農家ハンター応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
農家ハンターが手がけるイノシシちゃんのオイル石けん、進んでいますよ!
石けん作りの場にお邪魔してきました。
パートナーラボ・テクニカル工房
パートナーラボ的な役割を担ってくれている社会福祉法人ひまわり福祉会 就労支援センターのテクニカル工房さん。
ここは、イノシシの脂から石けん素地を作るという中間加工を担います。
山本今朝一(やまもと けさかず)施設長さんが、イノシシオイルのポテンシャルを存分に発揮した、良質で、より無駄のない石けんを作ろうと奮闘しています。
山本さん、実は石けん作りの経験をお持ちだそうです。
イノP社員のさよちゃん、農家ハンター研修生の佐渡さん、サポーターの井上さんと一緒にお邪魔してきましたよ。
試行錯誤のお肉の行方
テクニカル工房には、ジビエファームで脂部分を切り落とし、小分けにしたものが届きます。
ここで更に念入りに不要な部分を切り落とします。部位によっては膜が取りづらく、時間がかかりますが、サボれない大事な工程です。
それを細かくした後、火にかけます。
火とんこつラーメン屋さんのような、肉の出汁の いい香りが漂ってきました。
3~40分ほどして火を止め、濾して見てみると、黄金色のスープ!!
お肉を味見してみると…
「おいし~!!!!」
特に研修生の佐渡さん、本職はシェフなので目がキラキラ!
油脂(脂分)をとった後の肉を、更に料理に使えるのではないかと考えを膨らませていました。その様子と、花柄の割烹着のコントラストがまた素敵でした。
そのうちに、これがまた何かに化けるのではないかと期待が膨らみます。
肉を茹で、脂分を固めるという下準備までがテクニカル工房さんのお仕事。
そこから先はまた次の工程に移ります。
すでに申し分ない質なのですが、同じ肉の量でいかに多く、より良質な石けんにできるか、何度も何度も試行錯誤を重ねています。
始めた頃は、脂の10%しか石けんの素地がとれませんでした。試行錯誤の結果、その割合が増えていっています。
地域貢献が、違う分野の社会貢献を生む
テクニカル工房は就労を目的とした福祉施設です。身体・知的・精神といった様々な障がいを持った方がパンやクッキー作りといった就労、もしくは、就労のための準備運動のような役割を担います。通常は、クッキーやパン、パウンドケーキなどのイベント販売や出品の売り上げが、そのまま利用者さんの工賃となります。
働いてお金を稼ぐ、ということは、自尊心に直結します。
自尊心は、人間が人間らしく生きるために必要なもの。
そして、就労は社会との接点でもあり、そこで得た対価を家族のために遣ったり自分の好きなものを買ったりすることが生きがいになる人もいます。
しかしコロナウイルスでイベントが激減。売り上げがないと工賃にも影響が出ます。
危機的状況を打開すべく、縁あってジビエファームを訪れた山本さんは石けん作りに手を挙げてくれました。
今は、山本さんがイノシシのオイルに合った製造方法を編み出しているところですが、
ゆくゆくは利用者さんもこの製造に携わることになります。
「その人の持っている身体的機能と、業務のマッチングをして、できるところに入っていただきます。」と山本さん。
地域を守るために始まった農家ハンターの取り組みが、就労支援センターとタッグを組むことで社会貢献に繋がり、新たな価値を生み出そうとしています。
逆境が好き
山本さん、生き生きとしておられました。わくわくにも似た感じ。
「悩んで、試行錯誤することが好きなんです。課題があるとやる気が出てくるんです。
逆境が好きなんですよね。休みの日も出てきてやっています。
それに、イノシシの命ですから、良いものにしないと。
僕としては、アトピーの子でも使えるようなものを目指したいです。」
ものに対する「好き」はよく聞きますが、逆境が好きとは…
プロジェクトXです。
課題解決に燃える、代表の宮川さんと通ずるものがあります。
プラスのエネルギーに満ちた石けん、さぁどうなっていくでしょう!
最後に
パンやクッキーのお土産をたくさんいただいて帰りました。手作りの米粉からできた、中身ぎっしりもっちりで、とても美味しかったです。どこかで見かけたらご賞味ください♪