?と思ったけれどそうではありませんでした。少し流血しているようだけど、様子は変わりません。

もう少し近づいてみることにしましたが、人間の姿が近くに来てもその大イノシシは何とも動じない。

 

気にもしていないような様子に驚きました。

結局、3発打ちましたが、空気銃よりもイノシシさんが強かったのです。

 

そこからは電気止め刺しに切り替えました。そのときも動き回り始めたのは終盤になってから。

どうしてこんなにも落ち着いていたのでしょう。

 

「自分の方が強いという自信があるから」

とたっちゃんが教えてくれました。

 

確かに、ボスの貫禄みたいなものがものすごくありました。もしも丸腰で戦えば、たっちゃんは良い試合をするかもしれませんが、わたしは間違いなく勝てません。それがわかっているから、精神的にも落ち着いているのだそうです。時々こんなイノシシさんがいるようです。

「大物はジタバタしない」というのは、人間の世界だけでなく動物の世界でも共通なんですね。

 

 

箱罠を補強するぐるぐるの極太ワイヤーも歯の力で引き抜いていました。

 

 

止め刺し、運び出し、運搬

息絶えたように見えても、確実にそうだと分かるまでは手を出すことはしません。力を振り絞って攻撃されることが実際にあるからです。特にこんなに生命力の強い相手だと、細心の注意が必要です。

 

 

運び出しも一苦労。なにせ重い。井上くん作の運び出し便利グッズは持ち合わせていなかったので、たっちゃんと楠田さん2人がかりで引っ張ります。手も痛くなる。

 

 

道路まで出て、ふうと一息。

軽トラまで到着したら今度は引っ張り上げねばなりません。

 

100kg超えているのではないかというほどの大きさですので簡単ではありません。これも二人がかりでどうにか。

 

 

こうして軽トラに載せて、ジビエファームに連れて行くのです。

 

 

これが、捕獲から運び出しまでのリアルです。
一人でやるのは大変。だから、地域の中で「これは◯◯さんの仕事」とせず、みんなで取り組むことが重要だとたっちゃんはいつも実体験をもって話をします。

自分に置き換えてみても、わたしも力がないので何かしたくてもできる自信はありません。精神的にも大きな負担になるし、運び出しもできない。一人なら「できないからやらない、やれない」となるけど、誰かと一緒なら「やれるかもしれない」「この部分ならできる」となっていくのだろうと思います。

 

 

捕獲した動物のその後

 

捕獲した動物は、その場に放置してはいけません。鳥獣保護管理法という法律で定められており、こうやって運び出すか埋設することになっています。

が、埋設も大変。穴掘りだけで時間も体力も使ってしまいます。でもこのように運び出しも楽ではありません。だから、ダメなんだけど、埋設までせずにざっと土をかけるだけで終わってしまう人も多いのだそうです。

 

全てのイノシシさんがジビエに向くわけではないし、販売はシーズンによって捕獲量も質も変わるためなかなか厳しいのが現実です。手間も大きいですし自分たちで食べるのでなく商品にするなばら施設も整えなければなりません。人手もいります。だけど埋めるだけというのは……

そこで活躍するのが、イノシシさんをまるっと投入してパウダーにするマシーンが活躍します。(楠田さんがイノ粉マシーンと呼んでいたような。。。)農家ハンターのマシーンは休眠預金の補助を受け、大きなサイズにチェンジしました。場所もジビエファームから移動。さらに本格的に稼働が進みます。

 

この日は試運転でした。極寒の中、マシーンからBBQの匂いがしてきて「美味しそうなにおい。。。」とみんなで呟きながら運転を見守りました。

 

 

以上、いつもとは少し違う現場レポートでした。

 

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2025.01.29

熊本県農業コンクール  優良賞受賞!

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
20251月彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

 

昨日開催された、熊本県農業コンクール大会の表彰式にお邪魔してきました。

 

農業経営や技術の改善に取り組む農業経営者や組織を表彰するものです。経営体部門・新人王部門・地域農力部門・地域貢献賞は、県内の11の地域からそれぞれ選ばれ、農業貢献賞は、農業を支援する活動をする企業や団体や個人に贈られます。農業コンクールの歴史は長く、昭和35年にはじまり今年で65回目を迎えました。

 

 

農家ハンターから生まれた株式会社イノPは、地域農力部門の優良賞を受賞しました。

 

評価された内容は、

・鳥獣害被害から農地を守る活動が、県内の農家を中心に130名以上の仲間と繋がる交流活動に発展したこと

・鳥獣害対策の第一線で培ったノウハウをセミナーや講習で他地域に広めていること

・捕獲したイノシシさんの有効活用のためにジビエ加工施設を建設したこと

・耕作放棄地をつかってサツマイモを栽培、そこに粉末化したイノシシさんを活用、保育園児の収穫体験を実施したこと

 

でした。

 

 

30以上の受賞者の方が集い、熊本県木村知事、熊本日日新聞社社等、熊本県農業協同組合中央会代表理事長など、錚々たる立場の方がお祝いの言葉を述べられました。

 

 

 

そこにくまモンやJAのマスコットキャラクター、熊日のキャラクターも壇上に並びました。

くまモンの素晴らしいエンターテイメント性(及びヤンチャぶり)に、東京から来た楠田さんは笑いを抑えられないご様子でした。ずっと動いてるモン

 

 

 

子どもだけでなく、おじさまおばさままで笑顔にするくまモン、すごい!!!笑

 

 

授賞式を拝見し、事例発表をお聞きし、それぞれのお立場で農業に尽力し、地域のために尽力し、時には女性のエンパワメントにもなるような活動をされていることを知りました。尊いことを長年されています。この授賞式にはいなくても、そしてわたしのような農業に関わりなく生活している人が知らずとも、熊本中にそんな宝のような人があちこちにいらっしゃるのだと思います。こつこつとたゆまぬ努力や工夫、連携、かっこいいなぁとしみじみ感じたのでした。

受賞された皆様、本当におめでとうございました。

 

宇城市で受賞されたみなさんと一緒に。

 

この少し前、受賞を知った南小国の集落で、サプライズのお祝いをしてもらったこと、稲葉たっちゃんは嬉しそうに教えてくれました。鳥獣対策の講習会をしたり実践したりと伴走している集落です。「おめでとう」と祝ってくれる関係が築けていることが何より、「たいが嬉しかった!」と感激していたようでした。

 

 

====

 

最後に。

お祝いの内容とは変わって悲しいお知らせですが、以前ブログでもご紹介した、宮川誠さんが天国に旅立たれました。
農家ハンターのwebショップの管理人をしていらっしゃり、代表・宮川さんの兄弟のようなご友人でした。

わたしは数回お会いしただけでしたが、ご自身の考えをしっかり持ち、課題意識を持ち、挑戦するかっこいい方でした。
また赤い車でぴょっといらっしゃるような気がしてしまいます。

ご冥福をお祈りすると共に、ご家族、ご友人の皆さんのお心が1日も早く癒えますように。

 

以前ご紹介した記事はこちら: https://farmer-hunter.com/blog/2422

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2025.01.23

対策と電気柵の基本から学ぶ!上益城での研修

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
2025年1月彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

御船町で行われた【上益城地域 鳥獣被害防止対策担当研修会】にお邪魔してきました。

上益城郡の各町の鳥獣被害に対する担当者からの要望を受けて開催されました。

 

稲葉たっちゃんが対策の概念や地域での取り組み方のコツなどをお話しし、
防護柵で信頼のおける防護柵メーカー、末松電子製作所のご担当者から具体的に柵のことを学ぶという内容でした。

 

 

みなさんの困りごと

 

 

鳥獣害対策の基本についてや熊本での被害の状況などについてお話したあと、「困っているということがあればそれに合わせて話しますのえ教えてください」ということで、それぞれの困りごとや質問を寄せてもらいました。

 

◆ 鹿対策に困っている。2mの柵も飛び越えると言われているが、柵にはどのくらいの高さが必要か

 ∟ 高い柵を飛び越えることもあるが、鹿を含め多くの動物は、追われたり危険を感じたら柵を飛び越えて入るけど、そうでなければ基本下から入ってくる。下をまず守ること。

 

◆ くくり罠での止め刺し(命をとめること)はどうするといいか

∟ くくり罠で捕獲した動物に近づくのは危険が伴うので、空気銃が安全。免許も銃も要るが、動物に近づく危険性や精神的にも負担が少なく、散弾銃に比べて音も小さい。

 

 

 

「『電気柵は効かない』という声をよく聞きます。そういうところの大半は夜だけ電源を入れて昼間は切っていたり、電流を測るテスターを持っていなかったりします。対策の方法はどこでも同じことが言われていて、行政としても対策は頭打ちになっている印象を受けるが、一つ一つ効果の上がることを愚直にやっていくことが重要です」とたっちゃんからのメッセージです。

 

 

電気柵の設置研修

イノシシと人間、感じる痛みは同じです。イノシシは頭がいい。その頭の良さを使った対策が電気柵です。電気柵は心理柵。「痛い・怖いを知って、その先に行かなくなる」ことを狙うものです。

 

その電気柵の張り方を分かりやすく教えていただきました!

 

《電気柵の張り方》

① 見回り
 張りたいところを見回り、電気の流れを妨げるものがないかを確認します。必要に応じて草刈りしてからがスタートです。

② 支柱を打ち込む
深さは30cmほどで抜けないように。木槌がおすすめですが金槌でも◎。
支柱と支柱の間隔は4mほど。大人の足で七歩くらいです。

この時に人が立つ位置は獣側。山側とも言えます。作物側から打つと、自分の打ちやすいところを選んでしまいます。私たちが考えなければならないのは、動物の都合や目線です。イノシシは、開けたところが苦手です。その先も怖がります。だからあえて獣側にすることで畑きわきわにせず、少し開けたところをつくるためという意味もあります。

人間の行動と動物の行動のクロスするところが穴かもしれません。

 

③ 電線を張る

張り方はピンとしつつピンとしすぎないように、たるませないように。動物がぶつかればたるみますし、そこで「ここから入ったか?」と推測できるようになります。そしてイノシシは70〜80kgあるので石を持ち上げるほどの力がありますので、ピンとしすぎない遊びが必要です。
それから、メーカーによりますが、クリップは畑側に来るようにします。

 

 

④ 機械について

機械は地面に置かないようにしてください。湿気対策です。雨対策はしていますが防水ではありませんでの水に浸かるのは避けたいところです。風雨から守ろうとビニール袋や肥料袋をかける人もいますが湿気ってアウトなのでご用心。どこに置くかというと、一緒に売られている専用のものを使わない場合は、太めの角材につけたりして浮かせてください。

ま選び方も重要です。ちゃんとした本体を購入すれば、不幸な事故は起こりません。電気もずっと流れているのではなく、1秒おきなど一定のリズムで流れているので安心です。

 

 

⑤ アース

アースの打ち込みも重要です。地面にぽんと置いてあるだけでは電気はうまく流れません。まとめて打つ・半分しか打ち込まないというのも効果がありません。例えば果樹を守ろうとしているなら、木のそばなど陰になっているところ、湿っているところを選びます。アースの線も地面に入れ込んで隠してください。

 

以上、電気柵の張り方をまとめました。

誰にでもできるのであえて学ぶ人は多くないかもしれませんが、効果を出すには一つ一つ専門家に学べば早い!ということなんですね〜

 

 

↓これは、シカさん用電気柵です。大抵は、下から3段目、4段目で感電していることが多いようです。

わたしのゆるゆるな絵で恐縮ですがわかりやすく描くとこんな感じです。

例えば、もともとイノシシ対策に電気柵をしていたところにシカさんも来るようになって困っているということがあれば、こうして追加するという手もありますね。

 

 

アナグマやアライグマも畑にはよく遊びにきます。彼らは掘って突破口をつくります。そんなときにはこちら【小動物用ネット】!

 

電気防護ネットと、下に敷いてあるのはマイナスシートと呼ばれるものです。、雑草を生えないようにするマルチシートに似ていますが用途は全然違います。マイナスシートには電線が編み込んであります。草刈りの頻度を減らすために電気柵の下にマルチシートを敷いている方もいらっしゃるようですが、マルチシートと電気柵の組み合わせだと1000〜2000V下がってしまいます。電気柵の効果が薄れるので要注意ですね。

 

 

ここからはQ&A!

Q  電気柵の機械本体を守るにはどうしたらいい?

A 基本的に野ざらしで構いません。もし壊れたら修理できます。

 

Q さる対策は?ブドウ棚や栗畑に入るので困っています

A サル用の電気ネットもあります。メッシュ柵の上に張るものもあります。 一匹感電すれば、他のサルも入りません。

 

Q 乾燥対策は?

A 通電をよくするためには水気、湿気が必要ですので、水をまければいいけど難しい…そんなときにはマイナスシートが効果的です。乾燥した場の救世主です。または、獣道を見つけたらそこを守る。水を撒いたり、鉄板を敷く人もいます。どうしようもない場合は電気柵から金網柵にかえて成功した事例があります。

 

 

 

今回、わたしも電気柵の勉強になりました。

理科が苦手だったので電気の流れる仕組みもよく分かっておらず(^^;)

悲しい事故のニュースの記憶もあり、なんとなく危険で怖いものという印象もありました。しかし正しく作られたものを適切に使えば誰かが命を落とすこともありません。

 

農家ハンターにくっついて行くと、「電柵は効かん。困っている」とよく聞きます。

でも、たっちゃんはいつも言います。

「電気柵は効果ある!」

 

電気柵の可能性を信じて、正しく対策していきましょう〜!

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2025.01.11

効果的に守れている畑に視察 阿蘇市から小国町へ

農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!2025年1月、彼らの現場で見て感じた事をレポートさせていただきます。

 

阿蘇市農家さんの視察

南小国町の松の木地区に、阿蘇市の山田地区から視察団が来られるということでお邪魔してきました。

 

 

 

 

 

松の木地区は川と山に挟まれるように位置し、山と川どちらからもシカとイノシシがやってきていました。そこで住民の農家の方が自主的に対策をしようと柵をしました。

しかし川側にかけた柵は規制の対象となり、3年前に地区の皆さんと稲葉たっちゃんが柵を設置しなおした経緯があります。

山側のメッシュ柵は現在も使われています。自分のところの守りが弱かったら他の人にも迷惑がかかるということで、良い意味で競うように丁寧に柵を張り、メンテナンスしているそうです。

山手側は比較的凸凹が少なく、張りやすかったのもよかったようです。

 

みんなで柵をして効果があったことから、川手側に柵を張りなおすときも協力的だったと秋吉区長が教えてくれました。

 

 

 

畑をぐるり 防護柵の具体例

 

畑をぐるりと一周して、柵の状況を確認しました。

どんなところが、動物にとって入りやすいか、実際に入られているところはないか、メンテナンスが必要なところがないかなどを確認するためです。

山田地区の皆さんが地区に柵を設置したときのイメージを持てます。

 

 

 

 

金網柵は、L字に折るようにして張ります。柔らかいので地面に沿って形状も変えられ、動物の衝撃も受け止めます。そしてL字にすることで、動物が地面から掘り起こしにくくなることが魅力です。

 

「この隙間から入られるかも…」という場所発見。

 

 

この地区では、山手側にメッシュ柵をし、川側に金網柵をして組み合わせています。土地の特徴や予算に応じて、使い分けていくのもいいですね。

 

口調の秋吉さんは、「金網柵は強くて弾力がある。管理といえば見回り草刈りくらいで、ほぼメンテナンスもいらない。ワイヤーメッシュ柵と違って金網柵は門扉がつけられるので、軽トラでの出入りもしやすい」と言っていました。

 

 

質問紹介

具体的な質問も挙がりました。

 

 

Q 山田地区ではどうやって防ぐといいだろうか?

A みんなで取り組み、管理するものだから、みんなで話して決めるといい。場所次第で組み合わせてもいい。一度導入すると変えるのは大変。見回りもしないと入られる。電柵は管理の手間がかかる。しっかりみんなで考えてほしい。

 

Q 山田地区では鹿もいる。まだ被害はそこまでないが、シカ対策もしていったほうがいいか?それとも被害が出てからでいいか?

A 目撃されているなら、シカ対応のものがいいのでは。後からシカ対策の高さをつけたすこともできるが、最初からやっていた方が労力がかからない。

 

Q 金網柵はどのくらいもつ?

A 14年と言われている

 

電気柵にご注意

川側には隣の地区が電柵を張っていました。それぞれの地区ごとに対策をしています。イノシシさんはしっかり泳いで渡るので川の対策が必要なのです。

ただ、土地の特徴で電圧がなかなか上がりにくく、また子どもたちへの注意喚起も課題でした。そのため、これから金網柵に変更予定です。

 

せっかくなので、電柵の望ましい張り方、チェックの仕方をレクチャーしました。

ここは8000Vほど流れていて、守りはばっちり!でしたが、たっちゃん誤ってビリビリをくらってしまいました。頭の周りに星が飛んでたそうです☆〜★〜☆〜★慣れた人でもそういうことがありますので、皆様もどうぞお気をつけくださいね!

 

 

 

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